ガーラは毎年、同じ時期に、同じ干潟や湾処の、それも、数十メートル四方の狭い範囲でよく釣れます。こうしたピンポイントを見つけるとことが待ち伏せの釣りの前提条件です。
よい場所の条件は、次の三つだと思います。
1. 沖に大型のガーラのいる深場があること
2. 浅瀬から深場に向かう流れがあること。この流れに乗って深場の方から浅場にガーラが入ってくる
3. その流れに接して小魚などが集まりやすい湾処や浅瀬があること。
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3連続バラシがおきた湾処は、こうしたポイントの一つでした。湾処は、沖縄本島と対岸の小島との間にある水路に面しています。水路は湾処の左手を流れており、湾処の海岸線は、水路の流れる方向と直角方向に交わる形になります。水路の水深は20メートル近くあって、満潮から干潮に向かうときだけ、右から左へ早い流れが生じます。この流れに引っ張られて湾処の水も流れ出します。水路の急流れに引き込まれて、湾処の海岸線に水路方向に向かう流れが生まれます。ガーラの群れは、この流れに乗って、湾処の海岸線の浅場へと侵入してきて、一斉に小魚を狩るのです。夏の間は、毎日、これが繰り返されますので、引き潮の時間に出かければ簡単に魚をかけることができたのだと思います。
他の場所では、多くを釣り上げることができたのですが、この場所は、海底が岩場だったので、糸を切られることになってしまったのです。