"得意なことを伸ばす"の落とし穴
▪️不得意なことから避けてきた
人とのつながりを軽視しすぎてないか?ふとそう思った。人とコミュニケーションを取ることは苦手だし、逆に自分で考え1人でコツコツと仕事をすることは得意だ。だから、会議も基本的に無駄だらけでコスパが悪いし、コミュニケーションは基本的に時間の無駄だと思って仕事をしてきた。しかし、人と上手くコミュニケーションを取ることで結果を出す人がいることもまた事実。というか、大抵の職種の場合は結果を出している人はそうしているのではないだろうかと思う。そんなことは薄々分かっていたが、私は苦手だし不得意だし、ストレスがかかるから人種が違うんだと、別のやり方でやるんだと避けてきた。
▪️"不得意だから不必要"ではない
最近よく言われていることとして、いわゆる平均値にもっていくための不得意を克服するのではなく、得意を伸ばすことが大切だといろんなところで言われており、一般的な考え方として浸透してきていると思う。
私もそれに賛同する1人だ。
しかしどうだろう、その言葉を少し都合よく捉えすぎてはいないか?言い訳として使っているのではないか?
仕事をしていると、どんな職種でも人との関わりはあるはずだ。営業はいうまでもなく、私はエンジニアをやっているが他部署との連携は必要だし、一見ひたすらパソコンに向かってやるような仕事でも多かれ少なかれ他者との連携が必要な場面はあると思う。その関係のなかで仕事を進めていくと、お願いや説得をしないといけないことは当然ある。そしてお願いをしたとき、やってくれる・やってくれないの判断に対して、全ての項目に閾値的な判断基準があるのならよいが、数値化や定量化は難しいのが実情だろう。
何が言いたいかというと、私が結果を出すためには他者との連携が必要であり、そのためのコミュニケーションは得意不得意関係なく必要であったということだ。
▪️得意を使って、不得意なことをやる
では不得意なことをストレスを抱えながら努力するべきなのか?というと、そういうことが言いたいわけでもない。大切なのは、コミュニケーションをできるだけ得意なやり方でやる方法や戦略を思考することだと思う。つまりは、結果を出すのに必要であることが不得意なことだと思っても、得意なことを使えるように模索すること。
例えば先の例なら、コミュニケーションにも色んな方法がある。大人数の場面で話す(仕切る・盛り上げる)、対面でじっくりと深く話す、話を聞く、emailやLINEのような文面のやり取りもコミュニケーションだ。私の場合は、大勢の前で話したり盛り上げたりするのが不得意。しかし、相手の気持ちを理解し、じっくり話すことにはそこそこ自信がある。なので、できるだけ対面で話せるような機会をつくることを心がけている。当然全てそうできるわけではないが、不得意な場面でやり続けるより、或いはコミュニケーション自体を避けるよりよっぽど効果的なはずだ。文章が得意な人はメールやチャットの文面を工夫したりすると、よい印象づけができるだろう。文面だけでなく、返信速度なども考えることができる。
必要なことは苦手意識があっても必要だという事実を受け入れ、やり方を工夫することが重要だと考えている。できるだけ自分の得意な方法で。
▪️最後に
最後に、今回伝えたかったことは"不得意なことはやめて得意なことだけやろう"という考えを都合よく解釈しすぎていないか?ということだ。人それぞれ求めている結果は違うが、結果を出すために必要なことは文字どおり必要なのだ。得意不得意は関係ない。手段はなんでもいい、上のようにやり方を工夫するのも良し、お金で外注できるならそれも良し、システム化できるならそれも良いだろう。私も含めて、人は無意識のうちに言い訳をして、都合よく解釈して避けようとする。その特性を理解し意識を向け、本質的なアクションを考えていって欲しい。