天官賜福の雑多な話

天堂有路你不走,地狱无门你闯进来。

これ、鬼市で花城が紅幕の後ろから謝怜、師青玄、郎千秋に対して言ったセリフなんですけど
時代劇の悪役がよく言うセリフです。

直訳すると

天国への道は開けているというのにあなたは行かない、地獄のドアはないのに、お前は押し通ってきた。

えー、わけわかんないですね。
中の人は任侠物が好きなんで、任侠風に意訳してみましょう。

カタギらしく大人しくしていればいいものを、わざわざこんなところまでノコノコ出てきやがって。

この時の花城めっちゃ好きです。
悪役感パねえ〜

次!

前一回書いたんだけど(消した)
花城の哥哥呼びについて死ぬほど語らせてほしい。

花城が哥哥言う度に「呼び方クソ可愛くね?」って思ってます。
原作ではいきなり哥哥と呼んだわけではない。

謝怜は最初、礼儀正しく「这位朋友」(こちらのお友達)と呼びかけてる、ということをまず頭に置いていただけますでしょうか。

ちなみに謝怜は年齢というか見た目を尊重して、
小朋友(ちいさなお友達)と呼ぶのはやめておいた、そうです。
キッズ扱いされなくて良かったね三郎。その後南風たちにお説教するとき謝怜は小朋友言うてるんだけど…

花城はちょっとずつ間合いを詰めて、謝怜と親しさが増す度に呼びかけ方を変えています。

这位哥哥(こちらのお兄さん)
这位道长 (こちらの道長さん)
道长哥哥 (道長のお兄さん)
哥哥 

这位は敬語にあたるので一旦ここでは
「お兄さん」としておきます。理由は後述

ちなみに中華圏だと年齢は「数え」なので
生まれた時に1歳という計算です。
三郎は16、17歳とされてますが、これ、日本的には15歳です。謝怜が飛翔したのも17歳ですが、実際には16で飛翔したことに…
(面倒なんでそのまま16、17歳でも良いんだけど。)
ここも頭に入れておいてください。

で。

哥哥って?

私は哥哥と呼びかける人を中国で見かけたことはあまりありません。幼児くらいでしょうか。

哥と哥哥では雰囲気がちょっと、いやかーなーりー違う。

例えば

私の兄は花城といいます。
「我哥叫花城」
これを
「我哥哥叫花城」に変えると

私のお兄ちゃん♡は花城といいます。

こうなるんですよ。わかります?

たとえば、親しいちょい年上の友達がいたとして、その時の呼びかけ方。

「怜哥」←怜兄 ←普通
「怜哥哥」←怜お兄ちゃん ←幼い
「大哥」← 兄貴

なお、中華圏の人が実際に自分の兄を“哥哥”と呼ぶのですらせいぜい小学生くらいまで。
それ以降も”哥哥”と呼ぶのはかなり稀かと思われます。(普通は哥と呼ぶので)

哥哥だと呼んだ側がまだ幼いか、めっちゃくちゃ甘えてる感がある。
めっちゃくちゃ甘えてる感が出るんで、中華圏の男性は年下の彼女に哥哥って呼んでもらえるとめっちゃ嬉しいけど、かなり恥ずかしいそうです。

しかし男性同士で20代くらいまでの人に突然哥哥って呼びかけると「俺そんなガキに見えた?え?おまえ俺と血が繋がった弟だったっけ?え?どゆこと?」ってなります。ドッキリのネタになるレベル。
(子供が呼ぶのは大丈夫です。)

なので、いくら優しい殿下とはいえども、ちょっとずつ呼び方変えてって心理的距離を縮める必要があったんですよ!
三郎は15歳なので、礼儀としても年上に向かっていきなり哥哥は変。
でも花城はめーちゃーくーちゃーあーまーえーたーいー。
哥哥って絶対呼びたい!你でも怜哥でもなく、哥哥♡800年こじらせた結果が哥哥って呼んで甘えたい!!

より自然に殿下を哥哥と呼ぶにはどういうステップを踏むべきか、相当考えたはず。
そんで何食わぬ顔して「昨日お兄ちゃんの寝床で寝かせてもらったから」言うんですよこの男。…小花め…なんて悪い奴なんだ…
私がそのまま哥哥表記にして翻訳してるのはまさにこのためというか。アニメの「兄さん」は他にそうしようが無いとはいえ、やっぱりちょっと違う。
哥哥♡は哥哥♡なんだよなあ。

そら南風と扶揺もキレ倒しますわ。
そんで無邪気なフリして思いっきりバカにしてからかうし。あ…悪魔ァ!あ、鬼だったわ。

「哥哥、この人たちって下僕?」

仆人←下僕

鬼たちに至っては言葉に遠慮が無いんで
え?花城主と血のつながった兄?それともヒモ的な彼氏さん?ってざわつくし。(小白脸/ヒモ)

花城は外伝でどさくさに紛れて謝怜に三郎哥哥って呼ばせて喜んでるし。ほんと悪い奴だ…

三郎って呼び方もアレですよ。
これ古代中国では「夫の愛称」でもあるんですよ。
三男坊じゃない。「ダーリン♡」
花城主…你太坏吧?不愧是绝境鬼王
花城主、めっちゃくちゃ悪くないですか?さすがは絶境鬼王です…