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『ガンニバル』は今までありそうでなかったヴィレッジ・サイコスリラー #ドラマ感想
累計発行部数200万部を越える二宮正明の人気漫画を実力派製作陣が実写ドラマ化。
監督には『さがす』の片山慎三と『ドライブ・マイ・カー』に助監督で参加した川井隼人。
脚本は『ドライブ・マイ・カー』共同脚本の大江崇允、プロデューサーには同じく『ドライブ・マイ・カー』山本晃久など豪華実力派メンバーが名を連ねます。
実写化不可能と言われていた衝撃の内容を日本のトップクリエイターたちが見事傑作に仕上げています。
作品詳細
タイトル:ガンニバル
原作:『ガンニバル』二宮正明
配信:2022年冬(Disney+)
監督:片山慎三、川井隼人
※片山監督他作品『岬の兄妹』『さがす』
※川井監督他作品『ドライブ・マイ・カー』(助監督)
脚本:大江崇允
プロデューサー:山本晃久、岩倉達哉
出演: 柳楽優弥、笠松将、吉岡里帆
IMDd:7.4/10(2023/2/12時点)
今までありそうでなかったヴィレッジ・サイコスリラー
ヴィレッジ・サイコスリラーと言えば、最近では『ミッドサマー』などが話題になりました。
"村"という閉鎖空間・コミュニティによそ者が入り、その村独自の文化に翻弄されるというパターンがよくあります。
「よそ者 対 村人」という構図になりがちなので、主人公はどうしても振り回される立場であることが殆どなのですが、本作は一味違います。
まず主人公の阿川大悟(演:柳楽優弥)が村人以上にヤバい。
正義の為ならば、躊躇なく人をボコボコにします。
もう村人であろうが関係ないです。文字通りボコボコにします。
供花村という閉鎖的なコミュニティを暴力でゴリゴリにこじ開けていく姿に興奮が隠しきれません。
これ村人目線の阿川に対するホラー作品作れるんじゃないかと思います(笑)
この柳楽優弥の鬼気迫る演技も、本当に素晴らしいので見所の一つです。
また本作は、「阿川・村人・後藤家」という対立になっているのが、今までの作品とは違う点かなとも思います。
後藤家という圧倒的なパワーを持った存在とそれを恐れる村人。
この2者がいることで、後藤家が放つ「フィジカル的なホラー要素」と村人が放つ「メンタル的なホラー要素」が入り混じり、より深い恐怖が生まれていました。
文化の違いがもたらすものとは
村で行われているとされている「人喰い」についてですが、
これって供花村では文化なんですよね。
文化って良い意味でも悪い意味でも使われることがありますよね。
そのコミュニティでは当たり前でも、コミュニティが変われば当たり前ではなくなります。
例えば、日本では捕鯨が行われおり、鯨を食べる食文化があります。
しかしアメリカでは捕鯨自体禁止されており、鯨を食べることにバッシングを受けています。
またベトナムでは「バロット」という孵化直前のアヒルの卵を食べます。
日本ではありえない食べ物ですが、ベトナムでは当たり前。
この様な文化の違いってかなりあるんですよね。
戦争だって、お互いの正義の押し付け合いです。
異文化同士、どう共存していくのか非常に難しい問題だと思います。
供花村の行き着く先もとても気になります。
そんな気になるシーズン2は、ほぼあると勝手に思っているんですが、
どんだけ話が面白くても視聴回数が少ないと平気で打ち切りになる厳しい世界なので、シーズン2を要望する人は、周りのまだ観ていない人に是非オススメしていきましょう!