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闇を照らした1つの光


僕には忘れたくても忘れられない絶望がある

悲しみを通り越して無の絶望

事の発端は中学1年の冬

唐突に始まったいじめ

最初は陰口

「あの見た目 終わってる笑」

「デブでブスとか親の顔が見てみてぇ笑」

「触らないで 気持ち悪い」

その後だんだんといじめはエスカレート

教科書は隠される

上履きや椅子に大量の画鋲

机には死ねや消えろの暴言の数々

最初は無視していたが2ヶ月を過ぎた頃

僕の心は破壊された

言われようのない陰口と人の手による加害によって

その日を境に学校には行かなくなった

心が破壊された日から食事が喉を通らない

いじめのせいで眠れない日々

目を閉じればあの悪夢を思い出す

こんな思いをするために生まれてきたわけじゃないのに

友達も学校に行かなければ関係は崩れる

ただでさえ数少ない貴重な友達なのに

頼れる人は周りにいない

いたとしても近くにはいない

同い年の幼馴染み

夢のために旅立った


そんな生活を過ごして2年が経とうとした時

僕のもとに1本の電話が入る

「もしもし○○」

久しぶりに聞いた幼馴染みの声

嬉しさなのか不甲斐なさなのか分からないが涙が止まらなかった

「○○どうしたの? 大丈夫?」

その言葉を聞いたとき初めて助けを求めた

○○「飛鳥 助けて…」

飛鳥「理由は分からないけど分かった 今から送る住所に来て」

○○「うん…」

それが僕にとっての転機だった

この日を境に暗い闇の中だった人生に光が指した



飛鳥が電話をしてきてから早10年

あの日から僕は飛鳥のために人生を捧げた

そんな飛鳥が夢だったアイドルから卒業する

後輩に見送られながら

飛鳥から卒業の話をされた時あの日の事を思い出す

あの時 飛鳥が電話をしてこなかったら

僕は間違いなくこの世からいなくなっていた

だから僕は君に精一杯の


「ありがとう そしてお疲れ様」


…Fin





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