史跡アプリをスマートグラスで見てみた_あたらぼ研究ノート03_スマートグラスを使うと、縄文時代の神明貝塚の魅力を最大限伝えることができるか?
あたらぼ第3期Lenovo指定企画の研究ノート03です。
GalaxySC23をお借りし、Playストアで入手できる史跡アプリをダウンロードしてみました。
多くの史跡アプリは現地でGPSにより位置情報と連携しているので、自宅内では機能が制限されています。
それでも、いくつかのアプリには自宅で発掘された土器や、古墳の石室の中を見ることができます。
まず、鳥取県の青谷上寺地遺跡のアプリでは、発掘された土器などの3Dモデルがあり、それをスマホ画面で操作(回転)しながら、全方向を見ることができます。
これをLenovoのT1スマートグラスで見てみると、少し残念。スマホの画面が縦長なため、スマートグラスの視野のにスマホ画面がミラーリングされるので、せっかくの大画面(にみえるグラス)なのに、土器をアップさせるのには限界があります。
次に、古墳の石室の中を見ることができるアプリは、名古屋市の志段味古墳群のアプリがあります。
志段味古墳群のアプリは、石室内部をVRで表現しており、天井も壁も床も見ることができます。これがVRゴーグルならば、頭を動かすだけで石室の中を全て見ることができるのかもしれませんが、確認できません。
一方、T1は頭を動かしても画面は変わりませんが、志段味のアプリはスマホを動かすことで、画面が変わるので、頭を動かす必要がありません。頭を動かすことができない障害者や高齢者には有効?かも。もちろん、電車内で見ているとき、頭を動かさないので怪しまれません。
今日の考察
スマートグラスの画面の一部にしかスマホの画面がミラーリングされないということは、他の部分はグラスの向こう側が透けているということです。
今日は夜間の室内での実験のため条件は異なりますが、スマホとスマートグラスの両方の明るさを最低にしたら、スマートグラスの視野の中に、スマホ画面と室内のテレビ画面の両方を見ることができました。もう少し、ミラーリングされた画面を暗くできるとなお、いいのですが。
神明貝塚では現地調査は終了しており、現状は埋め戻しているため、貝殻の層や竪穴住居跡を見ることはできません。発掘調査の際の写真を現地に投影したいと思っています。現時点では限界はありますが、スマホ画面と現物の両方を重ね合わせるARは、スマートグラスでもできるかもしれません。
また、スマホ画面に写した発掘調査の際の写真と、今、肉眼で見られる現物の風景を目の前で比較する場合、スマホ画面のほうが現物よりも小さいので、両者のスケール感が異なります。スケール感が異なると、スマホ画面に映し出された写真に、リアリティを感じにくくなります(壮大な人類の営みの痕跡を写した写真なのに)。
一方、スマートグラスを使うと、現物のほうの視野が制限されるので、うまくミラーリングする映像の大きさを調整できれば、両者のスケール感を合わせることができ、写真リアリティ感が増すのではないかと思います。実験の続きはまた・・・