第7話「この世界の住民強すぎ!?の巻」
禿げの効果はいかに凄まじいのかを実感するみつる
顔面偏差値でごり押そうが禿げによってその類まれな美貌は無意味と化していた
みつるはイケメンチートより禿げという属性が圧倒的強者であることをめぐみにわからされていた。
「うっうっうぅうっ」
「泣くなよ女々しい」
「なんで?なんで俺に鏡なんか見せたの?ゔっううううぅぅう」
「おめえがやっぱり俺ちゃんイケメン?イケメンだよねやばいよね?とか調子乗るからだろ」
「あぐっゔえゔえゔゔ」
「汚いキョロちゃんかよ」(ぐえっぐえっぐぇチョコボール)
「ほれそろそろ隠れ家だぞ、気を取り直せ」
「あれ何もないじゃん」
実際そこには見渡す限り荒野しかなく、地面にも転移の魔法陣もなんもない
「ふっwあまちゃんめ」
~~~~~
突然真っ白な部屋になっていた、目がチカチカして焦点も合わない
砂嵐の様な音が鳴り響いた後、徐々に音が聞こえてくる
「めぐみさん、えっと度重なる違反行為により降格と減給ね」
「や!やめてくださいお願いします!私には子供がいるんです、父親は蒸発してぇええ、女手1人なんですぅ、しくしく」
「あのねぇここ数十年、本部以外では人間同士の生殖は禁止されてるでしょう?」
「あれ?そうだっけ?てへ、てへへへ」
「でこちらが野良勇者のみつるさん?緑のリングみせて」
「うぐっう、オロロロロロロロロ」
「ウェルカムドリンクならぬ、ウェルカムゲロ、私ももらいゲロ、オロロロロロロロロ」
「ぁぁぁぁぁ」
阿鼻叫喚に検問官は声にならぬ呻きをあげていた
「オロロロロロロロロ」
そして検問官ももらいゲロした
「その緑のリングは身分証明書となる大切なものだから無くすなよ、あと新人勇者向けのガイダンスが、えーとあとそうだな大体2時間後ぐらいにあるからそれまでにめぐみに色々世話してもらえ、今は居住地の空きはないからめぐみの家に泊めてもらうように」
「わたちの家わぁむぅーりぃだってぇ狭くてゴミが散らばってるんだもん無理無理」
「違反行為による減給や降格という、一度ならまだしも何度もそれを繰り返し、反省の色も見られないと判断され追放目前の状況、しかもめぐみさんには多額の借金を譲歩して先送りにしてる分、拒否権はないぞ?…隠れ家一同、新規の異世界勇者はいつでも大歓迎だ、別に沢山の勇者をホームステイさせろとも言ってい訳でもないし、破格だがみつる君を泊めることで一部を除いた違反行為を不問にしてやると言っているのだ」
「それ譲歩じゃなくて脅しね、まぁでもあざっす、あぁゴミ屋敷でもいい?みつる」
「オロロロロロロロロ」
「オロロロロロロロロ」
「オロロロロロロロロ」
三人共々、ウェルカムゲロを吐く
みつるのサムズアップ、ゴミ屋敷へとみつるは招待された
~~~~~~~
「へぇここがめぐちんの家ね」
とは言ってもこの人類最後の砦の隠れ家の住居は全てが白色の無機質なキューブであり変わり映えしない、隠れ家と言う名前にも似合わず約1000人が住んでも余裕の広さがある様に見える。
隠れ家全体の印象としては一面真っ白でとってつけた様なSF感マシ増しであった
「どうよ」
「どうよって言われても、他も全部同じじゃん」
「へっへっへっ、どうぞおあがりなさい」
「おっかえり〜」
「それを言うならただいまだろっ!」
!?
思わずドアの外と中を行き来するみつる、ファっ⁉︎しゅごしゅごすぎる、みつるん屈服
「あーねあれね知ってる知ってる俺もこう言う魔法見たことある、空間魔法的なのでしょ」
強がっているがそれは全く空間魔法とは別のものである
「うわ知ったか乙、みつるは哀れよのぉ、フォっフォっw」
「でも外より中が広いって空間魔法しかなくない?」
「低脳乙、やはりみつるは脳みそスポンジ男」
「いいもーん俺ちゃんスポンジな分いっぱい吸収しちゃうんだもんねーだ」
「これはねぇ空間魔法でもなければ次元魔法でもないのよ」
「HOW」
「教えてあーげない、キラッミ★」
「ぜってぇ後で殺す」
「受けて立とうじゃないのぉお?えぇ?新参如きが勝てるとでも思っとんのかあ!このめぐみ様によぉお!?!?」
「す、すいません」
(後で真っ白な外装にマッキーで「ポチの家」って書いてやる)
「あっあと上半身裸じゃいけないからはいこれ」
みつるはスキニーな女物Tシャツを受け取り、それを着て変態から別ベクトルの変態へとみつるは進化した
そうこうしてるうちに家の中にも入らずにバカ2人は2時間が経とうとしていた
~▽▽▽~
「あっいっけねぇえ!遅刻遅刻!」
がっしゃあああん
「ご、ごめんなさい、拾うの手伝います...?ば、薔薇?」
「花束みたいな恋しませんか?」
「????????」
みつるのぶつかった相手は頭が星の形をしており頭頂部には薔薇が一輪生えていた
「うわ、あっハゲとかないわぁ、私は先を急ぐのでついてこないでください」
「ついてく訳ねぇだろ!!!!ふざけんな!!!、いやふざけてるのか?え?なに?、この世界ああいうのが常駐なの?」
隠れ家生活初日から散々だなと思いながらめぐみに教えてもらった初心者ガイダンスの会場へと行く
~~~
みつるは会場にて緑のリングを見せ、会場受付を済ませて会場内の席に着く
そして間もなくしてガイダンスが始まった
「あぁ先生ね、難しい事言わないから大丈夫、安心すてね」
(えっと、この世界の魔力についての仕組みや神々の祝福の効果などなど?まじで五歳児にもわかる様に説明してくれ)
そしてみつるは何一つわからなかった、いや脳みその柔軟性はある方だがあまりにも専門的な知識を求められる話をされたので30分呪文を聞かされるかの様だった
「いったん休憩、5分後までにトイレとか済ませてねー」
次はこの世界の歴史についてだった
この世界は突如超能力が覚醒した世界だったらしく、旧人類は新人類の超能力に怯えて超能力を統制する様になった
旧人類はどれだけ強い超能力でも平気で管理できる技術とファンタジーを使っていたので問題はないと思われていたが、ある日、ひとりの子供の超能力者が覚醒し全てを翻したらしい
最初はその子供の脅威に気づけなかった、というのも機械や魔法の検査を狂わせ自分の脅威度を最低レベルにしてたとかなんとか
そしてついには収容施設から大脱走をし、次々に施設を潰し旧人類の抵抗も虚しく最終的には旧人類を滅ぼした
しかしそれをこの星の神様達は許さず、新人類の大半を相打ちと言う形で虐殺した。うげぇこの世界の神様こわ、
そしてその神様達によって異世界の勇者のみで作られた国が出来上がり、新人類と戦争をして、いろいろあって人類最後の砦が人類最後の砦になってしまったらしい。
10ページ程度のパンフレットにイラスト共にわかりやすく纏まっていた。
次の授業はこの隠れ家についての生活の仕方についてだった。
(まぁめぐみちゅわんの家に居候して依存する気まんまんなのでいい感じに聞き流したったわ、我クズ男、爆誕也ぐへへ)
そして次の授業は兵役についてだった、この世界はさまざまな異世界から勇者が集められており適材適所があり敵との相性もかなり研究されていてその相性で自分の配属先が決まるらしいとかなんとか
この世界の魔力は簡単に言うとすっごいピュアらしく、ここへ転移してきた異世界勇者は、前世の異世界の魔力をこの世界のピュアな魔力によって無理なく扱える、曰く様々な魔力に酷似した形に変えて使えるらしい、なのでこの世界の魔力の仕組みを応用して今日は相性をみて組み分けをするらしい、自分が聞いた組み分けの種類は、
1:レベルシステムが採用されている勇者か 2:セーブが使えるか
3:ステータスウィンドウが開けるかどうか
4:魔法かスキルか両方か、ユニークスキルなど勇者の技術
5:その勇者の前世の異世界の魔力から抽出される魔石の種類
などなど、それ以外にも結構細かく分かれて振り分けられる、めぐみと一緒がいいなぁなんてみつるは思う、しかし振り分けは大事であり敵との相性によっては即死するらしい
因みにこの世界に呼ばれてる勇者達はみんな異世界を最低一回以上救っている事が条件らしいので控えめな能力の勇者もいるが基本的にみんなチートチートしていて、そんな歴戦の勇者達が普通に即死する世界らしいので異常だとみつるは思う
みつるは何回か異世界を救っているが基本的に一回異世界を救える強さがあれば他の異世界でも「自分が一番サイキョー!」とまではいかないかもだが一般的な魔王ぐらいなら余裕で倒せる能力があると感じている
つまりは魔王以上もしくは魔神以上の化け物がウロウロしている世界という事だ
そんな世界にみつるはこれまでにないぐらいワクワクしている
ウヒョーそうこうしているうちにみつるの振り分けの順番が来たらしい
「待ってました!よっ!」
「えーそこに手をかざしてください、レベルなしセーブ機能なし、ウィンドウなし、魔法、スキルもなしユニークスキルらしきものはあり、はいじゃあちょっと魔力意識してみて、あー魔力なし」
検査官はみつるの手がかざされた装置から出る情報をチェック用紙に纏めてゆく
「先生、お、俺はっ!?どうなんですか!?」
「ひよこ組行き」
「わーいぱふぱふ…うん?グリフンドールってなんすか?」
「ドンマイ」
「えっ?!」
「一回徴兵されたら帰ってこれない可能性が高いな」
「うっそーーーん」
「後日、ひよこ組の事務所に挨拶しに行ってね、詳しい説明はそちらから聞いてください」
後でめぐみっちに慰めてもらおうと思うみつるであった。