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キミはラブライブ!で勝ちたいか?【蓮ノ空感想文】
ラブライブ!で勝つということは、誰かを負かすこと。
栄冠を掴むスクールアイドルの裏側には、必ず敗北だけが残った子たちの物語もあって。
活動記録15話は、そんなお話だったと思うんです。
呆気なく負けたって思いますか?
こんなあっさりラブライブ!決勝が終わっていいの?って思いますか?
でもこれが敗北なんです。
負けなんてこんなものでしかない。
敗北に敗北以上の価値なんてない。
だからそれに意味を与えるのは、いつだってこれからの自分なんだと思います。
だからこそ、僕は活動記録15話がとても好きだ。
敗北を突きつけ、そこから少女たちが何を学び、立ち上がるのか。
みらくらぱーく!
勝ち負けが得意じゃなかった瑠璃乃ちゃんにとって、敗北こそラブライブ!と、スクールアイドルと向き合うきっかけになったのが好き。
「勝ったらもっと楽しい」最高の理由だと思う。
負けたら楽しくない……かどうかは人次第だと思うけど、でも勝ったら誰だってもっと楽しいはず。
「楽しいことがしたくてスクールアイドルになった」彼女が、手に入れられなかった楽しさを求めて、ラブライブ!へのリベンジを望む。最高だ。
他2ユニットに比べ後発のスクールアイドだからこそ、敗北から学ぶことも多いのかもしれない。
それは藤島慈も同じなんですよ。
「なんで負けたのか、意味がわからない」って言いながら、「もっとできることがあったかもしれない」って思ってる、それこそが答えですよ。
やり切った。これで負けたなら悔いがない。
そう思えてないことが全て。
「完全燃焼それはまだ先」
まだまだ出来ることがあったはず。
特に7月から加入した大沢瑠璃乃。
1年近くブランクがあった藤島慈にとっては。
勝ちたい理由も、悔しい理由もすっごく似てるんですねこの2人。
だから、初めて藤島慈と、大沢瑠璃乃が同じ方向を向いてラブライブ!へ進むきっかけにもなったと思う。
勝ち負けが得意じゃない瑠璃乃ちゃんと、それを分かってためぐ先輩が、初めて同じ志を持って「勝ちたい」って思えたんだと思います。
個人的には1番「敗北から学んだ」ユニットだったんじゃないかな。
みらくら好きだ。
DOLLCHESTRA
心配するこずかほを尻目に、もう次の舞台を見据えて淡々と準備する村野さやか……やはりカッコ良すぎる……もう村野さんとしか呼べない。
僕は「負け慣れてる」って最高にかっこいい言葉だと思うんです。
だって、負けた数だけ立ち上がってきたってことじゃないですか。
才能がなくても、どれだけ惨めな想いをしても、努力をしない自分を許せないなんて、こんなにかっこいい人間いますか?僕の理想かもしれない。
そして、なぜ村野さやかが、夕霧綴理の隣にいなければいけないのか?
その理由が、全てここに詰まっているなって。
彼女は不完全でも、立ち上がる方法を知っているから。
少しFIRST FAN BOOKのSSのお話をしましょうか。
夕霧綴理がスクールアイドルに憧れたきっかけ。
綴理先輩が初めて見たスクールアイドルは、ステージで転んで、でも優勝した。
転んだユニットが優勝したことが、綴理先輩に不完全な芸術への憧れを抱かせた。
でも僕は「転んでも優勝した」ことが、このお話の本質ではないと思うんです。
というか、僕らはステージで転んで、そのまま勝てなかったユニットを知ってますよね?
Saint Snowっていう強豪ユニットが、あっさりと敗退した姿を。
じゃあなんで、綴理先輩が見たスクールアイドルは優勝したのか?
それは「折れずに立ち上がったから」なんじゃないかなって。
不完全でも未熟でも、何度も立ち上がり続ける少女たちが作る芸術が、スクールアイドルなんだ。
だから夕霧綴理の隣は、村野さやかなんです。
不完全でも立ち上がり方を知ってる彼女がいるから、転ぶことが出来なかった夕霧綴理に、立ち上がり方を教えてくれる。
村野さやかがいるから、夕霧綴理は完成された芸術から、不完全な少女になれるんだなと。
じゃあ村野さやかがいて、満たされてた綴理先輩はどうなのか?
僕は綴理先輩のこと瑠璃乃ちゃんと同じくらい、ラブライブ!で勝つことに希薄な人だって思ってました。
隣に立つ人を見つけられて、スクールアイドルになれて、今この人は何を望むんだろう?って。
そんなことは杞憂だった。
「それだけ」でよかった少女が欲張りになっていく。
隣に立ってくれる人が欲しかった少女の周りに、大切なものが増えたことで、次は大切なものを知ってほしいって。
「自分の好きなものをみんなにも知ってほしい」
こんな僕にも共感できること、綴理先輩が口にするなんて思わなかったな。
好きなものを知らしめる力がなかったから悔しい。とても分かる。
だったら勝ちたいよね。僕も悔しい。
蓮ノ空の素晴らしさを会場の人に伝わらなかったのが。
だから絶対次は勝とう。
スリーズブーケ
個人的に思った通りというか、どデカい呪いを抱えてる少女がいたなって。
梢センパイにとって、「ラブライブ!優勝」は幼い頃からずっと、彼女を動かし続けてきた消えない夢だった。
梢センパイが失敗から学んで立ち上がるのは、ラブライブ!で優勝するため。
じゃあ、ラブライブ!で優勝できなかったって現実からは何を学べるのか?
なにもないですよ。
それだけを願って生きてきた彼女にとって、敗北は敗北でしかない。
「夢を叶えられなかった」という事実しか残らない。
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夢のため、人生の全てをかけて努力をしてきた子に、「叶わなくても意味がある」なんてあるわけがないでしょ。
ずっと思ってたんです。
ラブライブ!で負けた時、梢センパイは胸張ってこの歌詞歌えるのかなって。
なにひとつ無駄じゃない ワンピクセルのかけがえの無い今
きっと梢センパイはそんな風に思えない。
叶わなかった夢と一緒に、彼女が努力してきた全てが意味のない、悲しい思い出になってしまう。
歌ってきたことすら彼女を苦しめるかもしれない。
ラブライブ!に優勝して叶う夢がある子達と違って、梢センパイは「ラブライブ!優勝」そのものが夢だから。
だから梢センパイが笑って卒業するには、ラブライブ!で優勝するしかないんです。
……せっかくだから、ここで僕の大好きなセリフを引用しましょう。
夢ってのは呪いと同じなんだ。
呪いを解くには、夢を叶えなきゃいけない。
……でも、途中で挫折した人間はずっと呪われたままなんだ
叶わなかった夢も消えないんですよ。
それは呪いとして、消えない夢になってしまう。
いつか呪いが、その人を殺すかもしれない。
だから、夢はちゃんと終わらせてあげなきゃいけない。
梢センパイはラブライブ!で勝つ以外に、救われる方法はない。
だから日野下花帆にも、ラブライブ!で勝たなきゃいけない理由が生まれるわけです。
「沢山の人の笑顔を咲かせる」って信念持った彼女が、最も近い人を泣かせたまま終わらせるなんて、そんなことあっていいわけないでしょう。
日野下花帆の願いは、乙宗梢の想いを知って初めて、「ラブライブ!で勝たなければ叶わない願い」になった。
きっと梢センパイの夢が叶わなければ、それは日野下花帆の呪いにもなる。運命共同体ですよ。
だから絶対叶えなきゃいけないんです。
花帆ちゃんは、梢センパイとなら花咲けるって信じた。
梢センパイは、花帆ちゃんとならラブライブ!を目指せるって信じた。
だったらそれを本当にしなきゃ。
夢を叶えられず、嘘にしちゃいけない。裏切っちゃいけない。
「夢を信じる」ってきっと色んな意味があると思うんです。
夢そのものを信じること。
夢を追いかけてきた軌跡を信じること。
応援してくれる人を信じること。
一緒に夢追う人を信じること。
そうした全部引っくるめて、自分の選択が間違ってなかったんだって、自分に言ってあげられること。それが「夢を信じる」ことなんじゃないかなって。
そのためにはやっぱり、夢を叶えることが必要で……。
だからここからは、「夢を信じるための物語」なんだなって。
なんでしょうね。素晴らしい1期最終回です。本当にいいものを見せてもらいました。
むしろここまでがプロローグで、ここから蓮ノ空女学院が始まるとすら感じて。
Dream Believersはエンディングであり、オープニングだったんだなって。
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なんだこの天才コンテンツ。
どこまで僕を嬉しくさせてくれるんだ。
でも、そうやって外から見て嬉しくなる感情だけじゃないんですよ。
だって僕らは当事者で、Believersの中には僕らもいるんです。
悔しい。
絶対ラブライブ!で勝つって信じてた。でも負けてしまった。
だからこれからはもっと応援したい。
次こそは、必ず蓮ノ空が勝つって信じてるから。