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絵になる美しい街並みを創造する為の粉本 /今井町(いまいちょう)/奈良県橿原市/大半が江戸時代のままの街並み



 奈良盆地の南部に位置する近鉄八木西口駅またはJR畝傍駅から南西に向かい、飛鳥川を渡ると直ぐに小さな掘割に出会う。この掘割が今井町の周囲に巡らされた環濠だ。今井町の街は東西、南北が約600m、310mの長方形。街割は大方、東西・南北方向に路地で格子状に区切られており、尊坊通や御堂筋、本町筋と呼ぶメインストリートは東西方向に設け、それら路地に向けて主に本屋といわれる大規模町屋や小規模町屋、それに付随する長屋を一体的に組み込む形で街並みを形成している。
 
 そのデザイン的な要素は、高さや庇の出を統一したような瓦葺きの屋根と突出した下野の連なる家並み。更にその壁面に付けられた太い大和格子や重厚な白壁、またその壁に設けられたむしこ窓、等々で、これらの持つ力強い個性が今井町全体の情緒を醸成している。
 
 今井町の成立は戦国時代に一向宗の門徒が、称念寺を中心に寺内町を造ったのが始まり。元亀元年に本山本願寺が信長に敵対したことから、濠を堀回し、土手を築き、光秀と戦い、結末として降伏という過去を持つが、今井宗久の計らいで何のお咎めもなく街が存続、その後は商業を中心とした自治都市として発展、江戸時代の初期には、「大和の金は今井に七分」といわれるほど繁盛したそうで、その時代の社会資産が今でも見られるのである。

★絵になる美しい景観形成要素
#歴史 (保存修復継承)、#気候風土(地産材利用)、#構図構成(同類連続、調和と若干の変化、#個性(寺内町)

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