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28. 小説MCH - アクア「秘密の封印」

 リアナとアクアの目の前には、2人が上がってきた大穴が、ちょうど外の水面(みなも)のように大きな口を開いている。

 この隠れ家のあかりは、そこに集まる色とりどりの魚たちを照らし出し、相変わらず楽しく舞い踊っているのがよく見える。海巻貝もまるで一緒になって遊んでいるようだ。

 ——— やっぱりこのコたちの居場所、ちゃんと守ってあげたいな...

 アクアはふとリアナを振り向くと、どうやらリアナも同じ想いを抱いていたらしい。

「ねぇ、アクア。さっき入ってきた洞窟の入り口だけどさ。私たち2人しか入れないように、秘密の鍵をかけちゃおっか」

「え...?」

「だってさ、やっぱりこの隠れ家も、ヒカリ苔も、海巻貝も、ここで泳ぐこのコたちも、みんなちゃんと守ってあげたいじゃない?」

「うん、それはそうだけど、でもどうやって...?」

 リアナは、ポンっとアクアの頭をひと撫ですると、

「うふふ。私たちには、この場所だからこそできることがあるでしょっ?」

 そういうとリアナは、右手を顔の近くまで持ち上げて、軽く指をクロスしてみせた。

「あ、水の属性術!」

「ピンポーン!大正解!
 ここは、術に使う水には苦労はしないし、封印術にはもってこいの場所でしょ?それに私たち2人なら、洞窟の入り口を見えなくするだけじゃなくて、きっとこの2人以外が入れないようにする水の結界だって、ちゃんと張れるはずよ」

「すご〜い!さすがお姉ちゃん!...あ、でもこの洞窟の先はどうしたら...」

「うん。今日のところはここまでにしておいて、この先の冒険はまた今度にしよっか。ま、一応、この先の道からも、ここまで来られないように結界は張っておこ」

「うん!」

「よしっ、それじゃあ決まり!じゃあヒカリ苔ちゃんたち、また来るねっ!」

「また来るね〜」

 アクアはまたメガネを外すと、リアナをボヤっと振り返り、準備OKの合図を送る。

 うなづくリアナとともに、2人はまた水の洞窟へとゆっくり戻っていった。

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