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スオミの話をしよう 感想
舞台作品を彷彿とさせ映画と融合したような、豪邸寒川邸を中心に長回しで撮影された最後はミュージカルの楽しい作品!
あらすじ
大富豪寒川しずおの嫁、スオミが突如いなくなった。事態を旧知の警察には知らせるが、夫しずおは「単なる家出」であると深刻に捉えない。スオミは誘拐されたのか、単なる家出なのか。事態を聞きつけたスオミの5人の元旦那が続々と寒川邸にあつまるなか、元夫から語られるスオミの姿はそれぞれ違っていた。
初日から観にいき今まで3回見ましたが、結末わかってみるとよりおもしろかったです。
長回しが多い分あってか台詞回しが舞台調なので、映画らしさに違和感があり苦手な方は離脱してしまうそうです…💧
しかし、笑いあり、夫達のある意味滑稽な姿、恋愛って側から見ると滑稽でおもしろい。スオミにあたふたする元旦那達のズッコケみたいな部分ありの大変楽しい作品でした
最終的に歌って解決元夫達とスオミにも注目です
元夫がたくさんいるスオミ、
次々元夫が出てくるけど旦那間とのいざこざや夫遍歴にシリアスさは排除されてるので、役が与えられた俳優さんが次々とセットをどたどた駆け巡っていくような舞台展開がされてます。
効果音も舞台の場面転換のように作られてるので、一つのお伽話のようで、エンタメでたのしいです。
しかし映画なので、舞台客席を客目線のカメラ一点から捉えることはなくて、各俳優さんにズームが行き、物語の中で時には過去の回想が入り、「スオミの行方は」というテーマをもとに約2時間の映画作品となってます。
人気舞台は映像配信される今、舞台を映像で捉えて最終的に一本の映画に作り上げるというのは別に違和感のない展開かなと個人的には思います。
以下🦑ネタバレ多分に含
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寒川しずお邸
過去に5人の夫と結婚離婚を繰り返しているスオミ。現在は5番目の詩人の夫、寒川しずおの妻。豪華な服を着飾って、豪邸に住んでます。一見完璧で満たされたスオミですけど、どうやら家に戻ってない。
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映画は開幕早々部下の小磯をつれて寒川邸にやってくる草野。
これがまた嫌がってるものの「スオミのピンチに駆けつける」わりと…前のめりな元夫。
なんだそれは…やさしさか…?
部下の小磯が早速、現夫寒川から聴き取り捜査をはじめ、状況を整理しつつ物語は展開。
庭に出ると、そこには庭師として働く1番目の夫魚山大吉がいたり、そんなこんなのスオミの事態を心配した3番目の夫宇賀神守が駆けつけてきて、
ここまででもうすでに寒川邸にはスオミを心配した元夫5人中4人が揃う事態。
(元夫のあんたたちほんと何してんのよ…暇なの?)
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スオミを巡ってあーだこーだ、これは事件なのか気分転換の家出なのか話し合いますが、
どうやらスオミがそれぞれの夫の前で過ごしていた人格が違うよう。
事態は迷宮に入ります。
しかし、これは誘拐事件なのでは!?という証拠を発見すると事態はいっぺん、
我こそは!!スオミを助け出そうと前のめりなる男達(見栄が!男の見栄が!みえみえ…なんとなく負けたくないのか)
さらに犯人と思わしき人物からの電話も入ったのでもう大変。夫達の攻防、
ドタバタ劇が始まります…
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元旦那が全員揃ってスオミのために動きます
とにかくテンポ重視の夫達のやり取りは見ててツッコミどころも沢山用意されて笑っちゃいます。
各夫とスオミの過去は回想で全員入るけど
どいつもこいつもwみたいな結婚生活を送っていて、
でもみんないまだにスオミの役に立ちたいってのがおもしろい。
後半ではスオミについて、
「なぜスオミが各夫の前で人が違うように振る舞ってきたのか」についても語られます。
スオミって名前は、実はフィンランドのことで
実はフィンランド大使館に勤めるフィンランド生まれの父から母が再婚を繰り返すたびに、新しい父さんにしっかり馴染んできた。
人に合わせられるのがスオミであると。
相手の望む自分でいてしまうんですね。
なのでよくよく振り返ってみると、実はスオミは過去5人も夫がいる激ヤバ女でもなんでもないこともわかってくる。
1番目の夫魚山はスオミの当時高校の担任。優しくスオミを支えるけど、おじさんで若者が欲しい刺激はなかったんですね。
2番目は若さの2枚目、怪しいマルチまがいの商売で稼ぐ十勝左衛門。
3番目には、スオミがチャイナ系の夜職中摘発されて捕まった先で助けてもらった警察官の宇賀神守。(スオミが働いてるって時点で、マルチはうまくいってない時期に入ってたのかな…堅実な公務員ですね)
4番目に、宇賀神主催のパーティーで出会った、2枚目、宇賀神の部下の警察、草野圭吾。
そして、草野と別れ、タクシードライバーをしてる時に出会うのが、現夫の寒川しずお。
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しかも上司の奥さん普通に取ってく草野クレイジー圭吾
元夫たちとは、なんとなく納得ができる出会い方をしているんですね。
1番恋愛っぽいことしていたのは4番目の夫の時ですね。でもこの夫が、「か弱い女の子」「自分を頼ってくれる女の子」が好きで、それに疲れちゃったよう。それもまぁ、分かる理由ですね。
(押し付けがましいわな!、そんなの)
スオミは結局なんだかんだあって
物語後半に、ついに元夫5人の前に現れる。
(経緯は映画みて)
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ここまでスオミのために我こそはと男同士の見栄の攻防を繰り広げてきた元夫達。
もう元夫がスオミに会って聞きたいこと、
それは「俺との結婚生活はどうだったのか!」「俺は他の旦那と比べてどうか」もうこれが聞きたくて仕方ないw
スオミは自分について語り出す。
「今まで自分は各夫にあわせて過ごしてたけど、これからは自分で生きていくことにします。」と、
これに対して、夫達はまぁ好きにしなさいと、とりあえず無事でよかったねという反応(まあすでに5人中の4人の夫なんて本来、蚊帳の外な話なんですけどねw)
最後に2番目の夫十勝左衛門がスオミに切り出す「このなかで誰が1番すきか」
(ついに聞いた!夫達が聞きたかった質問…ゴクリ…)
「つまんねぇこときいてんじゃねぇよ!!!
…みーんなだいすきよ」
でまんざらでもない顔の元夫達。
物語はひとまず大団円…。
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さて、一息ついて元夫達が仲良く寒川邸リビング
草野だけ、スオミに呼ばれます。
勝ち誇った笑みの草野。満足そうです
ここからは映画スター西島秀俊の見せ場。
最後一気に映画たらしめる映画的カットを量産していきます
スオミはこの後、フィンランドに行くことを草野に話す。もうここの数分は怒涛の映画的シーンです。刮目せよ
しかし、フィンランド…。
ふーん。そっか、
スオミはフィンランドを選んだのね。
とは行かないんですよねww
視聴者の心に残るのが、
「(え、ここまでドタバタやってきて、スオミと夫の話聞いて、スオミの最後はフィンランドにいく…?フィンランドって単語大してでてきてませんけど、え?フィンランド?)」という解像度の荒いフィンランド不足が残ったままおわり。
かと思えば、そこを補うように突然始まるミュージカル!!
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急にヘルシンキとフィンランドの情報を大量に浴びます。(フィンランド不足解消されました!)
夫達の紹介も改めてされるので、まるで舞台のカーテンコールです。
(おさらいたすかる)
夫達の踊りも可愛らしいし、数小節歌ってたりもするのでぜひ劇場で聴いて欲しいです。
とにかく西島さんの踊りと歌を拝めることはなかなかないのでかわいらしくて素敵でした。
以上そんな感じのスオミの話をしよう、でした。