出会い
学校には、それぞれ個性溢れる人間が沢山いる。そんな中で全員と上手く関わっていく、なんて非現実的なことは私にはできない。この人とは関わる…、この人とは関わらないと取捨選択をしていくだろう。でも自分は「全員と仲良くしなければならない」というある種の先入観を持っていた。だから高一の一学期で上手く行かないと気づいた時から自信をなくした。周りに自分のことを知ってくれるような人がいなかった(それも先入観なのだろうけど)。
入学初日。周りには知らない敵のような人たち。緊張。そんな中私は誰かに話しかけられても「この人と自分は違う人間で自分の方が優れているんだ」という圧倒的厨二をかまして大失敗した。初めの頃なんて、誰も、信用出来ないし、誰も、一緒にいてくれる人なんて、いなかった。
入学した後日。担任の先生による学級の役割決めが行われた。恒例行事。評議委員というクラスのまとめ役を決めるとなった際、誰も手を挙げなかった。自分もその1人だった。ある女子Aがある男子Bに「一緒にやらん?」と言っていた。周りに知らない人しかいない中で数日過ごしただけで分かる。この人たちに任せたらえらいことになる。冗談じゃないぞと思っていた矢先に1人の女子(以下Sとする。)が手を挙げた。半ば助かったと思いそれと同時に「優等生な真面目タイプ」だと思った。しかし彼女の姿はどこか寂しげでもあった。その頃から彼女は静かに暮らそうと思ったらしく、大役を務めながら静かに暮らすというジレンマに襲われていたと当時のことを思い出しながら彼女は話す。そのこともあってか男子の評議委員に仕事が多く回っていることが傍から見ても1発でわかった。
段々とグループが作られ始め、弁当を一緒に食べている人達は決まっていた。もちろん私にはそんな人はいない。
私は1人だった。
そんな日が続く中、ある1人の男子が話しかけてきた。後に彼とは学校で1番仲の良い友達となり、気の合うやつ=彼になるとは思いもしなかった。
元気な陽キャ達が叫ぶ毎日。個性豊かどころか器に盛り付けることが不可能な状態になって私はその器から零れてしまった。授業中でも騒がしい。そんな中で話しかけてくれた彼は自分の席からは離れたところにいて、いかにも「高校生活」という感じがしているようだった。髪型も雰囲気もどことなく自分に似ていて面白い(彼はそう言われることに疑問を感じていたらしい)。しかし唯一話せる彼は先述の通り離れたところにいるので話しかけづらい。授業でペア活動をする時も大抵は隣の人とやるものなので、相も変わらず私は最低限の会話しかしなかった。
そんな私に声をかけてくる物好きがもう一人いた。評議委員のsだった。曰く、移動教室でとなりになったかららしい。係決めの時に抱いたイメージとは打って変わって優しくて面白かった。連絡先も交換したし、話すようにもなった。sはフレンドリーな人で何だか自分といる世界が違うような気さえした。自分は泥沼のような所にいて、sにとっては私のいるところでさえ肯定出来る、そんなような人。自然とその2人には心を開いた。授業中、休み時間、放課後。あらゆるところで過ごしていった。幸せだった。
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実はこれ、私が敬愛している方をオマージュして作った文です。私の原体験を交えながら当時のことを思い出しながら書きました。壮絶な人生を送りながら今でも生まれ変わろうとする。そんな姿に私は憧れました。
どうか引用元の方も拝見してください。
引用元:紫笑「出会い」(https://note.com/she_s_note22/n/nca53c73d8660)
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