映画『TOKYO MER』は、たくさんの涙と愛にあふれていた
映画館へ行った。
鑑賞した作品は『劇場版 TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』。
物語の内容を簡潔に伝えると、東京都知事直轄の医療チームである『TOKYO MER』が、大規模な事故現場へ駆けつけて奮闘するものだ。
私は母親に連れられたため、とくに期待をしていたわけではなかった。それなのに、最初から最後までずっと涙を流していた。
映画でこんなに泣いたのは、はじめてだった。
せっかくなので、みなさんにも共有したい。
これまでの医療系作品とは違う。息つく暇もないとはこのこと
とにかく、物語へすぐに引き込まれてしまった。
私が今まで見てきた医療系の作品は、冒頭は何気ない平穏な日常を描いてることが多かった。しかし、『TOKYO MER』は、最初から大事故の現場にいるのだ。
「えっ!?もうハラハラドキドキの展開が始まるの!?」と、びっくりしてしまった。しかし、このような怒涛のスタートを切るからこそ、一気に作品の中へと引き込まれたのだと思う。
1度ピンチを脱してホッとするのも束の間、『TOKYO MER』には次々と危険が迫ってくる。正直、息つく暇がなかった。ずっとドキドキして、飲み物を飲む時間さえも惜しいと思った。
最初から最後まで、事故現場で一緒に戦っているような気持ちだった。
なので、見終わった後はかなり疲れてしまっていた。
それにしても、一刻を争う状況のなか、チームの仲間に適切な指示を送り、患者さんを励ます鈴木亮平さんはマジでかっこよかった...!!!
医療現場に誰かの実績や名誉なんていらない。大事なのは"救いたい"という気持ち
先ほども述べたが、『TOKYO MER』は東京都知事直轄の医療チームだ。
オペ室を搭載した大型車両「ERカー」で現場に駆けつけ、自らの危険を顧みずに救助するスタイル。彼らの使命は、「死者を1人も出さない」こと。
映画のなかでは、厚生労働大臣が全国の政令指定都市に、厚生労働省直轄のMERを配備する計画が出てくる。
そしてその計画の第1弾として、『YOKOHAMA MER』が試験運用されるのだ。
次期総裁選を見据える厚生労働大臣にとって、この『YOKOHAMA MER』が自分の実績になることを望んでいるのである。
危険を顧みず、命を救うために待たない『TOKYO MER』。
医療従事者が危険を犯す必要はないと考え、待って命を救う『YOKOHAMA MER』。
待っているだけでは、救えない命がある
安全な場所で待っていないと、救える命も救えなくなる
この対立する意見が、映画の見どころであった。
多くの偉い大人を集めて、突撃するか待つか議論する場面があるのだか、見ていてとにかく歯痒かった。
突撃しないと助けられない命がある。でも、医療従事者に何かあったらそもそも助けることができない。
指揮をとる賀来賢人さんの表情から、緊迫した現場の雰囲気が伝わってきていた。
もしも私があの現場の指揮官なら、逃げ出したくなりそう...。
仲里依紗さんの演技に圧倒。自分の命か家族の命か
主人公鈴木亮平さんの奥様役として、仲里依紗さんが出演されている。
個人的にYouTube大好きで、めちゃくちゃ見てます!!!笑
仲さん演じる奥様も医者。現在妊娠9ヶ月のため、お仕事はお休み中。
そんな仲さんは、同僚の菜々緒さん演じる看護師とともに、大事故に巻き込まれてしまう。
自分が妊婦であろうが、患者さんファーストで懸命に治療にあたる姿が本当にかっこよかった。
旦那さんが救助に来ても「私はいいから、患者さんを先にっ!!!!」と、自分のことは後回しにするのだ。
最終的にはお腹に痛みが出てきてしまい、「ここで赤ちゃんをだして、あなたと2人で逃げて」と旦那さんに伝える。
この場面、涙なしでは見られない。苦しくて苦しくて、「そんなことできるわけないじゃん...!!!」と、私は心の中で勝手に怒っていた。
医療従事者だって人間。家族を愛して、家族を助けたいという気持ちは当たり前にあるのだ。
「この先どうなるの!?」と思った方は、ぜひ劇場へ!
『TOKYO MER』が私に教えてくれたこと
「死者を1人も出さない」
これが『TOKYO MER』の使命だと先述した。。その使命を果たすため、たとえ危険な現場であろうと彼らは飛び込んでいく。
そこで彼らは、果たしたい使命のためなら、後先考えずに飛び込むことが大切だと教えてくれた。
待っているだけでは救えない命があるのと同じように、待っているだけでは実現できないことがある。
年齢、立場、環境なんて気にせずに、自分の使命のためなら、全力で飛び込んでいかないといけないのだ。
とてもいい映画だったが、個人的に疑問に残ることがあった。
事故を起こした犯人はわかったが、動機が曖昧でモヤモヤしたままなのだ。
医療チームを中心としたストーリーだから仕方ないのかもしれないけど、ハッキリしてくれたらなおよかったな...。
映画はまだまだ公開中なので、みなさんもぜひ劇場でご覧ください!