2024好きなものまとめ②【映像編】

今日は映像編

好きなものをまとめたいの2日目!今日は映像!
今年は映画を沢山観たな~という印象が自分の中にあります。やっぱり映画が好きなのもあるし、そもそも映画館って場所自体、私は結構好きです。映画館のことはもう体験だと思ってるのでほとんど。
だから本当は映画ってことで2日目をまとめても良かったんですけど、ちょっとドラマでひとつ食い込んできたのがあったので映像部門って形にしようと思いました。
始めて行くぜ!

『インターステラー』



これ、観たのつい最近!でもトップクラスにランクイン!今年の11月に再上映されていたので初めて観に行ったんですけど、こ~~れすごいです。あまりにも緻密に計算されつくしていて、2時間半近くあったにも関わらず、無駄だと思う瞬間が一瞬たりともなくて、最初からずっとうっすらあった違和感が、想像もつかないとんでもない回収のされ方をしてくのが、恐ろしく鮮やかでびっくりしました。
地球が滅びる。人類の新たな移住先を探そう。
というスタートから始まる壮大な旅の中、「時間」の流れがものすごくキーになって、うおおおこれぞSF!みたいな激しい時間の流れがあります。(ちょっと伏せるけど)やっぱり機内で溜まったビデオを見るシーンは、とんでもない感情になります。自分だったら耐えられないなアレ……。

そして、やっぱり果てしない時間の旅を繰り返して、最後にはとんでもないところに行きついても、それでも最後の最後に残るのは、デカい「「「愛」」」なんだなってやっぱり思いました。すごくよかった。とてつもない衝撃と、それでもちょっと暖かい気持ちを残して終わるあの幕切れで、今年の個人的映画部門トップをかっさらいました。

あと何よりIMAXがすごい。すごすぎる。映画は体験だと言ったけど、ここまで!?みたいな感じでした。飛行機の轟音が鳴るシーン、絶対揺れてたよね!?って感じで、もうほとんど同じ場所にいる感じでした。宇宙を舞台にした壮大なSFなんでね、死を予感するシーンがあるんですけど、そこなんかもうほとんど臨死体験でした。映像の死が明確にこちらに向かってきて引きずり込んでくる感覚。映画館で見られてよかった。そんな体験込みで、とんでもない出会いになりました。良かった~、観に行けて。

『哀れなるものたち』

こちらは今年の頭に出会った作品。自殺して死んだ女性の頭に、お腹の中の赤ちゃんの脳を移植しよう!という初っ端からとち狂ったスタートを見せるこの映画。そうして誕生したベラという女性の数奇な一生を描いていく映画です。

私は本当にこの映画のことが好きなんですが、かなり人には勧めにくいんですよね。というのも、頭がおかしくなりそうなぐらいエログロがひどいので。どちらかというとエロが。いやもう普通に言っちゃうんですけど、前半とかなんか笑っちゃいそうになるぐらいセックスしてます。そんなしなくていいだろってぐらいセックスシーンが入ります。普通に何???って思いました。
あと、映像がまたすごい。白黒かと思えば、あまりにもふんわりした色遣いになったり、かと思えば絵本のようなタッチで街が描かれたり。恐らくベラが見ている世界を色使いで表現しているんだろうなあと思いつつ、すごいサイケな色使いだと思いました。こちらはかなりお気に入りポイントです。

そんな、映像とやってることのサイケデリックさに対して、内容はかな~~~~り手堅く、「教養」の在り方とかについてすごく考えさせられます。めちゃくちゃ面白い。

というのもこの映画、ベラという女性が成長していく過程を、余すことなくすべて描き切っているからです。ご飯もまともに食べられない、会話もまともに出来ないところからスタートして、性の芽生え、思想の芽生え、折り合いの付け方、そういうものを全部見せてくるんです。これはすごい映画だ…と思いました。

ベラは元々、なかなかマッドな博士の下で監禁されるように暮らしていたのですが、ひょんなことをきっかけに外の世界に飛び出していきます。そこで最初に出会うのは、家の中では出会えなかったキラキラした世界。そういうキラキラした世界とセックスに出会うんです。つまり、快楽を知る時間。

そして快楽を知った後に、思想を知る。世の中はどうあるべきか、そういう理想を知って、ベラは自分が性的に搾取されていた、という風に思想を変えていく。そして理想を掲げて生きていくことになる。ここまでの成長をすごい速度で描いていって、かつ無理のないシナリオなのが、すごい鮮やかです……。というか、現代人でもここで止まってる人いるし。


さらにベラの成長は止まることを知りません。旅を続けて、娼婦となって、何に出会い、何を知っていくのか。正直、娼婦になってからのシーンが一番ぞくぞくしました。ベラの成長がすごすぎて……。


そして、長い旅の果てにベラは「とある事情」で元居た場所に戻ります。成長して帰ってきたベラが、育ての親であるゴッドに対して告げる選択……私はとてつもない「愛」だと思います。昨日からこれしか言ってないけど、結局このサイケでサイコな映画が最後に行きつく場所はここだったのか!というかここしかありえないな!みたいな、思わず劇場で拍手しそうになった最高の着地点です。是非見て欲しい映画です。


あとこの映画、最後がめちゃくちゃ面白いです。普通にそれまでそんなテイストじゃなかったのに、ラスト5秒ぐらいの映像で爆笑しすぎて、全部の記憶が飛んでしばらくそのことしか思い出せなくなってました。映画館でも結構笑い声聞こえてました。なにそれ????ってなること間違いなしです。


『極悪女王』

これ~~!!!アツすぎるんですよ。これを早く語りたかった。ダンプ松本というヒールレスラーを描いたNetflixオリジナルのドラマです。あまりのアツさで興奮しすぎて一気見してしまったドラマです。もうね、とにかく、ずっとアツい。映像の中から引きずり込んでくるような熱量。めちゃくちゃカッコいいです。


まずこの映画、一番言いたいのが「ゆりやん全然ふざけてない!!?」っていうのですね。ゆりやんの魅力ってあの独特のキューティさから繰り出されるオモロじゃないの?って思っていたので、それが無いと魅力半減では?と思ってたのですが、マジのマジのマジでそんなことないです。ゆりやんが、ひたすらにカッコいい。

主役のダンプ松本に関しては、全くのおふざけが無い上で、ゆりやんがやるしかない役だと思っています。この作品、女子プロレスが全体のテーマなので、リングが舞台になることが多いんです。そうなった時、リングを使ってのステージング、自分の魅せ方、これが上手過ぎるんです。ちゃんとリングから客席、リングから画面の前の観客、これらの視線を引っ張り続ける才能が、存分に生かされてるんです。ああ、まさに「芸」人ってこういうことなんだ……とただただゆりやんの魅力と幅の広さに圧倒される作品です。これはすごい。


あと何が凄いって、唐田えりかさんが凄すぎる!!!!!恐ろしい、主人公として映像を引っ張っていく力がとにかく強い。唐田えりかさん、すごく可愛らしい役をテレビで観ることが多かったので想像もつかなかったんですが、「殺意」を持った目、これがとんでもなく強いです。しかもその殺意の強さを持ちながら、目の奥に若干の「弱さ」も秘めているんです。そのギャップが、彼女を圧倒的な主人公足らしめているんです。そして、彼女が主人公として存在すればするほど、ヒールレスラーであるダンプ松本、つまりゆりやんがまた引き立っていくのです。

まさに主人公VS主人公による、画面の引っ張り合い。興奮が止まらなくなるんですよ。


そしてこの作品、とにかく映像が凄い。レスリングを、信じられないぐらい寄りで撮ってるんです。しかも光の当たり方が、完全にパフォーマー側目線なんです。そう、このドラマ、マジで「舞台に立ち続けるものたち」の目線を追体験させてくれるんです。彼女たちの熱量を誰よりも間近で撮り続けることで、完全に自分達も舞台に居るかのような途方もない錯覚を提供するんです。興奮するしかないですよこんなの。


そして、やっぱりこのドラマを語る上では、最終話の終わり方が綺麗すぎるって話もしたいんですよ……。舞台上で光を浴びる彼女たちをあれだけ追体験させてもらったその最後の最後が、あの終わり方って……すげえ……。よくあんなこと出来るなってめちゃくちゃ感動しました。Netflix入ってる方、是非あの映画で興奮しまくって欲しいです。本当におススメ。



『missing』



いや~~~……。ちょっと、これは、もう。この手の胸糞映画って多分結構あるんですけど、すごいこれは。話自体は全く進んでいないのに、シーンごとにそれぞれ違う、新鮮な胸糞さが襲ってくる感じ……。ずっと“嫌”なんですよこの映画本当に。

ある日、娘が失踪した。家族は、娘の手がかりを探す為に奔走する。そしてそんな両親を追う地方のテレビ局職員。この構図が、作中通してずっと変わらず、在り続けるんです。本当に、そういう映画なんです。なのに、飽きることなく、ず~~~っと“嫌”なんです。そんなに“嫌”を追求しなくてよくない!?ってぐらい本当に嫌ですこの映画。

石原さとみの演技って、前からずっと上手いと思ってたんですけど、ちょっとこの映画に関しては別次元です。この映画の石原さとみをあざとい、と言ってる人も居るんですけど、正直そう見える人も居るかもしれないぐらい本気ですごい演技をします。というか本当に幼い愛娘を失った母親としてはあれぐらいの演技で全然自然だと思います。あのリアルな焦り衝動攻撃性があってこそこの映画は成立していると思うし、その上で石原さとみがあまりに別次元で、ずっと胸が痛かったです。本当にとんでもない映画でした。


最後に!

まだまだ語りたい映画がたくさんある~~!!が、ちょっと今日はこの辺りで。観たかったけど観れてない映画もあったりするからな~、来年は沢山観ようかな。
紹介できてなかったけどおススメの作品はこの辺り!

『ラストマイル』
『ナミビアの砂漠』(過去にnoteで紹介した)

『ボーはおそれている』(過去にnoteで紹介した)

『ホールドオーバーズ』
『ピアノ・レッスン』
『地面師たち』
『』

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