あなたが親になる時、会社はきちんと制度を利用させてくれますか?
妊娠や育児に関連する制度を利用する際、嫌味を言われた経験はありませんか?
それは、マタハラに該当する場合があります。
第一章
そもそもマタハラとは?
マタハラについて詳しく知っていますか?
マタハラとは、妊娠・出産に関する制度を利用した女性労働者や育児 ・ 介護に関する制度等を利用した男女労働者に対して上司・同僚が行うハラスメントのことです。
大きく3つに分けることが出来ます。
制度を利用したことによる解雇や不利益な取り扱い
制度を利用しようとする労働者の邪魔をする
制度を利用したことを理由にした嫌がらせ
この3つに当てはまる扱いを受けた経験のある方は「マタハラに遭ったら」の項目をすぐにチェックしてみてくださいね。
妊娠や育児に関する法律
私達労働者が安心して親になるためにどのような法律があるのでしょうか。
妊娠や育児に関する法律は主に2種類あり、会社から妊娠や出産、育児休業に関わる労働者を守っています。
このように2種類の法律によって、妊娠や出産、育児に関わる労働者の労働環境が守られています。
そしてハラスメントを受けるのはママだけではありません。
次では、パパが受けるハラスメントについて紹介します。
パパも守られる時代へ
これから父親になることが分かり、上司に「子供が生まれる」と報告した時、上司から祝福されただけだったという方はいませんか?
それは、パタニティハラスメント(パタハラ)に該当します。
パタハラという単語を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。
マタハラとパタハラの違いは、対象が女性か男性かという部分だけで内容はほとんど変わりません。
パタハラに対する制度変更
マタハラと内容がほとんど変わらないパタハラですが、最近制度変更があったのはご存知でしょうか。
令和4年から育児・介護休業法が改正され、育児休業と産後パパ育休(※)の申し出が円滑に行われるようにするため、制度が変わりました。
これから父親になる方は、会社側からしっかりと育児休業制度などの詳しい説明を受けてくださいね。
会社が行うべきパパのための制度⇓
当てはまったら違法!マタハラ・パタハラチェックリスト
「妊娠したからって早く帰れていいね」
「あなたの分まで仕事しているから帰れない」
「妊娠するタイミングが最悪だ。もっと職場のことを考えられないのか」
「子どもが小さいうちは母親は家庭で育児に専念すべきだ」
「妊娠したなら明日から来なくていいよ」
「正社員だったけど、妊娠したならパートタイム労働者になってね」
「育児休業するなら降格ね」
第二章
事例・ペナルティ
法違反かどうかの判断
妊娠や育児に関する法律に違反しているかどうかは妊娠・出産等を理由として(※1)不利益取り扱い(※2)がなされたかどうかが重要となります。
マタハラ事例の種類
マタハラは主に2種類あります。
①妊娠・出産に関する直接的なハラスメント
②制度の利用に関するハラスメント
(パタハラは②のみ)
①妊娠・出産に関する直接的なハラスメント
例)周囲の不適切な発言・行動 →「就業環境を害すること」
※身体に関わる不適切発言はセクハラにも該当
妊娠出産を理由とする「解雇」・「自宅待機命令」
(ほのめかす言動を含む)
②制度の利用に関するハラスメント
…雇用機会均等法および育児・介護休業法が対象とする制度や措置の
利用者に対する周囲の言動
例)制度を利用(または請求)した労働者に対する「解雇」・「降格」
「制度取得の拒否」
制度利用を理由とする嫌がらせ →「就業環境を害すること」
受けた不適切な発言・いやがらせ等は「就業環境を害すること」に当てはまります。
記録・録音し、窓口や弁護士に相談しましょう。
第三章
マタハラにあたる具体的事例
〈事例1〉…①&②
【事案の概要】
【結果】
〈事例2〉…①&セクハラ
【事案の概要】
【結果】
参考↓
ペナルティ
※これらは2022年11月現在のペナルティとなっています。
働き方改革の進行により、今後罰則が増えることもあるかもしれません。
被害に遭ったら窓口やホットラインへ連絡し、なにができるのか確認してみましょう。
〇企業→行政
過去事例における賠償
〇企業→社員被害者(当事者)
第四章
対処法
マタハラに遭ったら
ここまでマタハラの実例やそのペナルティを述べました。
では、実際にマタハラを受けた場合はどうすればいいのでしょうか。
下記の3点が挙げられます。
①窓口への相談
②ホットラインへの連絡
③弁護士に相談
マタハラを防止するためにできることー会社の義務ー
マタハラをなくすために、事前に会社が講ずるべき義務は以下の4点です。
皆さんの会社にもきちんと制度が整っているか確認しましょう。
①ハラスメント禁止を広く知らせること
②マタハラに関する相談(苦情含む)に対応する窓口を設置し、広く知らせること
③マタハラ等が発生した場合に適切に対応すること
④マタハラの原因や背景となる要因を解消するための措置を講じること
参考↓
厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000137179.pdf
第五章 おわりに
今回の記事では、マタニティ・ハラスメントについて説明しました。
今回のポイントは…
マタハラをしない・させない(されない)為には、どの言動がマタハラに当たるのかを正しく理解する必要があります。
その上で事業主は、育休を取得する者の周囲の労働者がしわ寄せ分の業務を負担する仕組みを解消し、マタハラが起こりにくい環境を整備しなければなりません。
働きやすい職場環境のためにも、マタハラ防止措置やその周知が自社でなされているかを確認しましょう。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。