初お見合いで 「好きです!」 Astell&Kern AK HC2
こんにちは。あら50りっぷです。
最近ずっとイヤホンのニューモデルをレビューしてきましたが、久しぶりに最近追加したUSB‐DACを紹介します。
まさにラッキーなタイミングでした~
(現在は販売終了)
2月にe☆イヤホンのサイトを覗いたら、 Astell&Kern(アステル アンド ケルン)の『AK HC2』定価26,980円をなんと1/3 の9,900円で手に入れることができてしまいました! これが正真正銘 Astell&Kernとの初のお見合いです。
AK HC2はコンパクトでありながらハイレゾ再生対応、強力な出力パワーをもったUSB-DACです。
Astell&Kernは、高性能DAPでお馴染みの韓国の名門オーディオブランドで、同社の約10万円の人気DAPである A&norma SR25 MKII 同様、HC2はCirrus Logic CS43198 のデュアルDAC構成だけでなく、音声出力を増幅するアンプまで2台内蔵することで超パワフル出力を可能にしています。
出力端子は4.4mm 5極バランスのみと究極のマニア仕様になっていて、拡張性が低いと評価する声もありますが、この割り切りによりオーディオ回路がシンプル化され、優れたチャンネルセパレーションによる高音質化のメリットを最大限発揮できるわけです。
さらにこの4.4mmバランスの出力レベルは4Vrms と、なんと高性能DAPと肩を並べるほど強力なので、有線イヤホンだけでなく、一般的に鳴らしにくい大型ヘッドホンまでパワフルにドライブすることができるので、ポータブルアンプとしても機能させることができます。再生可能レートは、実用上ほとんどのハイレゾ音源を再生可能な、最大32bit / PCM 384KHz、DSD256対応となっています。
本体カラーはダークグレー、素材はアルミニウム製で堅牢な作りながら、重量はわずか29gしかないため、ポケットにさっと入れてスマホと一緒に携行したり、ガジェットポーチにもすっぽり収納可能です。使用時にはスマホから垂れ下がる感じになりますが、重さが気にならないのでケーブルの一部程度の感覚で使えます。ただ筐体が四角く角ばっているので、スマホや他のものを傷つけたりしないかがちょっと心配です。
AK HC2は、最近見かけるUSBケーブル分離型ではなく、あえてケーブル一体型を採用しています。一体型にすることで強固なシールド構造を実現でき、より接点が少ないことでノイズ対策と高音質を両立させる設計にできるためです。
ケーブルは高耐久性のデュアルノイズシールドケーブル(イラスト参照)となっていて、銅線の腐食防止と耐久性を向上させています。アルミフィルムでケーブル全体を包んだ上に錫メッキ銅線を編むことで、ノイズ干渉を極限まで抑えるという贅沢な仕様になっています。一体型はケーブル破断さえ防げるのであればかえって分離型よりも取り回しが良いメリットがあります。手で触った感じでは、太く硬質な布巻きケーブルのようで強度は十分な質感でした。
HC2の音質について
では早速、愛用スマホのPixel 7a にHC2をUSB接続し、Amazon Music Unlimited でダウンロードしたURTRA HDの楽曲を再生します。試聴に使用するイヤホンは、KZの2023年版の重低音モデル Castor、ケーブルはKZシリーズと相性の良いTRIPOWIN Zoe(4コア純銅+銀メッキ銅線+金メッキのミックスケーブル)の4.4mmを組み合わせます。
ボクはAstell&KernのDAPは所有していないのですが、これまでAK HC2と形状のよく似たUSB-DAC Shanling UA2 を愛用してきました(2年前に購入)。UA2は3.5mmアンバランスと2.5mmバランス両対応でUSBケーブルは分離型、性能面では32bit / 768kHz 、DSD512対応と AK HC2より優れていますがデュアルチップ / デュアルアンプ仕様ではないため出力の高さでまったく勝ち目がありません。音質は非常に明瞭で自然な味付けが大好きなのですが…
<過去記事はこちら>
HC2を初試聴してすぐにわかったのは、中低域のバランス出力の駆動力の高さ、密度の濃さと音の厚さです。この帯域に特に注力したチューニングになっているのでしょう。解像度の高い中域は、声と楽器の分離が見事で、ボーカルが楽器群に埋もれずにしっかりと前に出てくるためポップスやアニソン好きにはたまらない味付けです。アーティストの息づかいまで再現するような繊細な音表現が可能で、ボーカル表現に関しては200点あげてもおかしくないくらいの感動が味わえるでしょう。これは音量を下げても変わらず、音が痩せずに解像度の高さと音質の良さが感じられました。
また定位が正確なのも特筆もので、どの方向から音が聴こえているかがとてもわかりやすく、左右からの音がきちんと分離して聞こえてくるため、中央で混濁するようなことがありません。HC2を使用することでイヤホンのモニタライクな使い方もできると思います。
音質面は寒色傾向で硬質でドライ。でもエッジが立つほどソリッドではなくて攻撃性は抑えられているのでほとんどのイヤホンで高域の刺さりは回避できるはずです。これはまさにボクの大好きなチューニングですね!
低域の沈み込みは深く、ミッドベース・サブベースともに十分な厚みを感じながらも音の輪郭がくっきりしているので、バスドラの響きもブーミーにならずアタック感、キレともに再現能力が高いと感じます。
KZ Castorのような「重低音オバケ」モデルでも厚いミッドベースを聴かせながら他の帯域と分離がしっかりしているのが単純にすごいと感じました。出力の高さが災いしてバランスが破綻してもおかしくないのに…
高域はクリアで一音一音の粒立ちがはっきりしています。ヌケが良く音場も広く感じられるので、音が上下方向に伸びて広がっていきます。ノイズが少なく背景が静かなので、繊細な金属音までクリアに聴きとることができました!
音質とは関係ありませんが、長時間使用でも本体の発熱が少ないのにもビックリ。触ってほんのり温かく感じる程度でした。Shanling UA2は結構発熱していたことを考えると放熱設計の大きな進化ですね。バスパワー駆動なのでどうしてもスマホのバッテリーを消費しますが、デュアルDAC/デュアルアンプ内蔵であることを考えれば、Shanling UA2と比較してもずいぶん抑えられているように感じました。この点は実用的で安心しました。
このように、AK HC2はスマホ接続でハイレゾ音源を再生するだけでなく、PCで使用したり他のタブレットなど様々なデバイスに簡単に使用できることを考えると、かなりコスパの高いUSB-DACと言えるでしょう。軽量コンパクトなので気軽に携行でき、外出先のカフェでいつでも高品質な音楽を楽しむことができるなんてQOL爆上がり間違いなしです! 些細なことですが、Shanling UA2では毎回本体とUSBケーブルをつけ外ししていたその手間がなくなっただけでこんなに楽なのかと感心しました。
すでにエントリーグレードのUSB-DACを持っている人が、アップグレード用として選択するのもありですし、ボクのように初めて4.4mmバランスで聞いてみたい人にも簡単シンプルで高音質なHC2は超オススメです。
駆動出力の高さとパワフルな音圧にあなたもきっと感動しますよ! 初お見合いで完全にひと目惚れしてしまったボクなのでした…
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