暴れん坊の息子は暴れん坊か?! KZ ZSN Pro 2
こんにちは。あら50りっぷです。
ついに待ちに待ったKZ ZSN Pro 2が手元に届きました。
ZSN…という名前を聞いただけで思い出す日があります。ボクが中華イヤホン沼に足を踏み入れるきっかけとなった3年前の…あの、、、
『ZSTx』と『ZSN Pro X』を
Amazonで2台同時にポチった日
思えばこの日からすべてが始まったのです。当初は1万円以上する高額なTWS(完全ワイヤレスイヤホン)を追いかけてイヤホン沼に突入しましたが、この『中華イヤホン(有線)』と出会ったことによってボクは完全にTWSと決別することになりました。圧倒的な音質の差を経験してしまったからです。感慨深い思いですね。
この数年間中華イヤホン界隈でも、新技術を搭載したイヤホンが星の数ほど発売されてきましたが、
ZSTx、ZSN Pro Xに対する根強い憧憬は当時も今も変わらず、ボクの人生にかつて衝撃を与えたこの2台は、未だに超お気に入りイヤホンとして大事に手放さずにいます。
ZSN Pro Xは、1BA+1DDハイブリッドモデルのZSN、ZSN Pro、ZSN Pro Xと続くシリーズの最終形と思われていたので、ここに来てまさかZSN血統の新機種が発売されるなんて! と思ったら我慢できるはずがありません。瞬殺でポチリました(Amazonでは納品日までのタイムラグがあったのでAliExpressで注文。しかもZSN Pro X並みに安価な価格設定でなんと2,400円)Pro 2がどれほどの進化を遂げたのかをファンとしてはこの耳で確かめなくてはいけません。
まずは外観を見てみましょう。
Pro 2のボディーは中華イヤホンでは良く見慣れた、アルミ合金のフェイスプレートに半透明樹脂シェルの組み合わせ。相変わらず軽量ですが、Pro 2はPro Xよりは若干重くなったようです。厚みは少し増えましたがコンパクトな作りのシェルはZSNシリーズを踏襲し、装着はスムーズでノーストレスです。カラバリのうち、Blueカラーだけがグロッシーな光沢のフェイスプレートに紺色のラインが引かれ、派手目な意匠ながら高級感があります。半透明樹脂シェルのおかげでDDやBAの配置を覗くことができるのもマニア心をくすぐります。ビルドクオリティ―も文句なく、お値段以上の品質です。
さて2023年後期に発売されたEDX Lite、EDX Pro X、そしてこのZSN Pro2には、KZの次世代のDDユニットが搭載されています。その名も『スーパーリニア・ダイナミックドライバー』。
ベーシックな1BA+1DDハイブリッドながら、搭載するDDが第2世代のDDであることがフェイスプレートに自信満々に刻印されています。スーパーリニア・ダイナミックドライバーはここ数年、中華イヤホン業界で定番となっていた二重磁気回路 10mmDDをさらにブラッシュアップし、完成度を高めた新ドライバーと謳われています。さらにZSN Pro2には、音の歪みを極限まで減らした新生BA 30095 が1基搭載されており、高音域における解像度と分離感をこれでもかというほど高めていると説明されています!
この2つの新世代ドライバーが織りなす「スーパーリニア」なサウンドとはどんなものでしょうか。ワクワク感が止まりません。
ちょっぴり過去を回想
今でこそ重低音イヤホンが各メーカーから発売されていますが、ZSN Pro Xの発売当初は、すでに他メーカーから一歩抜きん出ていたKZシリーズの中でも、DQ6というDD×3基を搭載したイヤホンと並んで、 Pro Xも『重低音オバケ』と呼ばれていました。
ZSNシリーズの集大成(と当時は考えていた)Pro Xの特徴は、狭くて近い音場から繰り出される唸るようなミッドベース・サブベースで、ボーカルを多少後ろに退かせてしまうきらいはあったものの、BAが高域をソリッドに演出するため極端な強ドンシャリカーブであるにも関わらず見事にバランスしてしまう、ワクワクするような暴れん坊イヤホンでした。
これほどやりたい放題の設計で
リスニングの楽しさに振り切った
思わず聴き手が「うわーっ」と
感嘆してしまうイヤホンは
当時はまだまだ珍しかったのです
次々と新機種が生み出されても、これほどのワクワク感を与えてくれるイヤホンはなかなか現れませんでした。今でもボクのお気に入りイヤホンの上位にあげられるPro Xを、子孫であるPro 2は果たして超えることができるのでしょうか??
さあ、とんでもなくハードルを上げたぞ―、頑張れPro 2。
KZシリーズの重低音群に組み合わせるケーブルは、中域・低域をブーストしつつメリハリを加える、相性抜群のJSHiFi Warrior 16芯銀メッキケーブル(価格も安いのでコスパ最強)、さらにイヤピもブースト効果絶大の Sedna Earfitlight Short を装着していざ試聴します。
音質について
えっ、ちがう、ぜんぜんちがう!
ZSN Pro Xともまったく違う!
中高域の明瞭度は「1枚膜が剥がれた」ようにクリアさに磨きがかかり、低域はドンシャリを継承しつつも強ドンシャリから中ドンシャリ程度に落ち着いたイメージ。Pro Xで唸っていたミッドベースは鳴りを潜め、代わりにサブベースがヤバいくらい唸りまくります。これは令和の『サブベースお化け』呼んでもいいくらいです。学級委員のようにすっかりマジメで大人しくなった最近のKZに、ついに暴れん坊が戻ってきました!
新生BAもなかなかいい仕事をしていて、高域が煌めきます! 解像度はPro Xを明らかに上回っており、 刺さる一歩手前ギリギリでチューニングされていますが、もともとシャリついた音源を聴くと多少攻撃的になることもあるかな。カリカリに硬質でソリッドな高域が苦手な人はパスしたほうがいいかも知れません。
低域と高域がこれほどブーストされているのに、ボーカルはしっかり前に出てよく聴こえます。どうなってるんだ? 女性ボーカルとの相性はなめらかで艶々、男性ボーカルはベースが地響きのように鼓膜の奥までズンズンと響いてくる感じで臨場感が半端ないです。定位もつかみやすく、様々な楽器の音もきちんと分離されてハッキリと聴こえます。ボクの大好きな音だ~!
音場がタイトだったPro Xと比較するとPro 2の音場は広く、ヌケもいいので天井まで昇っていく感じ、インピーダンスも26Ωと低い設定なので、簡易DACを繋いでスマホに直挿しだ聴いても十分音量が取りやすく、ホワイトノイズが気になることもありません。
では結論
Pro 2はPro Xを超えることができたのか?
【回答】
… 同じ血統をもつPro XもPro 2も、実際に聴いてみると音色がまったく違い、それぞれ個性的なサウンドを奏でてくれるので、この2台はラインナップ中で共存させることが可能です。よかったねぇ。
技術・性能ではPro 2に軍配があがるでしょう。この4年間のダイナミックドライバーの進化は覚醒的ですし、新生BAの解像度も大幅に引き上げられていて、2台を聴き比べると明らかにPro 2のほうが中高域がクリアに聴こえます。
Pro Xのワクワク感をしっかり継承しつつ、オールジャンルで破綻なくベストサウンドを聴かせてくれるPro 2の実力は凄まじいものです。1万円以上するイヤホンでも、未だこの領域に到達できていないものは山ほどあるでしょうからね。
KZファンとしては、Pro X、Pro 2 ともに平成・令和の時代に記憶される『名機』として今後も残り続けてほしいと強く願います。どちらも1BA+1DDハイブリッドイヤホンで太鼓判を押したくなるくらい完成度の高い、「エモい」イヤホンですからどちらも即買いです!
休日のリラックスタイムには、Pro 2とPro X 2台を持ち出してお気に入りの曲を聴き比べて過ごしています。これをやりだすとエンドレスで、2台の細かな違いが感じられてゾーンを抜け出すことができません。2台持ちの人はこんな楽しみ方もできるのでオススメですよ。
AliExpressで購入の場合
【KZ ZSN Pro 2】
https://ja.aliexpress.com/item/1005006413088463.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.5.2145585aELOILb&gatewayAdapt=glo2jpn