碧いウサギは映画館デートが好き? Maestraudio MA910SR(U149)
こんにちは。あら50りっぷです。
これまでずーっと指をくわえて眺めていましたが…
Maestraudio×TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」(ベースモデル:Pentaconn ear MA910SR)コラボモデル(通称149)を突然入手しました。ボクの廉価中華イヤホン探訪にはまず登場しない2万円弱もする高価なモデルなのに、フリマで超格安で譲っていただけたのでした。
Maestraudioのルーツであるジャパンブランドintime(アンティーム) の「碧(SORA) -Light」が好きで良く持ち出して聴いていましたが(久しぶりに聴いてみようかな)このintimeで培った技術を活かし、より高度なイヤホンを造ろうと開発者たちが新たに設立したのがMaestraudioということです。以下が会社案内となっていますが、『全製品日本製にこだわり…』とは、ストーリー性がありますね~
ベースとなるMA910SRは、グラフェンコート10mm DDと9mmのツイーター(パッシブ型)を搭載したハイブリッド型で、intimeで培った圧電セラミックスによるセラミックサウンドテクノロジーが駆使されています。新開発のグラフェンコートDDの音波で赤銅素材(管楽器に多く用いられる)の振動板をパッシブで振動させ、さらに粒立ちを良くするために表面をセラミックコーティングしています。低域から高域まで歪みのないナチュラル再生を目指しているとのことで、後述する超小型音響補正デバイス「HDSS」を搭載することでコンパクトな樹脂ハウジングながら、信じられないくらいの広大なサウンドステージを提供してくれます。
さてさて、技術的に難解な説明は、こちらもあまりよくわからないのでここまでにしましょう。
この「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」は、MaestraudioとTVアニメのコラボモデルで、実際に音質面でもMA910SRをアニソン向け(中域ボーカル重視)にリチューンしているようです。MA910SRと仕様的に異なるのは、ケーブルのコネクタ端子が話題のPentaconn ear ではなく通常のMMCXに変更されていること。
「Pentaconn ear コネクタ」は通常のMMCXと比較して、接点抵抗を1/10以下に抑えられるという利点があると解説されていますが、リケーブルの汎用性は圧倒的に低いため、U149モデルでMMCXコネクタに変更されたことはリケーブル派にとってはかなりのプラスと言えるでしょう。純正の4.4mmバランスケーブルだけでなく、他社製ケーブルで音質を大きく変えることもできるので可能性がひろがりますね。
先代モデルであるMA910S(現役)はとても人気のある高音質イヤホンながら、オール樹脂ハウジングとリケーブル非対応となっているので、SとSRの型番の違いはリケーブルが可能になったことを表す「R」と、金属フェイスプレートを採用したことによる音質強化版ということになります。細めの純正ケーブルは見た目に高級感こそないものの、高純度無酸素銅×銀メッキ銅線のハイブリッドケーブルになっていて、安価な中華イヤホンの純正ケーブルと比べれば、3.5mmアンバランスなのに十分な解像度と分離感の高い音を提供してくれます。
シリコンイヤピもMaestraudio独自の高品質な iSep01 が付属します。手持ちの他社イヤピにいろいろ交換して試してみましたが、最終的に iSep01 に落ち着きました。Sedna Earfitlight shortのようなイヤピの傘部分が厚めのものだと高域の明瞭さが失われ、逆に柔らかすぎると今度は低域が減衰と、なかなか調整の難しいイヤホンです。その分 iSep01 はU149に最適化されているようで、耳への収まりも良かったので、今回は純正イヤピのまま試聴してみることにします。
音質について
一聴して一番の驚きは音の空間表現で、ボクがこれまで手に入れてきた中華イヤホンのどれとも違うものでした。サウンドステージが広~い! アコースティックやLIVE音源、Jazzなど、器楽曲を聴くとそれが顕著に感じられ、ナチュラルサウンドで定位もしっかりつかめるのに、未体験の広大なステージに立っているような不思議な没入感があります。言葉で説明するのは難しいな~。このサウンドステージを実現しているのが音響補正デバイス「HDSS」。例えるなら、サラウンドスピーカーを両側に10個ほど並べた映画館に座って聴いているような感覚。これまでのイヤホンでは感じなかったステージの広さです。これってつまりは、大好きな曲をもう一度149で聴き直してみる楽しみが生まれるってことだね。映画館デートの時間が増えるかも!
音の波形型はややかまぼこ曲線で、中域(ボーカル)強調。高域はウォーム傾向でカリカリ寒色ではなく角の丸い優しい響きで、ボヤッとしているかといえば全帯域で音の輪郭ははっきりしています。3.5mmアンバランスのままでも解像度は比較的高く、細部にわたって定位も正確につかめるので、インイヤー・モニターとしての使い方もできるんじゃないか。派手な演出のないナチュラルフラットな音質だけに、バランス接続にしたらもっと分離感と粒立ちがアップするのでは?
さらに音がレイヤー状に聴こえてくるので、メロディーラインの下に隠れているピアノや電子音、弦楽器やシンバルなどの微細な音まで、生バンドが目の前で演奏しているかのように聴きとれます。この粒立ちのよさとサウンドステージで149のファンになってしまう人も多いでしょう。
一方でベース/サブベースの量感は標準的で、KZシリーズの重低音オバケに慣れてしまったボクの耳には正直物足りなく感じました。この低域がリケーブルによってどれくらいブーストできるかが期待です。
高音質で明瞭というのとは違う、聴けば聴くほど癖になる149独特のサウンドステージは、時間を忘れて音探訪をするには最適の『オバケ』イヤホンになり得るかもしれません。
リケーブルで音質・音場は変化するのか?
MMCXならば多くの製品群の中から線材を選べますが、ボクの希望は何よりも低域ブーストなので、最近KZの重低音イヤホンに多用している、銀メッキ無酸素銅線×無酸素銅線のハイブリッド『JSHiFi Ocean 4.4mm』を購入してみることにしました。ウサギマークの金属フェイスプレートの「碧」とOceanケーブルの「翠」コンビが見た目にもマッチするだろうと想像したからです。
では化学反応を期待してリケーブル。聴いてみると…あれ?
これ、3.5mmアンバランスのままのほうが良くない?
確かに音の分離は4.4mmバランスのOceanのほうが優れていると感じますが、先程の広いサウンドステージが感じにくくなってしまいました。Oceanの銀メッキケーブル効果で高域の明瞭度がさらにアップするかと思ったら、149とのマッチングだと効果があまり発揮できないようです。これにはちょっとがっかり。カラーのマッチングは完璧なのになあ〜
純正の3.5mmケーブルは無骨なほど真黒なケーブルなので、見た目的には萌えませんが、149の癖の面白さを優先するなら純正、少しでも分離感を上げて「ナチュラルフラット」を聴き込むならOceanと、かえって悩みは深くなってしまいました…しばらくはOceanで149を聴き込みながらエイジングを進めてみることにしましょうかね。
まだ現段階では完成形(ゴール)の音にはたどり着いていない感を残したままの今回のレビューでした。誰か149に相性ピッタリのケーブル、知ってたら教えてください。
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