『碧』のハニートラップに完敗! FiiO FD1
こんにちは! あら50りっぷです。
DAPで世界的にも有名なFiiOはイヤホン分野でも音質が良くコスパの高い精力的な製品を販売しているようです、が・・・。
先日大きな期待とともに購入した「FiiO」の親子ブランド「JadeAudio」のEA3が、他に類を見ない14.3mmという超巨大DD搭載の重低音バリバリモデルとして期待度Maxだったものの、BAドライバーの調整不足や、強ドンシャリ過ぎてボーカル域(中高音)が後ろに引っ込んだバランスが好みに合わずにすぐに売却してしまいました。
そんなこともあって「FiiO」のイヤホンはラインナップに加えなくてもいいかな? と考えていた矢先に、海外レビュアーの評価が異常に高い『FD1』を見つけました。シンプルな1DD構成ながらベリリウムコーティングされた10mm振動板ダイナミックドライバーを搭載しているということで話題のモデルです。1BA+1DDのEA3とは構造もコンセプトも異なります。一縷の望みを抱きながら、ダメ元で「FiiO」イヤホンに賭けてみることにしました。
衝動買いの理由の9割がこの「ブルー(碧)」です。一目見つめられたら、誰でも恋に落ちてしまいそうな「魅惑のブルーアイズ」。もうこのルックスだけで所有欲もテンションもアゲアゲです。『碧』のハニートラップにあらがう術はありませんでした・・・。
多層セルロイドレイヤー製のフェイスプレートは光があたると美しく輝き、チープさなど感じさせません。この上もしサウンドバランスが好みだったなら、間違いなくベストイヤホンの仲間入りとなりますが結果はどうでしょう! 期待は高まります! 『FD1』はHi-Res認証取得イヤホンとなっています。
ドライバー径 10mm
素材 ベリリウムコーティング振動板
インピーダンス 32Ω@1kHz
感度 109dB
最大許容入力 100m
高純度単結晶銅導体4本編みケーブル
重量 4.5g(片側)
樹脂成形の本体はとても小型で、KZ ZSTxやHidizs MS-1 Rainbowと同様に、耳入れの良さには特筆すべきところがあります。軽量なので装着時の耳への負担はほぼ無し。金属ノズル+フィルターは見た目にも高級感があるだけでなく、FD1の音質向上にも影響を及ぼしていると思われます。
KZや他社の中華イヤホンでは、この価格帯のケーブルにはOCC銀メッキ線が採用されるのが多いなかで、FD1には2pinコネクタ仕様の4本編み高純度単結晶銅導体ケーブル(高品質の純結晶銅素材を使用した12コアケーブル)が付属します。4本編みは柔らかく、絡みにくく、取り扱いにも優れていると感じます。
ケーブル集合部も、リケーブル線材のようなアルミブロック(ロゴ入り)になっており、高級感もあってFiiOを所有しているステイタスを感じることができます。スライドリングの滑りもとても滑らか。2pinの根本が左右とも色分けされているので、本体接続時に間違えることがありません。
初聴してまず感じたのは『伸びのある音の心地ちよさ』。バランスはJadeAudio EA3とは明らかに違う『弱ドンシャリ』で、高域・低域も全体的にしっかり音圧がありながら、中域のボーカルが引っ込むことなくしっかり前に出ています。エネルギーのあるフラットバランスという感覚でしょうか? ドライで寒色傾向なサウンドは男性ボーカルも女性ボーカルも艶っぽく聴かせてくれます。
低音域はEA3のようにブーストこそされていないもののしっかり音圧があり不足は感じません。高音域は明るくキラキラと詳細な音を響かせながらも、単結晶銅ケーブルとの相性の良さもあって刺さりもなく、刺激的な音にならずに中域を決して邪魔していません。このモデルには単結晶銅ケーブルをと考えたチューナーが素晴らしいと感じます。今後100%純銀ケーブルなどにリケーブルして高音域がどんなふうに化けるか聴いてみたい気もしますが・・・。楽しみにとっておきましょう。
音の分離感も想像以上で、バック演奏しているドラムやシンバルの繊細な響きをしっかり聴き取ることができます。本体の心地よい装着感だけでなく、高音域の刺激が抑えられたチューニングは長時間聴いていても聴き疲れすることがありません。実際に原音と比べればかなり違うのでしょうが、モニターイヤホンとしても使用できる大きな利点と言えるでしょう。
結論として、『FiiO FD1』はボクのお気に入りイヤホンランキングの上位入りを果たしました。というより本気で気に入っています! 持ち歩きで一番登場回数の多いイヤホンに昇格する日が近いかも知れません。
とてもいい買い物をしました!