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小柄でカワイイGFができてしまいました… Moondrop DAWN PRO
こんにちは。あら50りっぷです。
AliExpressの春セールでねらっていた製品が安くなると物欲がわいてきてしまいますね。気になっていたポータブルDACアンプを見つけてしまったので思わずポチってしまいました…
さてそのポタアンDACとは・・・
あの品切れが続いていた「Moondrop DAWN PRO - 破暁 - 」です。
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この手のひらサイズの小型ボディー、ヤバくないですか? 可愛すぎる~
重量もわずか14gしかないのに、32 bit/384 kHzのPCM音源とDSD 256再生に対応している超高性能モデルです。
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DAWN PROにはシーラスロジック製のチップ CS43131をデュアル搭載(高コスパのポタアンではすっかり定番)、さらに3.5mm、4.4mmの2系統のジャックを装備、出力も3.5mmシングルエンドで2Vrms、4.4mmバランスで4Vrmsと大きいので、ほとんどのイヤホン・ヘッドホンをドライブできます。また消費電力が超低いのも特徴で、ノイズのない超低歪みのリスニング体験ができると解説されています。
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DAWN PROが他社のポタアン群と大きく差をつけているのが、本体に100 段階で細かなボリューム調整ができる物理ボタンがあることで、デバイスのボリュームとは独立して操作できることです。これはかなり優れた利点で、音量調整するたびに何度もデバイスをロック解除しなくちゃならないストレスから完全に開放されます。使い勝手では200点満点でしょう。物理ボタンの長短で+、-が感覚的にわかるのもすごいデザインだと感心します。
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筐体は航空レベルのアルミニウム合金をCNC加工して成形されており、重量もほぼ14gと超軽量です。アルマイト処理されたシルバーの天板には小さな放熱用のパンチ穴が開けられていてこれがデザイン上の特徴になっています。高級感もあり耐久性にも優れていますが、ホコリが入り込むことはないのかな? 中央内部にはコネクト確認のための照度の高いLEDが設置されています。
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本体とデバイスをつなぐ純正のUSB-CケーブルもDAWN PROの世界観を踏襲したクリア樹脂でできていて、デザイン的に統一感があるばかりでなく、スマホに接続したときに視覚的にも軽量さを感じさせる要因になっています。
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またDAWN PROにはHigh Gain、Low Gainなどを切り替えできる純正アプリ「Moondrop LINK」が提供されていて、本体側では出来ない細かな設定が可能になっています。早速インストールしてみます。
アプリはPlayストアでは見当たらなくて、同梱の取扱説明書リンクのQRコードからapkをインストールしてみましたが、V1.3.12と旧バージョンのものでした。MoondropのWEBサイトからはV2.0がダウンロード可能なので新しい方をインストールしました(V2.0は日本語対応)。アプリの安定性もV2.0のほうが明らかに良いようです。(以下、画面イメージはV1.3.12の旧バージョンです)
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DAWN PROはイヤホンからの音をそのまま再生するのではなく、Moondrop独自のイコライザーを選択して再生する設定になっています。音質フィルターは4種類から選択できるようで、ボーカルブーストが2種、ベースブーストが2種からそれぞれ選べるようになっています。ボク好みのバランス設定は一番上のLow-lantency Filterでした。各フィルターの音質変化の幅は決して大きくないので、あくまでも微調整の範疇です。欲を言うならイヤホンそのものの音傾向を存分に楽しむための、 No Filter(FLAT)設定があればなお良かったと思います。
またヘッドホン・ドライブに高出力が必要な場合に High Gain が選べるようになっています(アプリのデフォルトは High Gain)。High Gain はデシベル値がもち上がるだけでなく、Low の場合よりも音にエッジが加わり、全体的にメリハリが増加する感じなので、ホワイトノイズが出ない範囲でデフォルトの High Gain のままにしておくことにします。
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今回は、高域の明瞭さと低域の量感と沈み込み、音場の広さをレビューしたかったので、リファレンスイヤホンとして重低音の3DDモデル CCA Trio+JSHiFi Ocean 4.4mmバランスケーブルを選んで試聴してみることにします。
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音質について
アプリでHigh Gain設定のまま試聴します。ただ、スマホでLow 設定でも十分出力が得られたので、音質にこだわらなければLowでもまったく問題ありません。
DAWN PROの音質は、音の厚みが目立ったAK HC2と比べるとより繊細で、キレとスピード感があるイメージです。HC2のような太い音圧は感じませんが、DAWN PROのほうがより明瞭度が高く分析的な音ともいえるでしょう。音質傾向は寒色ドライ系ですが、人によってはDAWN PROのほうがウォーム傾向と感じるかもしれません。それでも High Gain であれば一気に音の量感とキレが増すので臨場感のあるサウンドにすることができます。
音場はDAWN PROのほうがHC2より明らかに広く感じられるので(DAWN PROの音場の広さは癖になるほど気持ちいい)かなりフィルターで味付けされているのでしょう。個人的にはこのアレンジは好みですが、イヤホンそのものの音質にこだわるユーザーや原音主義者にはオススメできません。FLAT フィルターさえあればすべてが解決するのに、残念です。
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本体搭載の物理ボタンは、ボタンの長さで+と-が視覚的にわかるようになっていて、100段階でヌルヌルとボリューム調整が可能です。一回押しのステップもかなり小幅なので微妙な調整ができます。ボタンを押し続ければボリュームを一気に上げ下げることもできます。スマホの音量調整ボタンよりも細かいステップなので、特に極小ボリュームで聴きたいときなどはDAWN PROの物理ボタンのほうが圧倒的に有利だったりします。
特筆すべきこと *その1*
機能とは別に特筆すべきこととして、
バックグラウンドノイズがほぼ発生しないこと
があげられます。本当に静かで、まるでANCをかけたような静寂が感じとれるほどです。この価格帯のDACは出力パワー優先で、ホワイトノイズには目をつぶって…となりそうなのにびっくりしました。最初試聴したときに、音質のことよりむしろこの「静寂」にすっかり魅了されてしまいました。AK HC2では(ボクの個体だけ?)試聴中にプチプチと電気ノイズが走ったし、パワーの大きいモデルだけにホワイトノイズも感じましたが、DAWN PROはマジで静かです! これはぜひ経験してほしいです。
特筆すべきこと *その2*
消費電力が解説の通り本当に低いです。省電力モデルである AK HC2 の場合でも、試聴中にスマホのバッテリーは結構消費したのですが、DAWN PROを接続してのバッテリーの減りは驚くほど抑えられています。Amazon MusicのULTRA HDの楽曲を40分程度聴き続けた場合でも、バッテリー消費量は5~8%程度減るくらいでした。
ということで、同スペックの他社モデルでは1万円以上が相場という中で、まさかの7,000円切りで購入した小型ポータブルDACアンプが、今後ヘビロテで同伴確定するなんてびっくりです! 小さくて可愛いし、オシャレで気が利いているし、さあこれから彼女を毎日デートに連れていくぞー。
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(追記)
*【シングルエンド 3.5mm】の場合の音質/明瞭度/分離感は『まあまあ』
バランス接続とアンバランス接続を聴き比べた時点でどうしてもメリハリ度が低下するので、DAWN PROであえて3.5mmシングルエンドで聴くことはないと思いますが、普段使いしている安価な3.5mmドングルDACと比較しても音質が向上している感覚はなく、むしろドングルDACのほうが音質がいいと感じる曲もありました。ただこの場合でも、DAWN PROの無音時の静寂性は圧倒的なものでした。シングルエンドの場合でも高域のクリアさや低域の量感はきちんと担保できていますが、メリハリやキレの良さ、迫力や臨場感を比べればどうしてもバランス接続に軍配が上がってしまいますね。ここはバランス接続一択でいきましょう!
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AliExpressで購入の場合
【Moondrop DAWN PRO】
https://ja.aliexpress.com/item/1005005948954313.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.5.7f0b585ay14cWP&gatewayAdapt=glo2jpn