あぁ、夏休み
その日は友人と車3台連なって海に行く事になった時のお話し。
普段は一人か二人で行動してる私が友人から海に行こうと誘われて12人だったか、大所帯で遊びに朝から移動して昼前に到着。
普段は時間も目的地もフリーだから◯時に何処どこ、◯時に何処までってスケジュール組んだ移動はちょっと新鮮だったし、休憩時に他の車内の話題で盛り上がるのも楽しかった。
炎天下の駐車場、海水浴客を見込んだ駐車場だからか水道も引いてあり足に付いた砂くらいなら流せそうだ。
海が見えてはしゃぐ友人達、女性陣は着替えの時間も必要だから先に集団で海に。
男性陣は積んでた荷物や飲み物なんかを持ち、さて行くべと歩き出す。
ふと友人の車を見るとダッシュボードに赤いものがちらっと見えた。
「なあ、お前ダッシュボードにコーラ置いてないか?」
車の持ち主に聞いてみる
「あー、どうだったかな。置いてないと思うけど」
既に海と水着に興味を奪われルンルンな友人。
「置いてあったらやべーぞ、最悪爆発するし」
上の空で、うんうん空返事を返す友人。
浜辺に着いてパラソル広げ、男性陣も交代で着替えに行く事に。
私とコーラの友人も後半着替え組で帰るのを待つが、どうしてもあの赤いのが気になり
「なあ、私だけ行くから車の鍵貸してくれよ、どうにも気になって集中できん」
しつこいなぁ、と顔には書いてあるが
「そこまで言うなら俺も行くよ」
やれやれと友人も立ち上がる。
「忘れ物あるから俺も行く」
「荷物番は俺だけで大丈夫だから行って来なよ」
3人で駐車場に戻る間に見てきたコーラの惨劇を聞かせると、ようやく危機感覚えたか早足に。
駐車場から友人の車を見るとまだ変化はない。
更に近寄るとダッシュボードに赤い缶。
やっぱコーラだった。
まだ大丈夫。
「ヤベェ、コーラ置いてたわ」
慌てて車に近寄ったその時、ブシュっと吹き出し離陸。
車内を飛び回りガコガコ音を立ててコーラを撒き散らす。
「あ、あ・・・」
もう30秒早ければ助かった、いや、10秒早ければ。
膝をついて気の抜けてる友人に喝を入れてドアから退けて鍵を奪い取りドアを開けると付いて来た友人も事態を察して自分の車からこちらに来た。
車内にあったテイッシュを半分使ってダッシュボードのコーラを吸わせ半分を持ち主じゃない方の友人に渡して拭くように指示を出して自分の車からティッシュと洗車に使うウエスを持ち出して吹き始めると拭いてた友人もティッシュ捨てて自分の車からウエスを取って来た。
黙々と拭いてバケツに入れた水で濯いでを繰り返してると帰りが遅い事を心配して他の友人も駐車場に来た。
二人で車内拭くのと呆然と呆けてるのを見て察したのか気の抜けた友人を励ます方と拭くの手伝うのが二班に別れた。
更に後に水着に着替えた女性も数人来て、励ますのは女性に任せ男性は最後の仕上げで拭き続けた。
昼過ぎには一応作業も終わりトボトボと海に向かう。
「俺もう帰る」
かなりダメージ受けた友人がポツリと呟く。
「いやいや、お前帰ったら帰りの人数全部乗せきれねぇよ?」
「やれる事は全部やっただろ」
励まし半分呆れ半分で口々に友人に声を掛けてると
「ね、ね、水着も見てほら」
女性の一言で私もようやく着替えた女性陣を見て
「ほら、元気出せよ。滅多に見れんぞ?」
ちらっと水着見て帰るのは止めたが遊ぶ気は戻らず、結局パラソルの下で座って過ごした。
遊び終わって駐車場に戻る際に私が
「多分まだまだベタついてると思うけど、車内洗浄頼めば大丈夫だから」
「何それ」
「中古車とか、売る前に専門の業者さんに掃除頼むんだよ。買ったのディーラーならそこで頼めばやってくれるよ。違うなら私が紹介するから」
内職レベルで中古車屋と付き合いがあったからそのくらいなら出来た。
「そうか、綺麗にできるのか」
「出来るよ。新車レベルは言い過ぎかもだけど、プロに任せれば大丈夫」
そっか、とようやく気分が上がって普段の友人に戻った。
結局車買った所で業者さんの手配が出来たようで思ったより高かったと愚痴吐いてた。
真夏の事故だと子供置き去りとか毎年出るけど、炭酸飲料置いておくのもかなり危ない。
高速のパーキングエリアで天井まで噴き出すコーラとか走ってる隣の車で吹いた炭酸に注意逸れて事故りそうになってたり、色々見てるからこそ言いたい。
車内で炭酸飲む時はご注意を。
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