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その殻の剥き方問題

西洋史では「大航海時代」というものがある。ペスト騒動に続いて、私の中では最も重要な歴史上の出来事だと思っている。

「大航海時代」というと、

「おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやるぜ…
探してみろ この世の全てを そこに置いてきた」

という大塚周夫さんのゴール・D・ロジャーの言葉が響く。
いや、大航海時代じゃなくて、大海賊時代なんだけどね、これは。

と、そんなことはさておき、
大航海時代、といえばコロンブスだ。
コロンブスといえば、

コロンブスの卵

アメリカ大陸を発見した人、とかが有名だろう、とか言われるだろうけど、
一旦、それ置いとこう。それいうと、大陸発見に関してはそれはもう細かいこといっぱいあるからさ、一旦置いとこう。

で、コロンブスの卵。
コロンブスの卵っていうのは、

一見誰にでも思いつきそうな簡単なことでも、最初にそれを考えたりやったりすることは難しい、という例えだ。
その昔、コロンブスがみんなに「大陸発見なんて簡単だ」と言われ、「じゃあ卵を立ててみろよ」と言い、みんなが失敗した後に簡単に立たせて見せた、という話から来ているらしい。
その卵を立てた方法っていうのが、
卵の底?(丸い方)を叩いて立てる、というもの。

こういうこと

私は毎朝ゆで卵を食べる。
タンパク質を手っ取り早く食べるには卵がいい。
以前は目玉焼きにしていたのだが、油を使うし、フライパンも使うし、
面倒臭い。できればゆで卵、そこはなんとか半熟卵で、というのが
本来の私の希望だった。
しかし、ゆで卵を作るのは難しい。茹でることは難しくない。半熟具合に仕上げるのだって、時間で調整できる。そこは半熟具合は好みの問題であり、私のストライゾーンは割と広い。
では、何が問題なのか。
それは殻を剥くことだった。

卵には「卵殻膜」と呼ばれる薄い膜がある。
昨今の美容業界ではこの「卵殻膜」に着目して美容液を開発しているようだが、ゆで卵にとってこの「卵殻膜=薄皮」は邪魔な存在でしかない。
普通に向けば、薄皮は剥がれずにマットなゆで卵になってしまう。
無理に剥がすと白身ごと剥がれてしまい、ほぼ黄身だけになってしまう。
食べられるけど、まずい。ぺっぺ!となってしまう。
見た目も邪魔な上に口の中でも邪魔をする。
美容業界ではあんなに重宝されるというのに、ヒトとは勝手なものである。

この薄皮問題、ググってみるとズラーーーーっと出ててくる。
みんな悩むことは一緒なんだなぁ。
ゆで卵を綺麗に剥く方法が、とにかくたくさん出てくる。
例えば
・常温の状態で茹でる
・新鮮な卵ではなく、産卵後1週間くらい冷蔵庫で休ませる
・茹でた後に冷水に10〜15分つける
など、である。
しかし、正直、どれも50%程度の確率でしか、つるんといかない。
100均で買った卵に刺す針(穴を開けておくと剥きやすいという商品)も買って試したが同じような結果だった。

そんな八方塞がりの状況の中(大袈裟だなぁ)、
なんとなしに見ていたSNSの投稿記事に、
「卵の丸い方にヒビを入れてから茹でると綺麗に向けます!」
というのがあった。
「コロンブスの卵」の登場である。

これこれ

ふ〜ん
もはや信じることのできないジブン、ホントかね〜と
疑うことをやめない。
しかし「脱・肥満」宣言をしている私は、
朝食をバランスよく栄養を取らねばならない。栄養満点バランスOKという
シリアルを呑気に食べている場合ではないのだ。
じゃあ、やってみるか。手間かかるわけじゃないし。
というわけで、鍋に湯を沸かし(水ではなく熱湯状態から茹でる)、
まな板の角でコツンとヒビを入れた卵をおたまに乗せて投入。

そして8分経過。

ちなみに8分が私好みの半熟作成時間。
鍋に水道水をじゃーと流し込み、
そのまま冷水を当てながらいつもどおり、殻を剥いていった。

お?

おお?

おおおお!!

つるんつるんに剥けた!


ちょっと感動

いやかなり感動!



ものすごくキレイな韓国の女優さんみたいなゆで卵の誕生だ!

アメリカ大陸が発見されなかったら、
ヨーロッパにジャガイモは存在しなかったかもしれない。
そしたらアイルランド飢饉は起こらなかったのかもしれない。
しかし、

コロンブスの卵は素晴らしい発見である。


今日も気持ちよくつるんといこう。

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