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美しいと好みは別の話
「福山雅治ってかっこいいけど、好みじゃないんだよね」
こう言ったら友人からドン引きをされた。
それはまるで、
クラスのイケメン男子に告白されたけど、好みじゃないからフった、
というイケてる女子が言うセリフのようだと言う。
そうかい。
私はイケてないから、そんなセリフを言うのはおかしいってことかい。
それは違うだろうが。と思ったけど、それは言わないでおいた。
確かに福山雅治の顔は美しい。美形なハンサムだ。
しかし、好みとはそういうこととは別の次元の話である。
例えば
富士山は美しい。
富士山は神々しい。
美しい富士山が見られるとなんか得した気がする。
と、多くの人が思う(ような気がする)。
しかし、じゃあ富士登山をしたいか、といえば答えは「ノー」と
答える人も割と多くいると思う。
私もその一人だ。
見るのと登るのとでは大違い、ということを身をもって実感している人もいれば、もともと山登りは興味がない、という人もいるだろう。
私は前者なのだが、要はそういうことだ。(ことか?)
話を戻すが、最近Netflixで「ガリレオ」が配信され始めた。
天才物理学者が登場する東野圭吾氏の作品のドラマ化だけど、
この天才物理学者、湯川学を福山雅治が演じている。2007年の作品なので
今から18年前。彼はウィキペディアによると現在55歳らしい。
てか、ついこの間紅白で歌ってたっけ。
『ガリレオ』の中の彼は当時37歳ということになる。さすがに若い。
横で見ていた娘が言った。
「福山雅治って、今のほうがカッコいい」
確かに。37歳の彼は美しい青年なのだが、
今の彼のほうが数段男前に見える。
いい歳の取り方をしているんだろうな、と素直に思った。
それでも私は娘に言った。
「福山雅治ってかっこいいけど、好みじゃないんだよね」
娘は鼻で笑って「確かに違うよね」と言ってきた。
さすがは我が娘、よくわかっている、と思った。
で、ついでに聞いてみた。試してみた。(イヤな親)
「私の好みって誰だと思う?」
娘は笑いながら「イ・ソンミン」と言った。
(笑われたイ・ソンミンって一体)
つられて笑った私はウケ狙いかい、と言った。
「まーね」と言ったと思ったら
「あ!わかった!」と声を上げた。
「野田クリスタル!」
正解は奥田民生なんだけど、言えなかった。
アリだ。
「福山雅治ってかっこいいけど、好みじゃないんだよね」
つまりはこういうことなのだ。