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ベンチがない街

日曜日の午後は外出しない習慣ですが、今日は所用があって繁華街へ出かけました。

日差しには浅い春を感じますが、風は身を切るように冷たい。それでも街は人でにぎわっていました。

みんな元気だなあ。いや、私が虚弱すぎるのか。

それにしても。

ちょっと荷物を整理したくとも、場所がない。
ひと休みしたくとも、ベンチがない。

この三十年長い不況が続き、製造業メインのこの地は、失業した人がたくさん出た。出稼ぎに来た外国籍の人も。一時期ホームレスが駅周辺で大勢暮らしていた。

それからベンチが街や駅から消えて行った。
ホームレスが住み着けないように変えられた。
問題の根本的解決というより、対症療法だったと思う。

そうして今。
街では立ち止まることも、腰を下ろして休むのも許されない。
休みたければカフェに入れということ?

高齢者がマイノリティではなくなった今、なんとかならないものかなと、無印良品の店舗隅にある自販機で一杯100円のコーヒーを飲んだ私でした。