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獣医師体験をしたい!という夢が叶いました

 子どもの夢叶えますプロジェクトでは、四国中央市内の小中学生から夢を募集し、協力してくれる人とご縁をつなぎ、夢を叶える活動をしています。

今回叶った夢は「獣医体験」。夢の持ち主は小学6年生の男の子です。

男の子が書いてくれた夢

 夢を叶えてくれたのは、タカハシ動物病院の高橋先生です。
 この夢が叶ったのはこんなご縁からでした。プロジェクトメンバーの由香里さんが高橋先生と小学校のPTA活動をご一緒されていて、この夢を相談したところ、地域活動にも熱心な先生が快く引き受けてくださったというわけです。しかも、高橋先生がご提案くださったのが雄猫の去勢手術の見学。「そんなことまで!」とプロジェクトメンバーもびっくりのご厚意でした。

 早速体験の内容を、男の子のお母さんにお伝えしたところ、予想外の提案に「手術と聞いて、怖いかもしれないと本人が申しておりまして」とのご返答がかえってきました。男の子が思い描いていた獣医のイメージと違ったのかもしれません。そんな男の子の気持ちを察して高橋先生が「お母さんもお立合いください」とご提案くださったので、ドキドキながらも去勢手術を見学していただくことになりました。

 タカハシ動物病院に着くと、高橋先生は気さくに話しかけてくださいました。院内の設備の説明や、お仕事について教えてくださった後、早速去勢手術を行う猫ちゃんに麻酔を打つところから見せてくださいました。(ただ、この時点で男の子は目をふさいでしまいましたが)

 麻酔が効くまでの10分間は質問タイム。「鳥も診察するんですか?」「猫と犬の走る速さはどうして違うんですか?」といった質問や「骨の模型はありますか?」という要望にも丁寧に応えてくださり、男の子も真剣なまなざしで聞き入っていました。

猫の椎間板を座布団に例えて、わかりやすい説明

 そしていよいよ去勢手術です。先ほどまで動いていた猫ちゃんは麻酔でぐったり。手術を開始するまでに、手術台に横たわる猫ちゃんの口から気体の麻酔を入れたり、気道を確保したり、入念な準備がなされていました。手袋の装着ひとつをとっても、絶対に指先に触れないようなはめ方や、手の位置など、きめ細やかな気配りが随所に散りばめられ、手術は予想以上に神経を使うことを知りました。
 去勢手術は精巣を摘出する手術で、精巣付近の皮膚を1~1.5cmほど切開し、精巣を摘出・止血・縫合します。さあ、いよいよ手術開始です。

「大声あげてしまうかも」と直前まで不安がっていた男の子

 先生がメスを取り出すと、とっさに目を覆ってしまいましたが、お母さんの「大丈夫だから」ということばに恐る恐る目を開、そこからは食い入るように手術の様子を見ていました。

高橋先生の器用な手さばき

 先生はあっという間に精巣を摘出し、2か所を縫合。スムーズな手さばきで血が飛び散ることもなく、5分程度で手術が終わりました。その姿にただただ感動する男の子。「手先が器用じゃないとできないね」とお母さんにつぶやいた言葉に「慣れですよ」と先生。

摘出された精巣

 「実習生でも気分が悪くなる子がいるから、気持ち悪くなったらいつでも言ってくださいね」との先生の心配をよそに、男の子は最後までしっかり見学しました。その後、先生が麻酔を覚ます注射をし、猫ちゃんが目覚める様子をみんなで見届けて、そのかわいさに癒されながら獣医体験の夢を終えました。

目を覚ました猫ちゃんを見て一安心

 男の子が獣医になりたい理由を尋ねると「動物がかわいくて好きだから、病気とかを治してあげたくて」と優しい。先生にも同じことをたずねると、ご実家が動物に関わるお仕事をされていたこともあり、高校生のときに獣医を志したとのことでした。

 帰り際に先生から「がんばってね!」とエールをおくってもらった男の子は、体験後にこんな感想をくれました。

「先生の言葉に心を動かされてますます獣医になりたくなりました。先生の説明は丁寧でとても分かりやすかったです。手術の前はドキドキしたけど、いざ始まってみるとそこまで怖くなくて少しホッとしました。薬の種類も沢山ありビックリしました。手術や病院を見せてもらってありがとうございました。」

お母さんも「こんな貴重な体験をさせていただいて」と感動されていました。

将来の獣医さん

 この夢を書いたときには叶うなんて思っていなかったかもしれませんが、ご縁と善意がつながり、この町で叶いました。
 でも彼の夢はここがゴールではなく、ここからがスタート。自分が目指す仕事をされている高橋先生から直接お話を聞いて、動物の命と向き合う真摯な姿を目の当たりにして、彼の夢はどんどん膨らんでいくことと思います。

院の前で記念撮影

 高橋先生、「獣医体験」の夢を叶えてくださりありがとうございました!!

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