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大仙市じゃなくて大曲市にするべき

秋田県大仙市は、平成の大合併で8つの市町村が合併して誕生した。

新市名をなぜ大曲市にしなかったのか、私はいまだに疑問に思っているし、正直もったいないと思っている。


人口や経済状況が拮抗している自治体が合併後の市町村内に複数あるなら、新市名にどこの名前を残すのかなど揉めるのは分かる。しかし、この地域では大曲市が中心として機能しているのは明らかであったはずだ。


2020年の旧市町村ごとの人口 大曲市が抜きんでて多い




旧市町村ごとの人口 大曲市以外はそこまで大差ない




秋田県内の他の合併後の市名を見ても、旧中心市の名前が消えているのは大曲市だけである。

※参考

秋田市→秋田市
大館市→大館市
能代市→能代市
男鹿市→男鹿市
横手市→横手市
湯沢市→湯沢市
本荘市→由利本荘市
(鹿角市→鹿角市 合併せず)
本荘市だけ、本荘由利地域を踏まえた名称にしているが、旧市名は残している。

大仙市は「大曲市・仙北郡」の頭文字をとって名付けられた。
中心である大曲の名を残すことより、仙北郡の名を残すことにこだわった結果なのだろうか。しかし、「大曲市」という地名は残すに値するものだった。よりによって県内において合併で消えた市名が大曲市のみだというのが非常にもったいない。


まず、大曲市は何といっても「大曲の花火」で有名だ。
県内でも数少ない、国内・世界でも通じる地名なのである。

そして、市内にある「大曲駅」は新幹線停車駅である。
新幹線停車駅の地名は観光・経済的にもインパクトがあるが、現在の市名と一致しないため混乱する人も一定数いるだろう。


以上のように、県内の市町村の中でも相対的に「大曲市」という地名は全国に通じるものであった。だからこそ、それを消してしまったのは非常に残念なのである。

自己紹介する際も、

「大仙市出身です」

よりも、

「大曲市出身です」

の方が、

「花火で有名なところね!」

などの反応をもらいやすく、その後の会話も弾みやすい。
(「大仙市」といっても県外、特に東北以外だと通じないが、「大曲」だとけっこう通じる。)

合併後の2008年にはイオンモール大曲が開業し、新幹線が通っていることからも現在の県内二番手都市は旧市町村単位で見ると大曲市だといえるのではないだろうか。
(単純な人口で見ると旧能代市、旧大館市の方が多いが、あくまでも総合的に)


合併後「大曲市」だった場合、今とどう違ったのか、反事実を検証するのは難しい。今回は主観的な感想を述べたまでなので、実際名前だけでそれほど違いはないのかもしれない。
県内の他の市と比べて、大曲市のポテンシャルを高く評価してこのような記事を書いたのも、自分にとって身近だから生じるバイアスによる影響もあるだろう。

しかし、「大仙」より「大曲」の方が知名度が高いのは明らかである。


今後自分でも何か検証できないか検討したい。

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