【極詳細レビュー】Tombow/SH-MGF モノグラフファイン
モノグラフの新作です。賛否両論ですね。たたんです。今回はトンボ鉛筆のモノグラフファインをレビューしていきます。ゼロを廃番(盤)にしてまで作られた全く新しいメカ、デザインから性能を見ていきます。もちろん私の好きな所、嫌いな所も後半で見ていきますよい。
歴史
1913年(大正2年)に創立された小川春之助商店(後にトンボ鉛筆となる)は2023年の今まで常に世界中に鉛筆を作り続け、1957年にはトンボ初のシャープペンシル、「HOMOホルダー」を発売しました。そしてMONOを会社名として間違える人が続出している名作「MONO消しゴム」は1969年に発売されました。モノグラフの歴史は、時代を超えて2014年、モノ消しゴム搭載精密筆記具として「モノグラフ」が発売されました。その後も、2015年に、サイドノック式の「モノグラフワン」2016年に、より精密に書け、消せる「モノグラフゼロ」2018年に多機能ペンである「モノグラフマルチ」同年7月に「モノグラフグリップモデル」2019年「モノグラフ」に新色6色、2021年に、ニードルチップが採用されたBPおよび2022年当時コスパ最強と謳われたMP「モノグラフライト」を発売しました。そして2023年10月31日に「モノグラフファイン」を発売しました。
デザイン
メーカー公表値として、全長:148.4/最大幅13.3mm(軸径10mm)/重量:21.9gです。全体的にモノトーンで上品に仕上がっていますがこれといった面白さはありません。グリップ上のお腹には「0.5|MECHANICAL PENCIL SH-MGF」と書かれています。0がかっこいい。クリップは動力式。外せなさそうです。トンボマークと京都ローソンのようなMONOマークがボディに書かれていますが躊躇なくパーティングラインが被っています。さらにむかつくところがクリップの間近のボディが少し盛り上がっています。クリップの上には京都から脱出したであろうモノマークがぐるっと巻かれています。消しゴムタンクをなぜスケルトンにしたのかはわかりませんが趣味は悪くないです。反対周ってグリップ部分、ここは真鍮で作られていて、トンボ鉛筆の長年のノウハウ、モノグラフシリーズの伝統的な形です。日本人の指にジャストフィット。ずっしりとした低重心を作り上げています。ペン先は富士山のような逆円錐が3段階になっています。今までにはない試みで、視界も良いでしょう。ガイドパイプ(スリーブ)はメーカー公表はなく、私の実測値で3.5mm。最近の4mmの製図対応レベルのガイドパイプが流行っている中では少し短いです。まあ、長ければ優れているわけではありますんが。
メカ
モノグラフファインには最先端の技術(ファンライトシステム)が詰まっています。中にはまだまだ課題点はありますがね。
①ソフトフィール塗装:メタルグリップにラバーっぽい塗装をしてひんやりしながらも、ソフトな触り心地にできます。JBLtourpro2のような触り心地で、好きな人多いと思います。ある程度のグリップ力がありながら、ローレーットと違いほかのペンを傷つける恐れもなくなりますが、まだまだ塗装もはがれやすく、あったほうがマシほどのグリップ力しかありません。
②消しゴムユニットロック機構:ペン内部にあるオモリが軸内で移動することによって消しゴムユニットが沈まないようにする機構です。構造上、上向きでのノックができなくなりました。より精密に消せますが、作業中、無意識に上向きにノックしようとすると集中力がそがれるシステムですね。
書いてみたファーストレビュー
2か月使ってみた感想
書きやすさ、上品さは間違いなく値段以上(1210円)ですが、クリップの近くのボディの盛り上がりや、塗装のはがれやすさは今一つといったところ。視界が気になったことはありませんでした。富士山恐るべし。ただ、上向きにノックできないというのはかなりの弊害で、本当に精密消しゴムを使いたい人は最適な重心バランスが逆になった消しゴムなど使わないと思うのでこの機構が要るかは謎です。構想は良いですが対象が学生と考えると勉強の邪魔です。サイズ感、クリップの性能は申し分ないでしょう。同社製品であるシャープ芯との相性もかなり良いといえます。
総合評価
五段階評価で、4といったところでしょうか。トンボの技術が詰まっていて筆記具再熱時代である令和にふさわしいシャーペンです。店頭でためし書きを是非してみてください。
本記事に掲載した写真は私が撮影したものです。