茶道(玉川遠州流)伝書【上】に記載がない細かいとこ~四畳半流れ~
⭐四畳半流れと玉川このみ
・どちらも〈炉〉の点前になります。今回は、四畳半流れの点前をお伝えさせていただきます。
⭐飾り方
・炉があるのみで何も飾りません。全て水屋から運びます。
⭐水差しを運ぶ
・ #襖の開け方 を参照してください。
・ #茶道_歩き方 を参照してください。
・一畳の半分の真ん中に①の水差しを運びます。(上図点線の✕印)
・点前する時に、点前する方の身長の高低等の問題で水差しが遠くて点前しづらい時があるので、オレンジのエリア内まで水差しを手前に運んでも良いと思います。
⭐茶碗となつめを両手で運ぶ
・水屋に戻り、[左手]に茶碗と"右手"になつめを持ち、運びます。水差しの前に置き、水屋に戻ります。(一番上のイラスト参照)
⭐建水、柄杓、蓋置きを運ぶ
・建水と柄杓と蓋置きを上図のように、左手に建水、右手に柄杓と蓋置きを持ち、一歩進んだら、後ろを振り返り、正座して、道具を一旦、置いて、襖を閉めます。
(下図参照)
・(男性と女性で襖の閉め方が違いますのでご注意!)
・ #襖の閉め方 を参照してください。
・道具を持って、立ち上がり、炉縁に向かって少し歩き、炉縁の角(ピンクの点線)に合わせて、斜めに座ります。
・正座しながら、左手に持った建水を静かに置きます。(上図③)
・柄杓をさばいて、その[左手]で柄杓を上図のように持ち、蓋置きを持つ"右手"から外します。
・ #柄杓の捌き方_玉川遠州流 を参照してください。
・青い点の場所に蓋置を置き、柄杓を捌いて、その上に"ポンッ"と音を立てて置き、一礼をして、点前が始まります。(音を立てることで、水屋の方達に"点前"が始まったお知らせが出来るようになっております。)
・柄杓を置く方向は通常と違います。(紫の線)
⭐茶碗を動かす
・左手で茶碗を持ち、右手に持ち替えて、目の前に置きます。
⭐服紗を畳む
・ #点前中の服紗の畳み方 を参照にしてください。
⭐なつめを清める
・ #薄茶_清め方 を参照してください。
・赤い所になつめを置きます。
⭐茶杓を清める
・ #茶杓清め方 を参照してください。
・左膝の上に、[左手]に服紗を持ちながら、"右手"で、なつめの上に清めた茶杓を奥から手前に接地させて、静かに置きます。
⭐茶筅を茶碗から出す
・[左手]に服紗を持ちながら、茶碗から茶筅を出して、上図(茶杓画像より上のイラスト)の青い点に置きます。
・茶杓の向き等、上図を参照してください。
⭐茶巾を出す
・服紗を[左手]に持ちながら、茶碗をすこし手前に"右手"で動かします。
・服紗を"右手"に持ち替えて、【水差しの蓋の手前】を、"二の字"に清め、服紗を[左手]に持ちかえて、茶碗の中の茶巾を"右手"で取り、清めたところに置きます。
⭐柄杓を持つ
・[左手]に服紗を持ちながら、"右手"で、柄杓の節の辺りを持ち、[左手]に柄杓を持たせ、服紗を半回転させて、[左手]から"右手"に持たせます。
⭐釜の蓋を開けて蓋置へ
・服紗で釜の蓋を閉め、蓋の手前側を服紗で"二の字"に清め、蓋の向こう側を浮かせて、湯気を逃がしてから、手前側にスライドさせて釜の蓋を開けて、蓋置きの上に乗せます。
・服紗をほどき、帯に下げます。
・ #右手だけのほどき方 を参照してください。
・柄杓でお湯を汲み、最短距離で茶碗にお湯を注ぎます。
⭐茶筅通しをする
・ #茶筅とおし を参照してください。
⭐茶碗をすすぐ
・茶碗を"右手"で持ち、[左手]にあげ、"右手"で支えて持ちます。
・左足の膝頭の上で、茶碗の内側をお湯が円を描くように流れるよう、左右の手で茶碗を包み込みながら時計回りに"3回"回します。
⭐茶巾で茶碗を拭く
・[左手]で茶碗を持ち、"右手"で茶巾を持ち、茶巾は右膝の上で待機、建水にお湯を捨てます。
・茶碗の外側についた滴を茶巾で赤い矢印方向に下から上へ拭います。
・茶巾を茶碗の中に、折り曲げてる方が上(天井)を向くように置きます。
・輪ではない方を"右手"の指先でつまみ上げ、輪が内側になるように茶碗の縁にかけます。①
・[左手]で茶碗を持ちながら、"右手"親指で茶碗の内側の茶巾を抑え、外側は他の指先で抑え、茶碗を回しながら3回で拭き取ります。
・茶碗を[左手]で持ちながら、茶巾ごと"右手"を上に上げ、茶巾を茶碗の外側から内側へ、輪の方を少し(1センチくらい)長めの半分にするために縁にかけます。
・元の茶巾の大きさになったところで、茶碗の底を"いの字"に拭いて、上図の向きで茶碗の中に茶巾を置きます。
・"右手"で茶碗を目の前に置き、茶碗の中の茶巾を"右手"で出して、【釜の蓋の手前側】の上に置きます。
・指先の湿り気を両手の指先を合わせて、擦りつけてとります。
⭐【どうぞ、お菓子を】
・"どうぞ、お菓子を"と主客から末客までに一言発して、一礼します。
⭐お抹茶を点てる準備をする
・"右手"で茶杓を取り、[左手]でなつめを取り、なつめを持ちます。
・茶杓は薬指と小指で支え、"右手"の親指と人差し指、中指でなつめの蓋を矢印方向に、真上に開け、横にそれて、[茶碗の右斜め下]くらいの所に静かに置きます。
・ #なつめへの抹茶の入れ方 参照してください。 (②いろいろな道具の作法に記載されています。)
・なつめを持ちながら、上図のように茶杓で、真ん中に一←印をつけ、二等分にします。
・なつめを持ちながら、上の半丸から茶杓で"1すくい①"して、茶碗に入れる時になつめを気持ち上に上げ、抹茶をすくうために下に下げます。
・下の半丸から茶杓で"1すくい②"して、茶碗に入れる時になつめを気持ち上げ、抹茶をすくうために下に下げます。
・-の線をつけた真ん中から茶杓で"半すくい③"を茶碗に入れます。
・なつめを持ったまま、茶杓で抹茶を上から少し押して馴染ませ、茶碗の内側側面に音を立てないように当て、茶杓の粉を払い、茶杓を持ったまま、蓋を取り、なつめに蓋をかぶせます。
・[左手]で持っているなつめを元の位置に戻し、"右手"で持っている茶杓を、[左手]で節の下辺りを一瞬支えて、"右手"の指先の位置を端にずらして、なつめの上に静かに置きます。
⭐水差しの蓋を開ける
・水差しの蓋の上に茶巾が置いてあるので、釜の蓋の上に"右手"で移動させます。
・水差しの蓋を開けます。
・ #点前中の水差しの開け方 を参照してください。
・ #水差しの蓋の置き方 を参照してください。
⭐茶碗にお湯を入れる
・柄杓(紫の線)を"右手"で、上側から握り、釜の中に沈め、お湯をすくいます。
(お湯が沸騰しすぎの時は、下側から柄杓を握り、水を入れて湯加減を調整します。)
・すくったお湯を柄杓の"合"を茶碗の中に入れないように注意しながら、注ぎ、釜に柄杓を戻します。
・"右手"で茶筅を取り、[左手]で茶碗を押さえて、"右手"で茶筅を上下に振ります。
・抹茶を点てたら、最後"ゆの字"を抹茶の中で茶筅で描き、茶碗の中央で上図のような持ち方に変えて、上に持ち上げると、抹茶の泡が中央に集まります。
・茶筅の穂先を上側にして、"綴じ目"を出来るだけ"自分側"に向けて、元の位置に戻します。(茶筅を置いてから、"綴じ目"を"自分側"にクルッと回すのも自然な感じでお勧めです。)
⭐抹茶をお客様へ
・"右手"で茶碗を持ち、[左手]のひらに乗せ、"右手"で支え、左膝上で抹茶の具合を、茶碗を自分側に少し傾けて泡の状態等確認します。
・確認したら、鍵畳み(斜線部のある畳)の方へ正座の形を崩さないように移動して、鍵畳みの真ん中に、茶碗の正面がお客様に向くように、手のひらで1回、空中を1回と回しながら置きます。
・半東(はんとう…お点前をする方の補助をする方の呼び名)が、主客(上座に座る方の呼び名)に抹茶を運びます。
⭐【いかがですか?】
・主客から返答がきたら、有り難くお気持ちを受け取り、体を炉釜の方へ向き直します。
⭐釜に水を入れる
・水をすくう場合、釜からの柄杓の取り方が変わります。
・ #点前中の柄杓の作法
⭐水柄杓を参照してください。
・"釜に水を入れ、入れっぱなしの"切り柄杓"で終わらせます。
・ #風炉釜_切り柄杓 を参照してください。
⭐主客を待ちます。
・鍵畳側へ体を向け、待ちます。
・茶碗が戻ったら、"右手"で茶碗を取り、[左手の平]に乗せ、"右手"で支えて、炉縁方向に体を向き直し、左膝の上で、茶碗を自分側に傾け、様子を観察した後に、静かに目の前に置きます。
⭐お湯を半柄杓
・柄杓でお湯を柄杓の半分(柄杓を釜の中のお湯に静かに沈め、真上に引き上げると大体"半分"入るようになっています。)汲み、茶碗へ入れます。
・"右手"で茶碗を持ち、[左手のひら]にあげ、"右手"で茶碗を支えながら、左膝頭の上で"時計周りに3回"回します。
・[左手]で茶碗をしっかり持ち、茶碗に入ったお湯を建水へ捨て、"右手のひら"で、滴を下から上へ拭い、茶碗を目の前に置きます。
⭐【おしまいにいたします。】
・一言、声を掛けて、一礼します。
⭐水を汲む
・柄杓を水柄杓で取り、水差しから茶碗に水を入れ、釜に柄杓を三本指で返します
・ #風炉釜_三本指 を参照してください。
⭐おしまいの茶筅通しをする
・おしまいの茶筅通しの時は、一度前後に2~3回茶筅を動かしてから茶碗の中に置いて、手前に少し移動させます。
・ #茶筅通し を参照してください。
・茶碗を右手で持ち、左手のひらに乗せ、"右手"で支えながら、左膝の上で、時計回りに3回、ゆっくり回します。
・[左手]で茶碗をしっかり持ちながら建水の上に、"右手"で茶巾を持ち、水を捨てたら、茶碗の底を"右手"に持った茶巾で"い"の字に拭きます。
・そのまま茶巾を茶碗に入れたまま、自分の前に置きます。
⭐茶筅を茶碗にしまう
・茶巾の上に、茶筅を"綴じ目を下"にして入れます。
⭐茶杓を清める
・茶杓を服紗で清めたら、初めと同じように茶碗に伏せて置く。
⭐茶碗を移動させる
・"右手"で茶碗を持ち、[左手]に持ち替えて、水差しの前、左側に置きます。
⭐なつめを移動させる
・右手でなつめを持ち、[左手]で一瞬、なつめの底を支え、体の向きを水差し側に向かせながら、水差しの前、右側に"右手"で置き直します。
⭐建水の綴じ目を直す
・[左手]で建水の綴じ目を直します。
⭐水差しから釜に水を2杯入れる
・正座のまま、左、右、左、右と膝だけで前に4歩進みます。
・柄杓を一文字で持ち、水差しの水をすくい、釜に1回入れます。
・もう一度、水を入れ、釜のお湯をかまします。
・柄杓を水柄杓の扱い方で、[左手]に持ち、さばいて、蓋置きの上に"合"を置き、柄を畳より3センチ上くらいから落として"ポンッ"と音を立てます。
⭐水差しの蓋を閉める
・水差し側に体を向け、水差しの蓋を"右手"で取り、[左手]で支えて、"右手"で"取手"をつまみ、蓋を閉めます。
⭐建水、柄杓、蓋置きを持ち水屋へ
・建水には、汚水が入っているので、帰りの歩き方が変わります。
・ #茶道_時計周り_歩き方 を参照してください。
・襖の前に正座して、建水、柄杓、蓋置きを所定の場所に置きます。
・ 襖の開け方 を参照してください。
⭐茶碗となつめを下げる
・ #茶道_歩き方 を参照してください。
・正座して、茶碗となつめを持ちます。
・茶碗となつめを水屋に持っていきます。
⭐水差しを持ち、水屋へ
・水差しを取りに #茶道_歩き方 を参照し、水屋に水差しを持ち帰る 時の歩き方は、 #茶道_時計回り_歩き方 を参照してください。
⭐炉釜の掃除
・ #茶道_歩き方 を参照してください。
・服紗で炉縁を"漢字の口の書き順"で清めます。
・ #点前中の服紗の畳み方 を参照してください。
・ #服紗のほどき方_玉川遠州流 #点前中の服紗の畳み方 を参照してください。
・炉釜の蓋を"半月(1)一文字(2)"で清め、蓋を少しずらします。(上図参照)
・服紗をほどき、帯に下げて水屋へ戻ります。
・ #服紗のほどき方_玉川遠州流 を参照してください。
⭐【おたいくつさまでした】
・おたいくつさまでしたと一言声を掛けて一礼して襖を閉めます。
・ #襖の開け方 #襖の閉め方 を参照してください。
お疲れ様でした。🙏
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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