今回に限っては
「あー、どうしよう。」
noteを始めて1年数ヶ月。月1投稿を続けている。
が、書くことがない。
ネタに困らないような刺激的な人生ではないし、次から次に物語が溢れてくるような才能もない。ちょっと悲しくなるくらい平凡な人間。
それでも、世に何かを残してみたいと思うのだから、人間とは複雑だ。
「あー、もう今月やめちゃおうかな…」
(いや、ダメだ。今月やめたら来月もやめる。)
自分がそういう人間であることを知っている。
だからこの1年数ヶ月、
どうにかこうにか続けてきたのだ。
正直、粗雑な投稿もある。
ただ、才無き者が何かを残せる可能性があるとすれば、多分それは、数を打つことだ。
下手な鉄砲でも撃ちまくって、人生終わるまでに一発でも何処かに当たれば、
情けないこの人生にも、勝機が見えるかもしれない。
まあ、人生における勝ちが何なのかはまだわかっていないし、
月に一回が、数を打つに値するのかも謎だが。
とりあえず、できることをやっていくしかない。
だが、染み付いた情けなさが、
そう簡単に消えるわけもなく……
考えなくてはいけないことを考えていると、猛烈に眠たくなるという性質がこの日も作動し、
結局何も決められないまま朝を迎えていた。
「あー、マジでどうするかな……」
「ゔっ。」
頭を空回しし続けているのが原因か、
昨晩飲んだ3本のジュースが原因か、腹が蠢いた。
「ヤベ、トイレ。」
立ち上がったその時、
『ブー、ブー、』
スマホが着信を知らせた。
相手は非通知設定。
非通知は大概、イタズラか詐欺だ。
と思っている。
今そんなものにかまっている余裕はない。
無視してトイレに向った。
腹の虫をトイレに流して部屋に戻った。
格闘時間はおそらく、10分程度だったと思う。
「え?しつこ。」
スマホはまだ鳴っていた。
出るという選択肢も浮かんだが、すぐに消した。
この時代、電話に出た瞬間スマホが乗っ取られるなんて事もあるかもしれない。
画面を下にスワイプし、着信を切った。
「え?」
3秒もしないうちに再び、
非通知設定からの着信画面が表示された。
そして着信画面が表示されているのに、
何故かバイブ音が鳴らなくなった。
「いや、怖い怖い。」
慌てて着信を切る。
またすぐに表示される着信画面。
バイブ音は鳴らない。
「だから怖いって!」
切っても切っても表示される着信画面。
かくなる上は……
《電源OFF》
「ふぅ。」
一安心して、ふと、不安が浮かんだ。
あれだけしつこかったということは、
(ひょっとして、誰かが助けを求めて来ていたなんてことはないだろうか……)
不安症な人間は、
ふと浮かぶ不安が突拍子もなかったりする。
(いや待て待て、10分も出ないうえに、出ずに切ってくる奴に何度もかけ直す奴は、大して助かりたくないだろう。
そもそも助かりたいのに非通知設定意味わからんだろ!)
と、冷静な自分が不安を打ち消した。
十中八九、イタズラか詐欺だ。
俺の行動は正解だろう。
1時間程置いてから、スマホの電源を入れた。
(電源入れた途端着信来たらどうしよう。)
という不安は、
ありがたいことに的中しなかった。
また着信が来てしまう前に、非通知設定からの着信を拒否するようにスマホの設定を変えた。
「これでよし。」
(気を取り直して、今月のネタを……)
(あっ。)
どうにか、今月も投稿できそうだ。
非通知設定からの着信。
何とも迷惑だ。怖いし。
ただ、今回に限っては、
ネタくれてサンキュー。