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夜凪#4
5限終わりのチャイムが鳴る。
「トイレ行こうぜ〜」
「ちょっと飲み物買ってくる!」
各々に過ごす休み時間。
することもなく外を眺めていると、教室のドアが開いた。
そいつは俺の方へとやってくる。
何かと視線を向けると、
「・・・は?」
学生服を着た海がいた。
あちらも驚いたようにこっちを見ている。
「え、え?」
「あ、あの、どうしてここに」
「それはこっちのセリフ」
まさか。
「まさか俺と同じように来てないって噂されてた隣の席の子って・・・」
今日来て思ったのだ。
5限になっても隣の席の人はこない。
休みかと思ったが、クラスの誰かが不登校だと噂しているのを聞いた。
「まじかぁ・・・」
あちゃ〜というように頭に手をやる"海"。
「もういいや!!改めましてよろしく、"日向凪"くん」
「え、あ、どうも・・・。"朝日奈瑠衣"さん」