夜凪#10
※センシティブ注意
ー夏の終わりー
夏ももう終盤に差し掛かる頃。
学校は二学期を迎えていた。
「・・・?」
始業式、久しぶりに学校に行くと、なんだかいつもと雰囲気が違う気がした。
問題の事件が起きたのは放課後。
(早く着替えてクラブ行こう)
先生に呼ばれてしまい、着替えるのが遅くなってしまった。
教室には誰もいない。
体操服が入っているカバンを開ける。
「・・・は?」
いつもと違うカバンの中身。
写真が入っていた。
あの時の、クラスメイトがカミングアウトしてきた時の。
その時教室のドアが開き、誰かが入ってきた。
だが凪は写真の驚きで固まってその場から動けない。
足音的に数人いる。
「凪ちゃ〜ん。告白された時どうでした〜?www」
入ってきたのはクラスの中でも一軍にいる男子たちだった。
いつも教室ではバカ騒ぎをしている。
「俺現場見ちゃった〜♡」
気持ち悪い。
こいつらこそきもい。
凪の中で、何かぐちゃぐちゃな感情が暴れ出す。
一軍の中でも特に力が強い健斗がスマホを見せてくる。
「音声も残ってるんだよね〜」
きもいきもいきもいきもいきもいきもい。
「で、どう返したの?」
聞くな聞くな聞くな聞くな聞くな聞くな。
なんでお前らに答えなくちゃいけない。
こんな盗撮までしているやつらに。
「・・・なんで答えなくちゃいけないの?」
「え、気になるじゃん!!」
うるさい。
人の気も知らないで。
あの子がどんな顔で俺に告白してきたか知ってるよな。
辛そうな顔してたんだぞ。
「凪ちゃん男好きなんだ〜w」
その言葉を合図として、仲間たちが俺を羽交い締めにした。
「はっ?!ちょっ!!」
「さ〜てそんな凪さんにぴったりの商品があります〜」
そう言って健斗が取り出したのは、🔞ものの玩具。
「・・・は?」
それから、頭は真っ白になった。
その時のこともあまりよく覚えていない。
ただ覚えているのは、下半身の気持ち悪さだけ───。