見出し画像

他人と差をつけろ

トランペット吹きになったからには、何か他人より秀でたものを持って目立ちたい。
卓越したプレイでアピールできるのであればそれに越したことはないが、そうもいかないだろう。
ここは自分のできることに専念して、見た目で差をつけてはどうか。

しかし、いったいどうやって?

高価な記念モデルの楽器や、奇抜な形のマウスピースを使用するのが思いつくだろう。
それもなかなかいいアイデアだ。しかし、惜しむらくは、この方法では観衆へのアピール度が弱いことだ。
もっと客席から視認性のよいアピール方法はないものか。

・・・実はある。

その方法は秘中の秘であるのだが、どうせ見ている人もいないので、ここに書いても問題なし。
その方法とはミュートに凝ることだ。君だけ、色や形の違うミュートを選ぼう。
学校の先生や先輩は、皆同じミュートで揃えるよう圧力をかけてくるだろうが、屈することはない。最後にお金を出すのは君自身であり、決定権は君にある。
皆がアルミ素材で揃えたなら、君はファイバー製。皆がファイバー製に寄せてきたなら、有田焼のミュートを特注だ。ここまでやれば、もう寄せられることはない。

音色で目立つ方法も検討したい。
できるだけコミカルな音がいい。
もしハーマンを使うことがあったなら、絶対にステムを抜いてはいけない。気づかなかったふりをしてステムを装着したまま楽器を構えよう。そこまで成功したなら、次はバンドメンバーに気取られぬようそうっと左手をミュートの先端に持っていき・・・、もちろん、そこから一気にオープン・クローズを決行だ。
これで聴衆から笑いを引き出せること間違いなし。特に子供は反応がいい。

吹奏楽ではそもそもハーマンを使う機会は少ないが、そんなあなたに朗報。
ストレートやカップミュートと思わせておいて、実はワウミュートというのがある。

演奏会本番で、バンドメンバーにはストレートを装着したと思わせておく。
次に隣人に気取られぬよう左手をミュートの先端に持っていき・・・、そこから一気にオープン・クローズだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?