見出し画像

運指について

先日他の方と、ミドルレンジのレとミのピッチが悪い話をしていました。
そうしたところ、とあるプロプレイヤーはミの音を開放ではなく12番の運指で演奏しているとのこと。
この話を聞いて、私は目から鱗が落ちる思いがしました。
なるほど、ミドルレンジでのミの運指は本来12であり、開放の指使いが特殊なんだと。

ミドルレンジのレの音で言えば、楽器がきっちり平均律で調整されている場合、1番の運指で鳴らすと本来よりも数cent低くなる計算です。
私が現在使用している楽器は何でか知りませんが20cent近くも低くなります。
この話を聞くまで、ピッチの悪い楽器を掴んでしまったら、どうにもしようのないことだと思っていたのですが、何も運指の常識に捕らわれる必要はなかったのです。

このアハ体験により、いくつかの問題がクリアされます。
実例だと、吹奏楽曲のオーメンズ・オブ・ラブのイントロ部分最後のロングトーンは、1stトランペットはHigh-D(実音C)なのですが、これが20centも低いと大変に苦しい。ここで13の運指で鳴らしてみると、あら不思議。非常に当たりやすくなります。
さらに、ピッチが悪いと無意識のうちに唇で調整するためバテるのが早くなる、というのが私の体感ですが、この改善が見込めます。
当然ツボのストライクゾーンで音を鳴らせるため、音色が格段に良くなるという効果もあります。

今まで、楽器屋の試奏でチューナーを渡されても意味不明だったのですが、いまようやく、その意味がわかりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?