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「北海道スマート農業SUMMIT2024 (2024.11.26札幌開催)」ココカラ出展レポート

2024年11月26日、北海道札幌市白石区のアクセスサッポロで「北海道スマート農業SUMMIT2024 」が開催された。主催はスマート農業共同体(SAc)、株式会社マイナビ地域活性CSV事業部が共催。北海道を起点にして日本の農業のスマート化をはかり、持続可能な農業への転換の一役を担うべく、農業従事者と企業・行政をつなげる場として開催された展示会である。2019年、2022年に続き今回が3回目の開催となる。

ココカラ合同会社(東京・中央区)は、開発製造・販売までを手がける「ココカラピート」を引っ提げてブース出展した。ココカラ合同会社は、南インド産のヤシガラを原料にした培土を開発製造し販売までを手がけている会社である。前日には社員5人が総出で札幌入りし、この展示会に臨んだ。
 
この記事は、ココカラ合同会社にご縁をいただいている札幌在住のライター遠藤美華の視点で、今回のココカラ合同会社が参加した展示会の様子をレポートとして伝えていく。


ココカラ合同会社のブース

持続可能な農業を実現するテクノロジーが集合

会場には農業に関連する41のブースが出展。真っ先に目に入ったのは、展示されていた大型のドローンだった。会場のブースでは、全国から集まった各社が、自動運転の農耕機、農薬、苗、種、培養土、ビニールハウスなどそれぞれの得意分野を駆使した最新のテクノロジーで農業のスマート化をはかる提案がなされている。

 
ココカラ合同会社のブースでは、南インド原産のヤシのハスクを原料にし、現地で開発製造をしているココピート(ヤシガラ培土)を展示。トマトやパプリカの栽培に向いているココカラバック、ココピートに微生物や窒素成分などを配合し堆肥化させたココピートモス、育苗用のキューブなどの製品を陳列していた。迎えるのはパーパスに掲げている「農業をもっとラクにする」をデザインした鮮やかな緑のTシャツを着用した社員たちである。


ハスクのサイズで水はけのよさが異なる

ブース正面に展示されていたのは、水を含んだココピートが三つ。サイズの異なるハスクの水はけの違いをわかりやすくしたのだ。ハスクの大きさは左から順に大きくなっている。それぞれのケースの下に溜まっている水の量を見てみると、一番右の水量が多いことから水はけが良いことがわかる。要はハスクの大きいものの方が、水はけが良いのだ。これらを作物に適した水分量によって配合の割合を調節することが可能なのである。


水を吸ったココカラピートと吸っていないココカラピート

ブース左サイドには、まだ水を含んでいないココピートも展示されていた。コルクのような軽さだ。これが水を吸うと農作物を栽培する培土になるのだ。2倍強に膨らむ。触ってみると確かに土だが、畑仕事をしているときのように手が汚れることもない。

これまで培土といえばロックウールだった。鉱物を原料にしていて排水性は高いがその分肥料は水と一緒に流れてしまう。廃棄も難しかった。それを天然のヤシガラに転換するというのは、こういうことなのだと理解した。


ペットボトルの茶色の水

写真中央のペットボトルの中の色のついた水は、ココピートに水を通したときに出てきたものである。タンニンが含まれているのだそうだ。土ではないのでわかってはいるけれど、泥水が出てくるわけではない。

ココピートの実物に触れて、ヤシガラで世界がつながる?!

 
私が訪れたときにブースにやってきていたのは、農業の従事者の女性二人連れだった。一人は農園のオーナーらしき人で、一緒にいたのはその農園で就労している外国人である。フィリピンから来ているその女性は、故郷フィリピンにもヤシの木がたくさんあると話をしていたが、確かにそうだ。フィリピンにもヤシの木はたくさんある。応対していたココカラ合同会社・代表の大原さんとその彼女が、フィリピンのヤシガラがどのように使われているのかを話していたのが印象的だった。

これまでココカラ合同会社の記事2本の取材・執筆をさせていただいているが、実はまだココピートの実物を見たことも触ったこともなかった。「これが南インド産のヤシのハスクからできていて、インドで生産されて北海道まで来たのねー!」と思うと、自分の中で見えていた世界が少し広がった感覚になる。

今回は、ココピートのサンプルの配布もされた。雪が溶けて春になったら、これを使ってキッチンガーデンをやりたいな、と思っている。

以上が今回の展示会のレポートである。ココピートの導入を考えているのであれば、展示会に足を運ぶとわかることがたくさんある。このような機会があれば、ぜひ足を運んでみるのをお勧めする。


(取材日2024.11.26)

【取材執筆/遠藤美華 】

遠藤 美華(えんどう みか) 2014年よりプロフィールライターとしてライター業をスタート。2021年から書籍のライティング。ブックライティング実績は8冊(2024年7月現在)。取材に基づいたライティングが得意。
https://endomika.com

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