読書日記『からゆきさん』
ある夜、といっても深夜である。
Eテレを見ていたら、森崎和江さんの特集をやっていた。
わたしが見たのは、終わる20分くらい前だったか。
森崎和江という名前をこの時初めて知って、作家だということも知った。
見終わってもなぜか心にその名前が残っていた。
どんな本を書いてるんだろうと興味が湧き、Amazonで探してみた。
そしてこの本に出逢った。
『からゆきさん』
からゆきさん、とは、明治大正昭和の時代に、異国の地へ売られた少女たちのことである。
“おなごのしごと”をさせられるために。
『からゆきさん』は、そんな少女たちや少女たちを囲む時代のノンフィクションである。
わたしは人身売買のことやからゆきさんのことを、何も知らなかった。この本を読むまで。
こういう歴史があり、今、その上にわたしたちの暮らしがある。
知らなくても生きていけるかも知れないけれど、知るタイミングだったんだなぁと思った。
知らなきゃいけなかったんだなぁ、と。
わたしの先祖も、もしかしたらからゆきさんだったかも知れない。
そう思った。その可能性は無きにしもあらずである。
特にわたしの父方の家は九州だし、九州はからゆきさんが最も多く出た地方だから。
それくらい多くの少女が海を渡り、壮絶という名では片付けられない体験をし、生き残った少女達は帰国した。
今の世の中がどれだけありがたいか。
読み終わってそれを感じた。
とても読み応えのある書です。
読んでみてください。
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