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リンクスランドをめぐる冒険Vol.32 ここがローカルコースの極み? ライブスター・ゴルフ・クラブ Part.1

2023年6月22日から2023年7月23日まで。
約1ヶ月間、スコットランドのゴルフコースをめぐる1人旅を敢行。
これだけを考えるとゴルフ好きなら誰もが
「羨ましい!」と思いつくままを言葉にする。
実際、私だって行く前はほぼ、楽しいことしか頭の中になかった。
しかし、いざ行ってみると悪戦苦闘と至福の時の繰り返し。
振り返ればジェットコースターのような1ヶ月間。
これはそこで見たこと、感じたことの備忘録です。

北端の最初は9ホールのショートコース

インヴァネス・ゴルフ・クラブを回った翌日、英国メインランドの北端に向けて車を走らせた。宿のあるThurso(サーソー)までは約125マイル(約200km),カーナビは所要時間を約3時間と表示している。
宿に早く着いてもすることがないので、途中にあるLybster Golf Club(ライブスター・ゴルフ・クラブ)でプレーすることにした。
9ホールを2度回るショートコースで£20と格安。トランスポートの途中に立ち寄るにはぴったりなコースだ。
そして決め手がもうひとつ。
公式HPに書かれた以下の文章。
Instructions on how to pay the green fees can be found at the clubhouse entrance (cash only).
それからこれ。

手作り感満載。たぶんここにグリーンフィを入れるのだろうけれど…。

グリーンフィの払い方はクラブハウス入り口に書かれています。ただし現金のみ。
…たぶん、グリーンフィの投函口が上記の画像なんだろう。
なんだか郵便ポストをそのまま流用したような投函口だ。しかも曲がってる。
まず、日本では(たとえショートコースであっても)巡り会えないシステムのような気がした。何事も初めての経験にはワクワクする。

どこか懐かしの木造クラブハウス

ライブスターの町、というより村はメインストリートが1kmもないほど小さく、商店はほとんどない。石造りの2階建てと、同じく石造りの低い塀が連なる静かな村だ。
かつてはスコットランドで3番目の規模を誇る漁港があってニシン漁が盛んに行われ、ウィック&ライブスター鉄道も走っていたという。道路網の発達やニシン漁の衰退によって鉄道は廃業となったが、ここのコースも鉄道の開通と大きく関わっていたはず。
鉄道は廃線となってもゴルフコースが健在なのは嬉しいかぎり。
カーナビを頼りにメインストリートをゆっくり走る。
低い石垣が途切れ、少しばかり奥まったところに門が見えた。
たぶん、ここがライブスター・ゴルフ・クラブだろう。
看板は、と見回すと…。
あった。石垣に貼られた小さなプレートが。
門を通って駐車場に車を駐めた。他には1台しかない。
門が通れるということは営業している、ということだろう。とりあえずキャディバッグを降ろし、ゴルフシューズに履き替えて駐車場に隣接するクラブハウスらしき建物に向かった。
椿の葉のような深緑の、木造平屋建ての前には鉢植えに赤や橙、桃などの色の花が植えられていた。深緑に映える色彩だ。
エントランスに近づくと、とても懐かしい感じがした。誰もいないその雰囲気は、私が小学校時代を過ごした木造校舎の放課後のようだった。
…なにせ、1960年代のことだ。

例のGreen Fee Boxはエントランスの左手にあった。
公式HPには、入り口に料金の支払い方法が書いてある、って表記されているけれど…。
とりあえず、私は薄暗いエントランスに足を踏み入れた。


古そうだけれど手入れが行き届いているクラブハウス。

続く


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