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成人式を迎える次男へ
成人式を迎える次男へ
おめでとう。
君が生まれてから20年がたったのか。
家の前で毎年咲き誇る木蓮は君が生まれた時に植えたんだよ。
生まれた直後に見つけた耳の後ろのシワはいまでも変わらないね。
小さい頃の君のかわいさはまるで天使だったとママとは今でもよく話します。
大きく嵩高くなった今でも、わたしたちにとってはかわいいままだけどね。
わりと何をやらせてもスッと出来るようになる長男と比べると、わたしに似て不器用で飲み込みが悪く色々上手くいかずに苦労したね。
サッカーでも小学生の低学年の頃は、他の子がすぐに出来るような事がなかなか出来なくていつも泣いていた。
レギュラーになれず、試合に出れなくて楽しそうに見えない時には、サッカーやめて他の好きなことをやってもいいんだよ。って言っても「オレはサッカーは好きやねん!」と頑なに辞めずにずっと出来るようになるまで同じことを練習しているような子だった。
いつの間にか止める蹴るなどの基礎がチームで一番うまくなっていて、中学では基礎技術に重きを置いていた顧問がひとりだけ1年で入部すぐにレギュラーに引き上げてくれたね。
CBやボランチで、いつも後ろから物怖じせず大きな声で先輩たちに指示を出していた姿はわたしの誇りです。
中3の時、突然奈良高専に行きたいと言った時はびっくりしたよ。
高専という選択肢が全くわたし達の頭になかったから。
でも君が自身で決めた進路は全面で応援したいと思った。
それが本当によかった。
中学の時は周囲から若干浮いているような部分もあったけど、高専での君は同じような夢を追いかける友達と切磋琢磨しながらもアホな事をしたりと奈良での学校生活を楽しんでいた。
そして今、君は誰もが歩める訳ではない道を歩もうとしている。
それはわたしでは歩みたいと思っても歩めなかった道。
すごいなと思う。
君がそこまでたどり着いたのは地道な君の努力の成果だ。
とてもうれしく思う。
多分君はこれからも様々な壁を確実に乗り越える力を持っている。
この春から君も親元を離れ、遠く新潟・長岡で一人暮らしをすることになる。
普段の生活はママに甘え過ぎでほんとだらしなく何もできないヤツで、雪国での生活はわたし達もどんなものかまったく知らないので心配で仕方ないけど、長男と一緒で何とかなるよな。
友達と一緒に楽しみながら乗り越えていくんだよ。
時には美味しい新潟の酒などを飲んでハメをはずしたりして教授や先輩、友達と、まわりの人たちとの輪をうまく作っていこう。
きっとそこで得た人脈は君のこれからの人生の財産になると思う。
振り返ればいつもただ見ているだけだったけど、ずっと君を応援しているよ。
まだあと4年間は君への仕送りが必要なのでそれまでは何とか頑張る。
ママは世界で一番君を愛しているから君が家を出るのはきっとすごく寂しがると思います。時にはママには近況報告を入れてあげてね。
それと、帰ってくる時はおいしい新潟の日本酒をお土産に忘れないでね。
とにかくこれからが君の人生の本番です。
これからの君の人生に多くの幸あらんことを。
どこにでもある普通の子どもの節目だけど、わたしにとってはとても大切な節目なのでここに書き留めておきます。