やめてくれ
この間、仕事前に便意を催してどうしようもなかったからそこそこ時間なかったけど仕方なく仕事場に行く前に同じ建物の中にある共用のトイレ(俺の仕事場はビルの中の1室にある)に入ることにした。便秘の俺にとってせっかくの便意は逃すわけにはいかない。俺の便意ははぐれメタルばりに出現率が低い。明らかに食べてる量に対して出る量がおかしいのだが、その割にはそこまで太ってはいない。どこ行ってんだよ俺が食べた物は。
話をトイレに戻す。そこのトイレには3つ個室があり、俺はその中の一番奥の個室に入って用を足していた。俺が入った時点ではトイレに俺以外の人はいなかったのだが、そのあと人が入ってくる音が聞こえた。
小さなトイレに入る時、いつも俺の中ではアツい心理戦が繰り広げられている。他の利用者と手洗い場で鉢合わせないように、隣の個室のヤツは俺より後に入ってきたから俺が先に出るからな?お前はちゃんと気遣えよ?と圧をかける。なんかこう、オーラとかで。逆に隣の人が早そうだったら、俺はわざと個室から出るタイミングをずらしたりしてなんとか鉢合わせないようにする。これが紳士のマナーである。一般的かどうかは知らない。いやたぶん一般的ではない。散々の心理戦の上、ベストなタイミングを見計らって俺が出たと思ったらすぐ後に隣のヤツがふつうに出てきたりして失敗することがそこそこある。
そんな俺にとって最大の敵はお掃除さんである。お掃除さんとなると鉢合わせは免れないからである。いや、いつもトイレを綺麗にしてくれてありがとうなのだが俺が入ってる時となるとちょっと話は別だ。そして今回入ってきた人は音的におそらくお掃除さんである。最悪だ。俺はお掃除さんが気を遣って一旦どっかに行ってくれることを期待した。そしてその後全く音が聞こえなくなったから、これは気を遣って出て行ってくれたか俺が出るのを待ってるかの二択だな、、、とか考えながら用を足していた。俺は便秘につきうんこ一回一回が普通の人より長い。長さじゃなくて時間が。だから用を足し終わった頃にはだいぶ長いこと時間が経っていた。その間、一か八かでふつうにチャポンとうんこの入水音とか立てたりしていたので外に人いたら結構恥ずかしい。さすがにもうどっか行っただろと思って個室のドアを開けたら、ふつうに目の前に掃除のおばさんが立っていた。あー、やっちまったと思うと同時に、いや気遣って一旦どっか行けや、、、ともちょっと思ったりした。とりあえず「すみません、、、」って小声で言いつつおばさんに軽く会釈しながら手洗い場に向かった。自分がうんこしたすぐ後にそのトイレに入られるのちょっと嫌だなとか思いながら手を洗っていたら、背後の方でババアが「やっぱり、、、」って呟く声が聞こえた。6月初旬、梅雨入り間近の雨の匂いがする。
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