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修行の様な練習場

2024年1月20日
Hさんのテニス練習に参加してきた。
母は朝から不在で、父がおり、大工さんが造作に来ている。

前の私ならめちゃ迷ったところだが、サラっと出かけることが出来た。

初参加のコートに到着すると、もう1人のTさんという人がコート内をジョギングをしていた。
挨拶をしてフェンス越しに話しながら入り口まで私も小走り。

自分は初心者であると告げて話しているとHさんも登場。

Hさん対私&Tさんで2時間無休憩(水もなし)で練習し続けた。

普段私が所属しているのは和気藹々とのんびりスタイルのサークルなのでこんな本格的な練習をするなんて驚きだった。

いつも「ギャー」とか「わー」とか言っている私が9割くらいのリアクションは抑えられ、静かにボールに集中していた。

普段なら(相手コートに返す!ラケットは平行に、相手コートに返す!)と何度も心の中で思いながら居るのだが、この時は無だった。

まるで異次元に立っているような、精神と時の部屋にいるような、とても不思議な感覚だった。

難しい高さのボールを無理して取ろうとしてラケットをおでこに強打しても痛みは感じなかった。

私はフォアよりもバックが得意。
いつもなら左手は普通に握るのだが、Hさんの球は重くて早いため、私の筋力では負けることを無意識に知っていたのか左手指をラケットのV字の隙間に絡めて支える力を強化して精一杯の剛力で撃ち返していた。

始まって30分も経たぬ頃に、何故か左の指が痛くなっていた。

11時過ぎにHさんが帰るので幾つかアドバイスを貰った。

バックが得意な私はおそらく眼は右利き。
両指を重ねて片目ずつでみるチェックをすると、どちらも少し動くが左目で見た時により動くのでやはり右目が得意なのだろうということになった。

そんな私は高めのボールでもバックで返している(コントロールはめちゃ悪くなる)が、高いボールをバックで打つのは熟練者でも相当難しいのだという。なので、移動してでもフォアで打つのが良い、と。

あとは打ち込みたい方向に向かって右手のグーを向ける、投げるイメージで。

ラケットの先を動かしてコントロールしようとすると変な癖がつくので上述が良い、と。

お礼を伝えて私も帰ろうとしたら、Tさんは残ってサーブ練習をしていたことから、少しやっていったら?と。良いイメージを残して帰ったほうが良いですよ、と。

体も集中力も限界で急に子供達が悪戯しすぎてじーさんに怒られていないか氣になり出していたが、確かにその通りで、この機会を失するのは勿体なさすぎると思ったので残ることにした。

そしたらTさんは部活のコーチみたいに親切に教えてくれて、入れば良しの風船みたいなふんわりボールのサーブしか打てなかった私が少しシュッとしたものを打てるようになった。

Tさんはとても褒め上手で、どう伝えたら私に届きやすいかも把握している感じだった。
テニス歴は20歳の頃からで45年だそう。

私は初心者であるが故にHさんにもTさんにも教えてもらえて、本当にラッキーだった。

そして、私が所属する地元サークルは楽しくをモットーにしているので、あははおほほと笑いつつも時々真剣にするが練習は超絶短くて(それでも私は長い…辛い)と思ったりしていた。

ところが、ユーモアはなく真剣に打ち合うことを楽しむHさんスタイルが物凄く楽しくて心地よかった。
それは自分の能力の飛躍を実感出来るし、ダラダラせずに次々とボールを送って打ち合いが続いていくから。
まるで延々と続く線路のようだった。

あんなに体を使っているにも関わらず、常に呼吸のコントロールを意識するだけで付いていける。

初見でHさんを見た時は(絶対に絶対に対戦したくない、サーブで殺される…!)と感じていたのに同日にたまたまHさんと組んだことで自分が上達してセットも取れたので、この人は…!この人からもっと吸収したい!と強く思ったのであった。

それを恋と勘違いしたら、Hさんがインフルになり、うちの子も体調を崩して練習は延期され、これは恋ではなく理想の相手の要素の抽出なのではということになりなるほどね!と理想の男性リストあくまでも要素として書き加えたら、突然の流れでHさんと会えることになった。

不思議なものである。

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