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れいわ伊勢崎賢治の拉致容認を許すな
2月11日放送回のNHK日曜討論における、れいわ新選組政策委員、伊勢崎賢治氏の発言が注目を集めています。
最も炎上しているのが中国は戦争していないという主張を展開した「アメリカこそモンスター発言」のようですが、こちらには続々とコミュニティノートがつき、嘘が暴かれている。
#伊勢崎賢治 #れいわ新選組 #日曜討論
— れいわ新選組 (@reiwashinsen) February 9, 2025
【日米同盟 中国は】
先ほども申しました、安全保障のジレンマ。これをちょっと申し上げたいんですけれども。
この安全保障のジレンマって、これ安全保障の専門家なら、立場を超えて誰でも回避したい状況なわけですね。… pic.twitter.com/mdtlg3ktoU
しかし、伊勢崎という人物の重大な問題発言には、多くの人たちが見落としているものがまだ存在します。そしてそこには、れいわ新選組や伊勢崎賢治の不見識と偽善を見ることができるのです。
れいわ新選組という政党は今、議席を3倍に増やし、急速に支持を伸ばす政党です。
しかし多くの人がその本質を理解していません。れいわの基本的な発想に対する理解がないまま減税一本槍で支持だけが広がり、彼らが影響力を増していくことは、日本の存立のためにあってはならないことだと私は考えています。
その危険な本質を表している一例が、まさに伊勢崎氏の北朝鮮拉致容認発言といえます。
#伊勢崎賢治 #れいわ新選組 #日曜討論
— れいわ新選組 (@reiwashinsen) February 9, 2025
【北朝鮮とどう向き合う】
まさに時間がないというのは、その通りであります。だからこそ、我々のマインドセットを少し変えるべきだと思います。… pic.twitter.com/jqMydnRJ5V
この発言は複数の点で論理破綻し、全く合理性を失っていますが、支持者を中心に、「レベルが違う!」、「その通り!」云々とコメントが寄せられています。
伊勢崎という人物は、平和学に詳しい東京外国語大学の名誉教授でありながら、その知識を悪用し素人を誤解に陥れる、悪意に満ちた専門家と言わざるを得ません。
例えば伊勢崎氏が「北朝鮮拉致被害者の帰国を諦めて真実の究明に切り替えるべき」という主張の中で用いている
真実の告白と引き換えに、被疑者と犠牲者家族の和解。これは南アフリカで、いえばいいですね。これは1国で限られてますけど、2国間でこれをやったケースもあります。それは僕は経験した東ティモールと、インドネシアですね。真実の究明と引き換えに国交正常化ということであります。
という2つの例。これをあたかも北朝鮮拉致問題と同列かのように語っているのが伊勢崎氏ですが、実態は全く異なっており、論拠として全く適切でも効果的でもありません。従って彼の主張には、「このような例があるから日本もこうすべき」という論理的整合性が全くないのです。
まず、彼が「南アフリカでいえばいいですね」と言っているのは、アパルトヘイトという黒人差別政策における真相の告白と引き換えに恩赦を与え、被害者家族と和解した、「真実和解委員会(TRC)」です。
大前提としてこれは、加害者である南アフリカ政府と被害者である国民の間にあった問題であり、決して外交問題ではありません。
一方の拉致問題は、加害者である北朝鮮と被害者である日本の間にある問題であり、国家主権の侵害でもあることから極めて重大な外交問題です。両者は前提から大きく違っているといえます。
加えてTRCでは、加害者と被害者の双方が「アパルトヘイト」という問題の存在を認め、ともに解決に向かって進んでいました。双方の歩み寄りです。だから真実の究明には大きな意味があったのです。
しかし拉致問題はそうではない。加害者である北朝鮮は拉致自体を「解決済みの問題」としており、被害者を日本に帰すことは問題を認めることだからこそ最も避けたいのです。
そうした中で「真実の究明」などと称して拉致被害者の帰国を諦めることは、日本の一方的な歩み寄りでしかありません。だからこの問題において、真実の究明には何ら意義がないのです。まさしく金正恩の思う壺です。
専門家である伊勢崎氏は、この基本的な構造の違いを知っていながらそれを説明せず隠蔽し、一つの説得力ある例として利用しています。
的を外した例示は更に続きます。
伊勢崎氏は次に、「僕が経験した東ティモールと、インドネシアですね」と述べます。
これが指すものは、インドネシアの東ティモール占領に関する真実を明らかにするために設置された「真実と和解委員会(CAVR)」、「真実と友好委員会(CTF)」であると考えられるのですが、これも北朝鮮拉致問題と同列に扱うにはあまりにかけ離れている。
CAVRとCTFが設置されたのは、1999年に東ティモールが独立を決めた後の話です。つまり委員会が設置された時点で既にインドネシアの占領は終わっていた。よって真実の究明は、いわば「事後処理」のような形式をとっていると言えます。
一方の拉致問題はどうでしょう。
既に終わった問題ですか?事後処理ですか?
伊勢崎という「平和学専門家」はこうした疑問に対し、「はい、既に終わった話で、事後処理です」と言っているのと同じといって間違いありません。すなわち「拉致問題は既に解決済み」としている金正恩の代弁者なのです。
こうした自説を弄した挙句、最後に伊勢崎氏はこう結論づけています。
で、岸田総理が国連総会でも、新しい時代を開くつもりで金正恩(キム・ジョンウン)氏に会いたいと、発言しましたね、岸田総理がね。それに対して、北朝鮮側の事務次官の金与正(キム・ヨジョン)さんですかね、日本が考えを変えて積極的に話し合うというなら考えると。 その意味で石破さんの掲げた連絡事務所の設置を、はい、支持したいと思います。 で、真実の究明のための、日朝国交の正常化、これを支持したいと思います。
伊勢崎氏は、金与正の主張をそのままなぞり、「日本が考えを変えて北朝鮮と話し合え」と言っています。
考えを変えるとは、日本側が拉致問題解決を諦め、「拉致はありません」ということを意味します。
拉致問題をないもの、解決済みのものとした上で真相を究明しろというのです。(それを忠実に実践しようとしている石破「連絡事務所案」が論外であることはいうまでもない)
しかし、「ない問題の真相を究明する」ということ自体が、そもそも日本語として破綻しています。彼は結論の主張においても論理性に欠け、まるで日本語の体を成していません。
総じて、平和学の専門家と称する伊勢崎という人物が掲げる「平和」とは
・敵の主張を鵜呑みにし、囚われた自国民を見捨てること
・現在進行形の問題から目を背け、どこまでも相手に付き従うこと
です。
そして、専門知識を悪用して関係のない例を関係があるかのように結びつけ、専門家としての信憑性を悪用して無知な一般人を騙す。これがれいわ新選組政策委員伊勢崎賢治氏の実際に行なっていることです。
こうした伊勢崎氏の平和観や学者としての見識に賛同する人は、「レベルが違う!」などと言って絶賛し、れいわ新選組に投票したら良い。
しかし今れいわに関心のある人に中にも、そうでない人はきっといるはずなのです。
「拉致問題は過去のものではない」、「金正恩の思う壺にはまりたくない」、「専門家が専門知識を使って一般人を騙すべきではない」と考える良心の人は、それでも伊勢崎氏の拉致容認発言を許し、新北朝鮮派れいわ新選組を支持しますか?