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座席予約システムの導入
こちらはMoney Forward CorporateIT Advent Calendar 2022 5日目の記事です
初めに
こんにちは、株式会社マネーフォワード CIO室 オフィスファシリティチームの松田と申します。(当社のCIO室では情報システムだけでなくオフィスファシリティも担当しています)今回の記事では座席予約システム(※1)導入に至った背景と3回にわたり運用を変更した体験談を書いていきます!
※1:座席予約システム
クラウドサービスによって名称が変わる、座席管理、ホテリングと称することも有り
座席予約システム導入の背景
当社では原則週1出社を規定しており、全従業員数と同数の固定席を確保せず、限られた席数をフリーアドレスとして有効活用しています。しかし、社員数増加に伴い、「混雑時に席を探すのが大変」「部署メンバーが集まって座れない」などの課題が生まれました。
特に「部署メンバーが集まって座れない」という課題は、せっかく出社しても部署メンバーとリアルなコミュニケーションが取れず、テレワーク時と変わらない働き方になってしまうという課題が発生していました。
上記の課題を解決するために座席予約システムの導入を決めました。
重視したポイント
まず、サービスを導入するにあたって特に重視したのは以下3つです。
代理予約ができる (部署メンバーの席を確保できる)
社員検索ができる (誰がどこに座っているかがわかる)
SSO、SCIM対応している (アカウント管理の人的コストが抑えられる)
どの様にサービスを選定したのか?
座席予約システムのクラウドサービスは多数あったのでレビュー等を参考に15社程ピックアップして、要件に沿っているかHP内で情報収集を実施。記載がない場合は資料請求や営業の方とWEB会議を行い商品知識を集めていきました。
ある要件にはマッチしてるが別の要件にはマッチせず、全ての要件を満たすサービスはなかなか見つかりませんでした。例えば、操作が簡単で直感的に理解できるサービスではアカウントを手動で管理する仕様(SCIM非対応)であったり、代理予約がなかったりしていました。
情報収集から長所短所の整理まで3週間程かかりました。
最終的に国内SaaS1社、海外SaaS2社まで絞り、 当社のやりたいことに一番近かったACALL社の「WorkstyleOS 座席予約機能(ホテリング)」に決めました。
(1)まずはやってみる【一部のみ予約席】
対象:150席 / 東京オフィスの1フロア全450席中
期間:3週間
座席を予約して利用する文化がない当社でしたのでまずは検証として一部の席に導入しました。
また、QRコード読み取り式のチェックイン運用を取り入れ、社員が席の利用を始めるときにチェックインを行うことで実際に利用した情報がシステムに反映されるようにして空予約(※2)防止対策を行いました。チェックインにはスマートフォンアプリ「ACALL mobile」のインストールが必須だったため、卓上に手順書、入退室口に張り紙、チャットでの全社周知を実施しています。
※2:空予約
座席を予約確保したものの、利用しなかった状態。キャンセルをしないことにより誰も利用できない時間が生まれてしまい、利用したいときに席が予約できないケースが発生する
そして、毎朝の立ち合い、予約せず座っている人がいた場合の声をかけ、不具合・質問の受付としてチャット上の専用窓口を用意しました。社員の協力的な姿勢やリテラシーの高さから、手早く使い始めてくださり、想定よりすんなりと導入ができました。
![](https://assets.st-note.com/img/1670206736512-KBN9NRESiA.png?width=1200)
(2)皆に使ってもらおう!【全席予約席】
対象:固定席50席を除いた400席 / 東京オフィスの1フロア全450席中
期間:3週間
一部のエリアでの検証ができたので、次は全エリアに拡大して検証を開始しました。2週間程経った頃に全社向けアンケートを行い、フィードバックをもらいました。アンケート結果はポジティブな意見とネガティブな意見で大きく二つに割れていました。
ポジティブの一例
朝早く出社せずとも好きな席が確保されているので安心して出社できるようになった
部署で纏まって座ることができた
混雑時に席を探さなくて良いので出社しやすくなった
ネガティブの一例
予約とチェックインの手間が増えた
突発で出社したときに予約を忘れる、チェックインも忘れがち
出社回数が多い中で毎日予約を取り続けることが不便 (※連続予約が不可の仕様のため)
(3)当社にとっての丁度いい【予約席と自由席の混合】
対象:固定席50、自由席120、予約席280 / 東京オフィスの1フロア全450席中
期間:運用中(2022年12月現在)
座席予約システム導入前後で出社者数のデータを比較したところ、出社率が増えていることがわかりました。そして、予約せずに座りたい社員が一定数いる結果を真摯に受け止め、全席予約席制を廃止、予約せずに座れる自由席と予約して利用する席の混同運用に変更したところ、全体の満足度は上がりました。自由席でもチェックイン機能を残し、誰がどこに座っているかは検索可能としています。
また、使い勝手を良くするために運用設計で取り入れたアイディアは以下です。
ACALL mobileにMAP画像と席場所を追加
モニタースペックや有線LANの有無を見て席を選びたいという声に応え、席のアクセサリー情報をシステムに追加(席の選択時に詳細が表示される)
スマホのアプリを使わなくてもチェックインできるようにリザーブディスプレイを用意。
予約した席を見つけやすくするために机に島番号のPOPを設置
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最後に
「部署メンバーで集まって座れない」と言う課題に対して当社ではツールを導入し、部署内でのコミュニケーション頻度の向上に取り組みました。
3回の運用変更を経て「自由席と予約席の混同運用」が当社の多様なニーズに応えた運用である事がわかりました。短期間で運用を変え、社員の声を集め、フィードバックを反映させる作業は苦労が伴いましたが、「まずはやってみよう」の姿勢を応援してくれた環境のお陰で導入・運用まで進めることができたと思っています。今後も社員の皆さんにとって快適なオフィス運用を目指していきたいです。
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