今日の管長日記20240923

9月度のイス坐禅会、中秋の名月の日にやったそうだ。

構成、
1.開催状況、当初30名、現在50名
2.イス坐禅の会場について、東京駅の八重洲口から歩いてすぐの会議室、イス坐禅のまわりの部屋では、いろんな企業が会議をしている
3.主催者(老師)のこの会についての感想、「満足」「森のなかにいるようだ」、「今回も私自身がワクワク楽しみにしながら行ったのでした。」
4.ワーク1、紙風船、ポンポンと緊張をほぐす
5.ワーク2、紙風船でノビ
6.ワーク3、ペットボトルを使った肩回りのほぐし
7.ワーク4、足の指、土踏まず、足の裏、足首ほぐし、「足首回しは一番のおすすめです。

8.ワーク5、足の裏の湧泉というツボの刺激
9.ワーク6、みぞおちに手の指をあててみぞおちを緩める
10.ワーク7,丹田に力を満たす。手を軽く握って、小指側で軽く丹田をたたく。
11.ワーク8、仙骨を上下にさする。すぐ上の腰椎五番あたりを前に倒す。
12.ワーク9、鬨の声坐禅、イスに坐ったまま、「エイ、エイ」と肘を曲げて力をためて、手を斜めに突き上げながら、「オウ」と息を吐く。
 (おそらく、この後にイス坐禅をした)
13.法話、休憩
14.ワーク10、立ったまま足踏みなど、足の踵で呼吸?
15.ワーク11、イスに坐って呼吸を調えるワーク、「これは吸う息に重点をおいて、吐く方は自然と出る感じ」(吸うときに何を意識するのだろうか?)
16.ワーク12、目を休ませる
17.イス坐禅
18.「帰り道ではきれいな中秋の名月を拝むことができました。」
19.ホトカミの吉田さん、早速の感想(note)
「都会のビルの一室でありながらも、自分一人ではなく、50名近くの皆さんと集まって、こうして座っていることが、なんか自然の中にいるように感じられました。」は、老師の言いたいことでもあるのだろう。

ワークを確認するため、細かくとったが、(1-3)、(4-17)、(18-19)であることは、簡単だろう。ただ、説明文が多い文章は、聞き流すのが割と難しいところもある。理工学専門書や技術文書で初めに内容構成を明らかにして、その都度、何を説明するのかを初めに言うのは、このためである。ただし、読み聞かせる、など想定していない。

このような文章は、実施記録や報告書といわれる類が、文書的には当てはまりがよいのだろう。その内容を法話的にするのは難しいだろう。尤も実践している人には、なにか気づきとなっているところが文中にあったのかもしれない。
細かい実施項目のことを考えれば、このイス坐禅の方法の設計思想のようなことも見えてくる。

老師による、イス坐禅開催は2023年6月以以来の毎月とある。確かに円覚寺の2023.06.26今日の言葉「イス坐禅」に記事がある。動機についても、その記事に書かれている。その数年前に年配の方との対話で「イスで坐禅は肩身がせまい」とあって、「お寺でみんなイスで坐ろうというのは難しいものです。そこで、敢えてお寺を出て都内の会議室を借りて、実際に多くの皆さんがはたらいていらっしゃる現場でイスの坐禅をしようと思ったのでした。はどこでも、どんな形でもできるものです。もっとも会場を借りますので、それなりの料金がかかります。そこで坐禅会としても会費をいただくようにしました」。
今回で15回目になるのではなかろうか。

足の裏の湧泉は、google検索するとすぐに場所など確認できる。試してみるべし。イス坐禅は「両手の親指を足の裏の湧泉というツボにあてて息を吐きながら、全身を前に倒すようにして湧泉を刺激してゆきました」という方法。

鬨の声坐禅については、『驢鞍橋』巻下百十(円覚寺の今日の言葉2024.07.11「ときのこえ」)、おそらく、『日本の禅語録十四 正三』(鈴木大拙の岩波驢鞍橋ではなさそう)」
「一日去処にて示曰、仏法と云は万事に使ふ事也。殊に武士は鯢波坐禅を用べしと云て、自ら鯢波を作給。其座に不三有、ひしと此機を受。師、後に其意を聞て肯之。」
「ある日ある所で、「仏法というのは万事に使うことである。ことに武士は鯢波坐禅をなすべし」と言って、自ら鯢波をなさった。その座に不三がいたが、ひっしとこの気質を受けた。師匠は、後に其の心意を聞いてこれを印可肯定された。」
なお、大森曹玄『驢鞍橋講話』にこれを題材にした法話ははいっていない。

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