トイレのリフォームこぼれ話
築19年の小さな我が家。
子どもは進学就職して、家を出ている。
入れ替わりに老親が転がり込んできた。
からの巣症候群になる暇はなく、それから3年間、毎日が闘いだった。
例えば、こんなふう。
50を過ぎた娘の帰りが遅いと言っては、ギャンギャン電話してくる。
食べたいものを買って帰るとこんなに作ってるのにおかしいと文句を言われる。
そんなストレスフルな同居を解消して3年が経とうとしている。
日々は静かで、夫婦2人には部屋が多すぎる家になった。
それぞれ色々な場所で過ごす。
誰にも干渉されずに好きな1日を過ごして、夕方早めに集合してお酒を酌み交わす。
小さな愛犬をかすがいにして、笑顔で毎日を過ごしている。
あとは、ゆっくり余生を過ごすだけ。
と、思ったら大間違い。
次から次へと頭を悩ませる出来事はおこる。
19年を経た小さなマイホームは悲鳴をあげ始めた。
トイレが壊れた。
水を流すたびにタンクからポトポトと水が落ちる。
給水のパイプが破損しているようだ。
さもありなん。
19年間、水を流し続けてくれたパイプだ。
多いときは5人が住んでいて、毎日毎日水圧を受け続けてきた。
あきらかに経年劣化だ。
修理することも考えたが、新品のタンクレストイレに交換することに決めた。
それには理由がある。
19年前、建築費を少しでも切り詰めたくて、トイレは旧式の大量に排水して流すタイプを設置した。
構造も複雑で、掃除がしにくい。
展示品を見に行って、一発で決めてしまった。
節水タイプだし、真っ平らで掃除しやすい。
あのふちの裏に指をつっこむ掃除は必要ない。
2軒見て回って、最初に展示品を見たお店に決めた。
とにかく、毎日水がこぼれている。
しのごの言ってる場合じゃない。
さあ、取り替え工事の日がやってきた。
業者さんは感じのいい若い夫婦。
わんこも可愛がってくれて、猫を5匹飼っていると世間話をしている間に事件はおきた。
トイレから古い便座を外して運んできた男性。
「この便座のもこもこシート、どうします〜?」
「ああ、そのウォシュレット、2階につけるんでそのまま置いといてください。」
「え!」
さっと青ざめる。
「コード切っちゃいました」
「は?」
意味わからん。
「電源コード切りました」
と断線したコードを見せられた。
なんてこと❗️
しまった❗️
猫が5匹もいたら大変ね、なんてどうでもいい話をしている場合じゃなかった。
とっとと、ウォシュレットは使いますって言っとくべきだった。
「あ、つなげます。結線します。大丈夫です。」
トイレ設営とは関係ない、面倒な電源ケーブル接続の作業が始まった。
地べたにはいつくばって、腰のつらそうな作業だった。
若い人でよかった。
カエルを飲み込んだヘビのような電源コードができた。
ビニールテープでつなげたところをぐるぐる巻きにしているので、おなかがふくらんだヘビだ。
コンセントにつなげると、無事にウイーンと洗浄パイプがお目見えした。
一同ほっと胸をなでおろした。
ついでに2階に取り付けて行ってくれないかなあ、と期待したがすげなく旧ウォシュレットは置き去りにされた。
遅れた作業を取り戻そうと業者さんは必死。
ただ、ナットにつなげるパッキンは新しいのをくれた。
後日、もたもたと2階のトイレに自力で取り付けた。
新しいトイレはリクシルのタンクレストイレ。
ふたはオートでは開かない。
めったに閉めないので別にいい。
使って驚いたのが、自動洗浄というもの。
あんまり急いで決めたので、機能に無頓着だった。
立ち上がって、1分ほどすると自動で水が流れる。
なんて便利なんだ!
このトイレに慣れて当たり前になる日が来るのだろか。
人は宝くじに当たっても半年たつと、その幸福感は消えてしまうらしい。
まだ一か月ほどだが、毎日トイレが幸せ。
掃除がとても楽。
いつでもきれい。
パイプを直さずに、買い替えてよかった。
こんなに快適になるなんて。
気になる費用は20万円弱。
でも19年も旧式の不節水トイレを使ってきたから、いいかななんて。
サスティナブルな時代に合わせないと。
ていうのは、言い訳だけど。
次のトラブルは電気温水器。
おそろしい電気代をはじき出す大物を替えなければ。
もうこれが、毎週見積もり書とにらめっこしていて、どうにも進まない。
その経過はいずれまた。
ʕ•ᴥ•ʔ
今日は冷たい雨がしのつく寒い日
予報の気温は高いのに体感は寒いまま。
視界は灰色におおわれている。
外は冬の雨
まだやまぬ
この胸を濡らすように
「氷雨」
とまりれん作詞作曲