映画】『ドラキュラ デメテル号最期の航海』
予告ポスターが貼られ始めた頃、「ドラキュラ」の文字はなかった気がするのですが、わたしの気のせいでしょうか?
「デメテル号」と見て、すぐにドラキュラ伯爵を想像するのはドラキュラ映画好きか、ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」ファンかですよね。
ドラキュラ、登場しますよ。
黒燕尾にマントの見目麗しいドラキュラ伯爵ではなく、映画「ノスフェラトウ」に近いバージョンです。なので、かなり不気味です。後半では生き血の補充が追いついたのか、腕から胴体にかけてコウモリの羽のようなものが出現し空も飛びますよ。両腕を広げた姿は巨大コウモリで人間より腕が長いので、より大きく見えます。遠目で見る全体像は均整が取れていました。
デメテル号は貨物輸送を生業とする帆船で、小説「ドラキュラ」でドラキュラ伯爵(モデルはワラキア公国の公主ドラクル公なのでドラキュラ公爵にして欲しかった)が、ルーマニアからイギリスに渡るときに乗った船の名前です。夜しか活動出来ませんから貨物として木箱に入れられて積み込まれました。
その辺りはこの映画も同様です。十字架は「血を吸う魔物」の弱点ではありませんでしたが、日光にあたると焼けてしまいます。
この映画での吸血鬼を「ドラキュラ」とは呼びたくないので、以降「血を吸う魔物」と書きます。
ブルガリアの港町からイギリスに向けて出向するデメテル号の船長は船乗りを3名追加します。屈強な男を選びますが、うち1名黒人の賢そうな男性は医学部卒業のエリートです。(黒人初の(オックスフォードかケンブリッジか忘れたが)医学部卒業生)残念ながら船医はいらないということで外されます。
荷物をクレーンで運び入れていると、船員のひとりが木箱に付けられたドラゴンの紋章に気づき、「これは悪魔の印」だと言い船を降りてしまいます。彼はルーマニア出身で、魔物の印だから災いが起こるという迷信を知っていたようです。
逃げた船員の代わりに黒人医師が乗り込むことになります。(前段で船長の孫を彼が助けたのも理由のひとつ)
この黒人医師が主役で唯一の生き残りとなります。
船はイギリスを目指し出港します。順調な航海が予想され、予定より早く着くことも可能な風向きでした。船員たちは早く着くとボーナスが出るので、その使い道を話したりしていました。
残念なことに、早く着くどころか命の危険が迫ってきます。
積み荷から衰弱した女性が発見されます。
船乗りには女性が船に乗っていると海は荒れ船が沈むという迷信があり、彼らはそれを主張し女性を海に放棄することを主張します。
それを救ったのは船医でした。件の黒人船医は輸血を施しながら彼女を回復させていきます。
女性は「血を吸う魔物」が航海中の餌にするため荷物に紛れ込ませておいたのです。しかも出身地の村が「血を吸う魔物」と契約し、村を襲わない代償として差し出された生け贄でした。但し、回復した彼女曰く、村人は食べ尽くされ(生き血を吸われ殺された)村は消滅したそうです。かっこうの餌場がなくなったので、「血を吸う魔物」は餌が多いイギリスに渡ることにしたとも言っていました。
彼女の発見を皮切りに、船員の食料になるはずだった家畜が一夜にして全て殺されます。船長の孫が船内で飼っている大型犬が狂犬病に感染し、家畜を襲ったと船員たちは考えますが、犬も家畜も血を吸い尽くされたことによる失血死でした。
遂に人間に被害が及びます。
夜警当番の船員が朝になったら行方不明であることが判明したのです。
ただ残念なことにその夜は海が大荒れだったため海に落ちたと結論づけられました。
しかし次の夜、当番の船員が何かに襲われ大けがを負います。船医だけは首から肩にかけて残る噛み傷に気づきます。
この船員はなんとか命を取り留めますが、日が沈むと異変が起こります。治療台から落ちないよう結ばれていたロープを引きちぎり、起き上がった船員の瞳はねずみ色一色に・・・。
「血を吸う魔物」に生き血を吸われた者は同じように生き血を求める魔物になってしまうのです。船長の孫を襲うも捕獲された船員は甲板でマストに括られます。生き残っている船員たちが見守る中、夜が明け、太陽が水平線に顔を出すと、断末魔の悲鳴とともに身体は焼けおち黒墨と化したのです。
船員たちはこの船に得体の知れない何かが乗っていて、夜ごと自分たちを殺そうとしていることに気づきます。
「血を吸う魔物」を見つけようとしますが見つかりません。夜は2名体制にしますが、ひとりふたりと襲われていきます。
生き残りが4名になったところで、船に火を付け、魔物ごと船を焼き、船員たちは救命ボートで脱出する作成を決行します。
「血を吸う魔物」と戦うわけですが、(なぜ昼の寝ているうちにとっととやらないと言いたいところです)残念ながら彼らの目論見を失敗に終わります。
飛行可能な魔物はデメテル号から脱出してしまったのです。
最終的に生き残ったのは黒人医師と助けられた女性の2人。
船を捨て、浮き具代わりの帆とマストの一部と共に海を漂います。そして朝日が昇り出すと彼女は輸血により遅れてやってきた変異(本人はそのことに気づいている)によりを見つめながら燃え尽きるのでした。
1人イギリスに到着できた医師は木箱に書かれた受け取り先の名を頼りにその地を目指します。パブで食事をしていると、力強い杖を突く音に気づき、
音のする方を見やると、ハットを目深く被った紳士がこちらを見ていました。
それはすっかり人型となり、ブルジョア風な装いをした魔物だったのです。
無人になったデメテル号は嵐で難破した状態でイギリスの海岸に漂着します。
村人が単眼鏡で難破船を見つけ、警察に連絡しろと指示する場面があるのですが、その指示を出した男性がハリー・ポッターに出ていた俳優さんだったような気がしました。
一瞬だったので定かではありませんが、ヴォルデモートの部下だったような・・・
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