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ホロスコープ2等分から読み解くセミスクエア【西洋占星術】
こんにちは。思い付きの理論を雑多に書こうと思います。この記事の目的はハードアスペクトであるオポジションとスクエアから360°の2等分、4等分、さらには8等分からどのような性質が、そしてそれらを導くルールを明らかにすることです。
したがって、まずオポジションとスクエアをそれぞれ分析し、それらの関係をハーモニックチャートの観点から考察し、そこから関連性の高いマイナーアスペクトであるセミスクエアを考えます。
※この記事はあくまで一個人の一つの解釈であることをご了承ください。
オポジションとスクエアは似ているのか?
そもそもことの発端は私のツイートです。
石を積み上げているときにそれが、あるいは何かによって不意に、崩れてしまうときがある。いかなるときも中立的に現象を観察し洞察を得ようとする姿勢が重要であり石の数に囚われてはいけない、という気持ちを持ち続けたい。気を抜くと直ぐに石を数えようとしてしまうから……(自戒)
ここでなんとなく(あれ?この光景イメージしたらスクエアっぽくない?)と思いました。
つまり、予期せぬタイミングで石を崩されてしまった(トラブルに見舞われた)ときにどう振る舞うか、ということです。
発生現象に対する推察/省察(振り返り)▶︎仮説/対策の打ち立て?(事後処理)
結論を述べますと、同じハードアスペクトであるオポジションとスクエアはその性質、困難である要素が異なります。
オポジションとは何か
まず、オポジションとは何かというと、360°の半分である180°の角度を2天体が成している位置関係を表します。そしてそれは本人にとって緊張を表すハードアスペクトになります。
なぜコンジャンクションとは異なるハードになるのでしょうか。(コンジャンクションももちろんハードになりうる)
それは、コンジャンクションとの関係にあると考えられます。
ハーモニクスチャート上でオポジションになるということはそのチャート上でコンジャンクションであるときの意味の否定がなされると思われます。
つまり、よく知るネイタルチャート(HN1)ではコンジャンクションはその人そのもののあり方、全体性の要素を示していると思われますが、そこでオポジションになるということは、その人がそのままそうであることを否定していることになります。
これがどのような意味を表すのかというと、現実世界では自分一人が自分思うままに振る舞うことはできません。必ず他者の存在がその人の居る空間に介入してきます。
そこでは自分をあるがままに満たすだけではなく他者の要求にも答えなければなりません。したがって自分の行いが他者に知られなければなりませんし、それが客観性を持たなければなりません。お互いを可能な限り満たせるように行為に目的を持たせる必要があります。そのために評価者である他者、あるいは外界の存在を必要とします。これがそのままネイタルチャート上でのオポジションの意味になると思います。
この否定という考えを応用してみましょう。つまり今度はオポジションがコンジャンクションになるHN2のチャート上でのオポジションはネイタルチャート上でのスクエアになります。
スクエアとは何か
さて、いまオポジションの視点を獲得しているとして、私達は行為に客観性を持たせ、目的を設けて他者の存在を踏まえそこに向かうように勢いよく努力をします。目的があるからこそ勢いがあるのです。
しかし、この考えだけでは上手く行きません。HN2上でオポジションとなっているため否定されます。
ではそれがどのように現れるのか。
おそらく単純に目的が達成されないのだと考えます。それは、自分のせいでも相手のせいでもありません。バランスには常に配慮しているからです。では、それは誰のせいなのか。おそらく無関係な第三者です(あるいは人でもないのかもしれません)。あまり関係がないからこそ意識に上ることがなく、妨害が入ることに最後まで気づかなかったのかもしれません。
なぜ上手くいかなかったのか。それは目的に集中しすぎたこと、勢いが良すぎてしまったことにあるのだろうと考えます。
見通しの良い交差点での事故をイメージするとわかりやすいのかもしれません。
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なぜ見通しが良いのにも関わらずこのような事故が発生してしまうのか、それは進行方向だけを見ていてほかの車が来ている可能性を考慮せずスピードを緩める警戒を怠ってしまうからです。
スクエアもちょうどこのようなものだと捉えます。
つまり、目的だけを見ていてほかの人が自分に接近してくる可能性を考慮せず勢いを強めすぎてしまうがゆえにトラブルを招いてしまうという意味での妨害だと考えられます。
このようなトラブルが起きて初めて人は自分の行いを振り返り、何が良くなかったのかを分析し、今後は同じ過ちを犯さないように改善し勢い余ることを避け今後の問題に備えるのでしょう。
したがって、スクエアでは目的第一主義が招いたトラブルを通じて反省し、過去を振り返り暴走しないように謙虚さを身につけるアスペクトと解釈できると考えます。あるいは暴走しないためのセーフティ機能だとも考えることが出来そうです(天体にもよる)。
セミスクエアの導出
さて、コンジャンクションを起点としてオポジションとスクエアを導くことが出来ました。そこで同じように今度はスクエアからセミスクエアを導きましょう。
セミスクエアとは、45°(「 ∠ 」と表す)のアスペクトでハードアスペクトとされています。その性質は、ルル・ラブアによれば、
困難を意味し、摩擦を示します。
とされますがこのままでは漠然としているため天体同士の繋がりがどう現れるのか理解することが難しいです。
西洋占星術上ではスクエアとは基本的に横槍、突然の妨害を表します。片方の天体を使っていると突然もう片方の天体によって妨害が入るので、ここにストレスを感じたり葛藤に繋がるわけです。なぜかと言うと、スクエアの関係となるサインはオポジションとは異なり、三区分だけが同じであるからです。両方とも柔軟宮ですが女性星座と男性星座とに分かれます。
したがって状況に相対する態度は同じなのにも関わらず目的が異なるためオポジションのように一丸となって目標にエネルギーを向ける事ができません。片方が活動状態にあるとき、もう片方は活動停止状態にあるわけです。それが交互に変わることで衝撃が加わります。そのため場当たり的対処によって異なる対処法を習得していく形になります。対処出来なければ本人の中で能力の強い不足感を覚えるのかもしれません。そしてそれが本人の対処能力への渇望を掻き立て技能習得などのモチベーションを促進するかもしれません。そういった意味では有用なアスペクトとも言えるでしょう。
しかし、セミスクエアはスクエアの半分の角度です。すなわち、HN4上でオポジションのアスペクトを形成しますから、スクエアの否定になります。
スクエアのときにオポジションでは上手くいかなかったように、スクエアの振る舞いでは上手くいかないことを示すことになります。
つまり、場当たり的に問題にぶつかり、その都度事後的に対処法を身につけて次問題がきた時に同じように対処するやり方では上手く行きません。
ではどうすればよいのか。その場その場でどう対処するか考えるのではなく、事前に備えておく必要があります。次にどのような問題が来るのだろうか、場当たりで上手くいかないのだからそれはきっと大きな壁がくるだろう。それは自分にとって越えられる壁だろうか、そうだとしたら何を準備したら良いのだろうか、といった感じで、後に待ち構える問題を想定して危険予測を行い、それに対処できるように先手を打っておくのです。当然、このような芸当を成し遂げるためには問題がやってくるという予測をしなければならないわけですから、焦りを感じます。そして主観的にスクエアでは対処しきれない(大きな)壁を現実に予測する、ないしは予測しなければならないのですから、それはプレッシャーとなってその人の心理に訴えかけるわけです。
ハーモニクス占星術側から確認
さて、ここまでは持論を展開しましたが、セミスクエアがHN8での合であるから、HN8の視点を確認してみたいと思います。今回も神谷充彦の『ハーモニクス占星術』(説話社)を参照します。
まず、第8調波のテーマは、「物事の円滑な成就、リーダーシップ」です(p.139)
そして結論部分には次のように書かれています。
(中略)ハーモニクス占星術における第8調波は、 「周辺状況を味方につけて物事を円滑に成就する力」や「リーダーシップ能力」を表すことになります。
第8調波に発芽天体を持つ人は、他者からの信頼を得て権力を握りやすいといえます。また、物事が自ずと円滑に運ぶ傾向があるため、分野を問わず成功者となりやすいでしょう。
特にビジネス分野ではその資質を有効に使えます。その力は本人の意図とは関係なく発揮され、不思議な縁に導かれて権力への階段を駆け上がっていく人も少なくありません。
これと先程までの私の解釈の関連性を考えます。
先に述べた、
後の問題を想定した危険予測
それに応じて先手を打つ
プレッシャーの認識
これらの要素からビジネス分野への資質や権力、リーダーシップといった要素への繋がりは比較的容易に連想できると考えます。
当然ですが、組織や集団というのはある目的を持ち、それに準じた人々で構成されています。
そして集団には役割を持った構成員がいて、それらを統率するリーダーがいます。
では、リーダーにはどのような資質が求められるのでしょうか。
それはおそらく、集団の活動に方向性を与えること、すなわちビジョンを掲げること、集団を迫り来る危機から守ること、そこからあらかじめどうすれば良いのか、具体的な方法や手順を構成員に示すこと、そして集団を率いるプレッシャーに耐えられることだと考えられます。
これらは先ほど説明したセミスクエアの要素に一致しており、したがってここから第8調波(HN8)の物事の円滑な成就やリーダーシップに繋がってくると言えます。リーダーたる資質を持ち合わせていれば必然的にそれに付き従う味方や部下がいるはずだからです。先見の明と人望に優れる人は権力を持っていて然るべきですね。
結論
オポジション、つまりある角度を半分にするということは前の角度の否定、上手くいかない状況や場面を示すというルールを考えられる
コンジャンクションからオポジションを導いたように、先の方法によってオポジションからスクエアを、スクエアからセミスクエアを理解し解釈できる
オポジションは他者あるいは外界の環境との関わりの必要性、目的意識を促す
スクエアは目的至上主義による暴走のストッパー。トラブルを通じて対処法あるいは能力と謙虚さを身につける
セミスクエアは今後起こりうる危険を予測し、あらかじめ対策を講じる。プレッシャーに晒されるが、それに耐えうる資質の可能性
私は、これらの解釈と公転周期の長い天体から短い天体へと一方的に影響を与えるという2天体の関係性の理解から、各個人のネイタルチャートに存在するセミスクエアが意味することが読み解けるのではないかと思っています。
この一連の解釈によってセミスクエアというアスペクトがどんなものなのかの理解に少しでも助けになればとても嬉しいです。
ありがとうございました。
参考文献:
ルル・ラブア『アスペクト占星術』(学習研究社)
神谷充彦『ハーモニクス占星術』(説話社)