PR戦略で中小企業の資金調達を成功させる方法
急速に変化する融資環境
お金にまつわる小さな会社の課題
近年の経済情勢では、金利ゼロ解除により資金調達が一層困難になっています。その背景には、大企業との比較での信用力の低さ、担保の少なさなどがあります。
●信用力不足:
大企業に比べて実績や信用力が乏しい為、金融機関からの融資を受けにくく、お金を集めにくいです。
●担保不足:
担保となる不動産や資産を十分に保有していないことが多く、融資の障害となります。
●赤字経営:
収益性や財務状況に問題を抱える赤字企業は、金融機関の審査に通りにくくなります。
●自己資本の少なさ:
自己資本が小さいため、一時的な要因で債務超過に陥りやすい面があります。
●企業情報の不足:
大企業に比べて企業情報の開示が限られており、金融機関が融資判断に必要な情報を入手しにくいという問題があります。
●直接金融の難しさ:
株式発行など、直接金融が難しい傾向にあります
資金集めの必要性が急増する背景
さらに、物価高騰や人材不足といった要因が企業のコストを押し上げ、資金の確保が急務となっています。中小企業は、これまで以上に効率的に会社のお金を調達する必要があります。
●続く物価高:
日本銀行の予想では、消費者物価は2024年度が前年比+2.5%、2025年度が+2.1%となっており、企業の調達コストもアップします。
●人材不足は常態化:
帝国データバンクの調査では、2024年1月時点で52.6%の企業が人材不足を感じています。東京商工リサーチの調査では、倒産社数は前年同期比で116.4%増※2024年上半期(1-6月)。
●迫られる賃上げ:
人材不足の影響もあり、2024年の春闘では、東京都内の資本金1億円以下の企業を対象とした調査で58.2%が賃上げを予定し、28.5%が4%以上の引き上げを予定しています。
お金を集めるための中小企業のメディア戦略
広報活動による信頼性向上
PRは、小規模な会社であっても社会的な評価を高め、企業の資金調達において有利な条件を引き出すための基盤を築きます。企業活動を日本全国に知ってもらう最適の手段です。資金確保を阻害する「信用力の低さ」と「企業情報の不開示」という問題を解決・緩和できるからです。
資金獲得をスムーズに進める広報の役割
銀行などの金融機関を通じて資金を調達するためにも、企業の成長性や透明性を訴えることで、融資や投資を得やすくなります。
● メディアによる企業活動報道:
テレビや新聞など信頼性の高いメディアで企業活動が報道されると、信用力が大きく向上します。なぜなら、メディアは取材に先立って企業を詳しく調査し、不正の有無や成長の可能性を精査するからです。もし取材後に問題が発覚すれば、広告収入が減りメディアにとって大きな損失となるため、慎重に報道します。
● クラウドファンディングによる資金確保の実績:
クラウドファンディングは商品需要を証明する有効な手段です。また、メディア露出の実績をクラウドファンディングのプロフィールに記載することで、支援者の信頼を得やすくなり、金融機関の信用を高める効果があります。
● 商業出版による認知度向上:
商業出版は、企業や個人が専門家として認められた証となり、認知度を高める効果があります。特に、メディア実績を活用した出版企画は、出版社の評価も高く、成功の可能性が高まります。実際、ある離婚相談カウンセラーは、テレビ番組での露出後に複数の商業出版に成功しています。
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資金確保するために小さな会社がやるべきたったひとつのこと
企業のビジョンとストーリーの発信
おなじ広報活動でも、大企業と小さな会社では方法が違います。
大企業は、資金力・資産・パートナーが信用の源です。上場企業は経済紙を中心に取り上げられやすく、記者会見で製品発表すれば、メディアの報道は難しくありません。
しかし、ほとんどのテレビ番組は取材する会社の大小を気にしていません。
なぜ零細企業が全国ネットテレビから取材されたか?
NHK朝の「おはよう日本」の経済コーナーで、零細企業を取り上げています。私が手掛けた肥料製造・販売の椿産業様も、農家支援がこの番組に取り上げられました。私の友人の理容師さんも、発達障碍児の支援でこの番組に取り上げられました。また、2万円のチーズケーキ製造販売会社は、日本テレビに露出しました。この会社は数店舗の企業です。
では、なぜ小さな会社が取材されるのでしょう?
それは、あなただけの物語です。
あなただけの物語こそが広報の本質な訳
企業の数は368万社。社長それぞれに物語があります。それぞれ、事業を始めたきっかけも、事業そのものも違います。テレビ番組が最も重要視するのは、あなたしかない物語。そのあなたの物語と社会との関わりが中心です。
あなたの物語と社会との関わりを中核として、あなたの事業を伝えるのがメディアです。
ですから、すべての企業はメディア露出のチャンスがあると、私は確信しています。
信用獲得は社会性の徹底追及がすべて
小さな会社には大きな経営問題があります。
それは、信用性の欠如です。
その原因は、社会性の未認識です。それは、あなたの会社の社会での役割が知られていないことです。なぜ、他でもないあなたがこの事業をするのか?事業は社会をどう変えたいのか?
そして、なぜ、明日ではなく今なのか?です。
社会性の認識は、経営問題です。なぜならば、信用性を毀損するから。
従って、これは社長が行うべきです。
あなたの会社が世の中を変えていることを認識してもらうために、社長は50%の時間を投資すべきです。
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資金確保に成功したスモールビジネスのPR戦略3選
テレビ露出で資本金60億円
全国ネットのテレビ番組に取材されたあと、資金調達に成功した企業は多いです。最大の成功例は、CB Cloudという、運送で荷主とドライバーをマッチングするサービスです。
2017年にプレスリリース発信後、次々とテレビに露出しました。
● 2017年に日本テレビZIP!取材
● 2018年にテレビ東京モーニングサテライトからの取材
(CB Cloudのメディア実績はこちら)
その後、第三者株式割り当てで資本増強しました。
●2017年:資本金100万円
●2019年:12億円調達
●2021年:60億円に資本増強しました。
(CB Cloudの資本増強成果はこちら)
農家がクラウドファンディングで460万円集めた方法
もう一つの例は、栃木県宇都宮市郊外で梨を育てる阿部梨園です。2017年にクラウドファンディングを行い、約460万円を集めました。(阿部梨園の実績はこちら)
クラウドファンディングの2年前からパブリシティーをこつこつ続けて、テレビ朝日の「ワイド!スクランブル」、地元の下野新聞、NHK宇都宮の取材を受けています。(阿部梨園のメディア実績はこちら)そのあとも、毎年5~6件のメディア取材を受けています。
話し方トレーナーが1.2億円集めた秘密
話し方トレーニングサービスのKAEKAは、2019年設立以降、積極的な広報を続けており、メディア出演も多数あります。
●2022年以降広報に注力:noteとプレスリリースの2本立て。noteで、顧客へのインタビューと社員の活動紹介
●月1回ぺースで情報発信:プレスリリースとnoteは月一回ペースです。その結果日経新聞やフジテレビといった大手メディアの取材も多いです。(KAEKAのメディア実績はこちら)
●資金調達:2022年には、シードという方法で1.2億円を調達しています。(KAEKAの実績はこちら)
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お金集めを成功させるPR実践7ステップ
資金調達を成功させるためには、単なる資金集めではなく、企業の信用力を高めることが重要です。以下に、小さな企業が広報を活用してお金を集めるための具体的なステップを紹介します。
1. 戦略の立案と実行ステップ
広報活動の第一歩は、自社の強みやビジョン、創業時のストーリーを明確にすることです。企業としての信頼性を高めるために、企業の使命や社会的な役割を具体的に伝えましょう。
2. お金が自然と集まる会社情報の書き方
意外に感じるでしょうが、パブリシティーの最重要事項は会社情報です。
会社情報には、あなたの会社が社会をどう変えるか?それを書くべきです。
なぜなら、会社が政府から認定され税金の優遇措置を受ける唯一の理由は社会的な意義だからです。
もしも、会社情報にお金儲けや表面的な利益のノウハウ書かないなら、広報はしない方が得策です。社会性ゼロです。
3. 1.2億円を集めた会社情報の読み解き方
書くこと、話すことの達人であるKAEKAの千葉さんが作った会社情報を分析すると、何を書くべきか100%理解できます。
(A)会社のテーマ
(B)社会問題
(C)何を使って社会を変えるか?
(D)社会のちいさな変化
(E)私の物語
(F)社会変革への決意
テレビに出られる会社情報の書き方は、後日ブログを起こします。
4. プレスリリースとSNSの活用
プレスリリースを通じて、企業の最新情報や成果を発信します。また、SNSを活用して広範なオーディエンスにアプローチし、企業の信頼性を高めましょう。
前項の(B)と(C)について、自社が、今どんな活動を行っていて、どんな成果が出ているか、それを情報発信します。どんな小さな変化でも良いのです。
重要なことは、会社情報からズレないことです。
例えば、KAEKAがSNSでの集客サービスを宣伝したとしたら、会社情報からズレてしまいます。そうならないためには、社長であるあなた自身が従業員やパートナーに対して、自社の会社情報を具体的に伝え、理解してもらっていることがとても大事です。これは、他の誰にもできない重要な活動です。
年度初に計画を定めて、できれば毎月情報発信することがベストです。また、noteで日々の活動を伝え、反応の高い記事をプレスリリースにすると効果的です。
5. メディアへの効果的なアプローチ
次に、ターゲットとするメディアに対して効果的にアプローチする方法を学びます。中堅企業がお金を集めるためには、経済紙やビジネス誌への露出が有効です。
取材リクエストをもらったディレクターや記者のリストを作ります。イベントの際には、真っ先に伝えましょう。取材してほしいメディアには、他の誰にも伝えていない情報を提供してください。
経営計画書の中で最重要のテーマを選んで、効果のあるメディアに向けて情報発信します。たとえば、あなたの顧客層が年商1億円以上の経営者であれば日経新聞、個人事業主や個人の方を対象にするなら、インターネットメディアやラジオといったメディアの選択が大事です。
6. 広報エージェントの活用
効果的な情報発信を実現するために、専門のエージェントを活用することも検討しましょう。広報活動による資金集めをサポートするプロフェッショナルなエージェントの選定が鍵となります。
様々なお客様にインタビューしましたが、自社でのPRではどうしても盲点が生まれます。自社商品が最も優れていると思い込んでしまうのです。その結果、リサーチ段階で他社のメディア露出を公平に観察できないのです。
従って、利害関係のない専門家にリサーチを依頼するのがベストです。私も含めて専門家は、公平にリサーチします。そしてメディアに出る法則に合致してるかどうか?あなたの会社を評価し、有効なパブリシティーを提案します。
7. 成果の測定とフィードバックの活用
広報活動の成果を定期的に測定し、改善点をフィードバックとして活用します。これにより、中小企業が持続的に資金を集めることが期待できます。
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まとめ:PRによる信用力強化が資金調達のカギ
● あなたの会社がお金を増やしたいならば広報を先に始めてください
● パブリシティーで成功している類似企業をリサーチしましょう
● リサーチ結果をもとに、自社の会社情報を作り直してください
● 作り直した会社情報をもとに活動をスタートします
● メディアとの関係を築きましょう
● メディア実績をホームぺージに掲載しましょう
● 計画書にメディア実績をしっかり書きます
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