社会問題解決型PRの勧め
社会問題解決型PRとは何か?
人材不足が慢性化しています。人材不足要因の倒産件数は前年同期比60%増加しています。(※)
※東商リサーチ調べ
ある地域やある業種での人手不足問題解決は、他の企業にとって喉から手が出るほど欲しい情報です。日本全体で問題解決する道筋を与えるからです。他業種での成功例を自社に応用できれば、こんなにうれしいことはありません。
解決の実例を社会に伝えることは、解決策を社会全体に提案し、応用策を増やすことで社会を良くする効果があります。社会に解決策を提案するPRを、社会問題解決型PRと名づけ、その実装例を紹介します。
人手不足の例
企業の人材不足は、正社員・非正規社員とも高止まりし、正規社員人材不足の企業の割合は2020年から60%増、人材不足による倒産件数は前年同期比60%増加しています。この背景には、女性が働きにくい労働環境と低賃金といった問題があります。
その原因のひとつは女性の低賃金と労働環境の問題です。
・女性の就業率は男性より10%低い73.3%、賃金は男性を100として75です。また、労働時間は、男性より20から25%程度低いのです。(※)
※総務省調査より
女性の労働環境改善が人材不足解消のカギ
もし、女性の労働環境の問題を解決できれば、社会にとって大きな価値があります。冒頭に述べたように、限られた地域や限られた業種であっても、自社に応用することで、人材不足を緩和できるのです。
つまり。女性の労働環境問題は、社会的なニーズがあり、解決実績がある企業は、価値のある情報を持っているといえます。「価値がある」ものとは、下記3条件を満たすとき、発生します。
・自分は持っている
・他人は持っていない
・他人が欲しがっている
人材不足の解決実績は、まさにこの条件に合致します。ひとつの解決パターンとして、女性の労働環境があります。
もしも、あなたの会社が、女性の労働問題について解決実績があるなら、「価値がある」情報として、お金を生むことができます。その方法の一つはPRです。
PRは、社会的な問題の解決実績を、メディアを通じて日本中の企業に発信する方法です。あなたの会社が、テレビで女性の労働問題解決の実績を伝えれば、企業としての社会的信用が高まります。
社会的信用は、お金になります。
・商品にプレミアムが付き、単価が上昇
・資金調達が容易になり、金額が増加
・人材確保はさらに容易になります
社会問題解決型PRの提案
女性の労働市場参画を解決する企業の新たな仕組みを提案することで、企業自身の知名度を上げ、社会的信用を生み出します。
・自社がすでに解決した、女性労働問題の解決による人手不足解消を社会に伝える
・他社に解決実績と方法を伝え、他社が応用することで人手不足解消を社会に広げていく
・メディアを通じて活動を社会全体に知ってもらうことで、あなたの会社の知名度があがる
・メディア露出の実績を、販売・物やお金の調達・人材確保で生かすことができます
人手不足解決のPR例
・ソフト開発者向けプラットフォームGitHub
交渉ベースの賃金決定や働く場所と時間の自由裁量を実現したスーパーフレックスタイムの制度があります。
・株式会社ユーザーベース
「SPEEDA」や「NewsPicks」などのサービスを提供しているユーザーベースでは、勤務時間だけでなく、働く場所も自由にした「出社の概念がない」スーパーフレックス制度を採用しています。
・アメリエフ株式会社
遺伝子解析に関するシステム開発などを行っているアメリエフ社は、コアタイムを廃止し、スーパーフレックスタイム制を全社員に適用しています。
・株式会社ポッケ
WEBのコンテンツ作成などを行っている株式会社ポッケでは、2018年3月からコアタイムなしのスーパーフレックスタイム制を導入しています。当月定められた労働日数さえクリアすれば、1日の中でいつ出社しても、短時間勤務でもOKという働き方を認めています。
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人手不足解決PRの効果
女性人材獲得というテーマに徹底した人事制度は、女性の働き型問題(女性の労働市場参画が不充分という問題)を解決する効果があります。この実績をPRすることで、社会問題を解決する企業という認識を広め、就労を希望する人への認知を高めることができます。
また、自社がで解決方法を、他の分野に応用する方法を提案することは、より大きな効果があります。例えば、IT分野での女性の働きやすい環境を提供できれば、建設業でも応用できます。
PRは、社会問題解決の現場をメディアに伝えることができるため、企業にとってブランディング効果が高いのです。
株式会社BABY JOB
BABY JOBは、保育園での使用済みおむつの処理問題に取り組み、大きな成果を上げました。
「使用済みおむつの持ち帰り問題」を社会課題として取り上げ、広報PRの力で解決を目指しました。
厚生労働省に要望書を提出し、4ヶ月後に「使用済みおむつは保育園で廃棄すべき」という方針が発表されました。
この取り組みの結果、同社のおむつサブスクリプションサービスの導入施設数が5年で85倍に成長しました。
社会課題の解決が事業成長につながった好例となりました。
社長の上野さんは、就職したユニ・チャームで、主婦が営業ですごい実績を上げるのを目にし、経験豊富な主婦がすごい結果を出すのを実感した。その経験を生かし、お母さんばかりを集めた人材派遣会社を始めたという。
保護者のおむつ持参問題解決
→保育施設向け紙おむつとおしりふきのサブスク「手ぶら登園」
保護者の保育園探し問題
→保護者の保育園探しを応援「えんさがそっ♪」
保育園の現金取引問題
→保育施設向けキャッシュレスサービス「誰でも決済」
なぜ、経験豊富な主婦が、ユニ・チャームで最高の営業ができたか?それをかんがえると、社会問題解決型PRの姿がわかります。経験豊富な主婦は、自らの体験をもとに子育ての問題を心身で理解しているから。つまり、現場の問題を知っている。現場の問題を知っている主婦を集めて、商品化し営業するから結果が出るのです。
そして、社会問題解決した実績をメディアに伝えることで、企業の信用性が高まります。
株式会社女性が働きやすい会社
気仙沼市で地方の女性の働く環境改善に取り組む企業です。
テレワークを活用してIT関連の仕事を開始し、地方での働き方の選択肢を増やしています。
子連れ出勤できる職場の準備を進めるなど、具体的な取り組みを行っています。
地方の女性、特にシングルマザーの働き方に焦点を当てた活動をPRすることで注目を集めています。
菅野奈津子さんが社長を務める、「女性が働きやすい会社」は、彼女が住む気仙沼で暮らす女性に対し、教育プログラムを提供したうえ、成果物をもとに都心IT企業からの受注を彼女たちに割り振る。
その背景には、彼女自身がひとり親であることがあります。グラミンジャパンで、テレワークが浸透していない故郷気仙沼で、女性が自由に働くことができる環境づくりに取り組むことを決意しました。
菅野さんは、東京から帰った気仙沼でリモートワークが浸透せず、労働時間とひとり親としての子育て時間の配分で悩むおなじひとり親を多く知りました。地方都市でのひとり親の働き方という問題に気づき、グラミン銀行のビジネスモデルを応用し教育プログラムと働く場所を提供するサービスを構築しました。
自分自身の問題を、社会の問題として一般化し、さらに気仙沼という個別の地域で小規模で問題解決の成果を打ち出しました、問題の解決を証明し
、社会問題解決型PRとしての質を高めました。
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社会問題解決型PRの進め方
ここで、PRとは、プレスリリースの発信を意味します。プレスリリース発信により、メディア露出し、社会的認知を獲得します。
①現場を知る
あなたが解決したい問題が発生している現場を知ることです。例えば、零細企業の後継者不足であれば、困っている高齢者の経営者にインタビューして、何に困っているか知ることです。できれば工場なd現場を訪ねると効果的です。
インタビューは先方の許可の上、録音してください。
②現場にずっといる人にインタビュー
注意すべき点。
それは、オーナー経営者の場合、現場から遠い人もいます。そのような場合は、店舗を管理するマネージャーか接客の方にインタビューします。介護施設などの場合も同様です。
インタビューは先方の許可の上、録音してください。
③共通して使う言葉を整理
インタビューは、できれば3人以上に行うと効果的です。3人には理由があります。それは、共通する言葉遣いを見つけることです。
インタビューをたどっていくと、ほぼすべての場合共通した言葉遣いを発見します。その言葉は、あなたが社会問題を解決するために最も重要です。
④現場の問題を言語化
あなたが、いくら社会問題を解決したくとも、活動が知られていなけば、続けられません。持続するには、社会的認知が必須です。したがって、PRは、「余裕があればやる」ではなく、最初に必ずやることです。
では、PRのために、何が必要か?それはリサーチです。あなたの活動に近しい活動でPRで成功した団体を調べてください。そして、その団体のPRを真似するのです。
しかし、ここで注意です。同業種、同じカテゴリを避けてください。同業種で、すでに有名な団体があれば、メディアはその団体を取材します。2番手は取材されにくいのです。
従って、異業種、異なるカテゴリで似たようなメリットがある団体をリサーチしてください。
異業種をリサーチするために、あなたが解決しようとしている問題を抽象化することが重要です。たとえば、中高年のメタボというテーマであなたが飲料を開発しているなら、ライザップのような異業種を調べましょう。
⑤現場の問題を解決する切り口をつくる
現場の問題を言語化できたら、次は切り口を作ります。
切り口とは下記を2、3行にまとめたものです:
・解決したい問題、プラス
・解決した結果
活動スタート前なら、想定する結果を書いてください。
⑥メディアニーズを調査
切り口をもとに、テレビと新聞がどのように報道しているか、誰が、どんな肩書で、なぜ取材されているかをレポートにまとめます。最低でも30ページくらいは書いてください。
⑦切り口を固める
切り口とメディアニーズ調査をもとに、切り口を調整します。あなたが作った切り口が、メディアに取材されるか、答え合わせするのです。取材されないことがわかったら、⑤の切り口づくりに戻ります。
取材されると確信したら、切り口を4ステップに展開します。
・あなたが解決したい社会問題
・解決のためにあなたがやっていること
・具体的成果
・CALL TO ACTION
最後のCALL TO ACTIONは、マーケティング用語です。読み手に行動を促すこと。PRでいえば、読み手や視聴者に行動を促します。例えば、セミナーの予定や情報提供をプレスリリースで伝えます。
⑧現場の人に聞く
切り口と4ステップが固まったら、問題を抱えている現場の人の反応を訊きます。アクションを取るか確認します。まったく反応がなければ⑤からやり直します。
セミナーであれば、「どこで参加できるんですか?」、「いくらですか?」が行動です。
面白いですね、いいですね、など行動を表さない言葉は除外します。