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「小説 雨と水玉(仮題)(2)」/美智子さんの近代  ”美智子さんからの返信”

(2)返信

佐藤啓一様

お便りありがとうございます。
良く拝見しました。

わたしは佐藤さんのようにうまく自分の気持ちを文章にすることができるかどうかわかりませんが、書いてみます。

この二年半、いろいろと悩みもしました。でも、佐藤さんにお会いしたいと思います。そして私自身の気持ちも確かめてみたいと思います。

それから、先週の朝、わたしは佐藤さんのことをストーカーだなんて思いませんでした。佐藤さんのことをそんなふうに考えたことはありません。

このようなお便りを佐藤さんからいただき、本当にびっくりしています。わたしの方こそ、佐藤さんがお便りのように思っていていただいたなんて思いもよりませんでした。
とても嬉しかったです。

二年半前お会いするとき、わたしはなんとなく勝手に佐藤さんの好意を感じていました。でもあのあと、わたしはなにか自分は変なことをしちゃったかしら、なにかを見抜かれてしまったのではないかしら、と落ち着かない気持ちで過ごしてきました。
二年半はとても長く、胸の奥の方にしこりのようなものが今もあります。
でも、繰り返し、繰り返しお便りを読んで、胸につかえていたものが少し楽になったような気がしています。
ありがとうございます。

わたしのお願いを言わせていただいてよろしいでしょうか。
佐藤さんとお会いしてゆっくりとお考えを伺いたいということです。二年半前、もっとお話ししておけばよかったと後悔したことをまた繰り返したくないと思うのです。こんなことを言ってすみません。でも是非そうして頂けないでしょうか。

わたしのほうこそ、不躾なお便りをして失礼しました。
気持ちを整理してよく考えて文章にしようかと思ったのですが、わたしが時間をかけてそうするより、早くお返事した方が良いと思いました。

最後まで読んでいただいてありがとうごさいます。
ご連絡を心よりお待ちしております。

                   田中美智子

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