「創薬業界の国内回帰/明治グループ」国内生産回帰、期待したい
以前にも創薬業界のニュースで優れたサイトということでご紹介していましたAnswersNewsで、国内回帰に関連する記事を見かけましたので紹介します。
明治グループの抗菌薬ビジネス
これまで抗菌薬に強みを持ってきた明治グループでしたが、厚労省あるいは市場からの低コスト要請によって生産を海外依存してきていました。
しかし、コロナを機に医薬のサプライチェーンが揺るいで抗菌薬の供給不安が現実のものとなってきました。
折しも、米中冷戦であり経済安全保障政策が日本においても強力に進められることとなり、医薬についても死活的に重要な医薬の国内生産に対するインセンティブが与えられることになりました。
このような環境下、明治グループとして戦略の立て直しを図り、従来より強みを持つ抗菌薬を成長領域に据えた戦略方針を打ち出したということのようです。
この抗菌薬というのは比較的古くからある低分子医薬でいわゆる抗生物質と言っていいでしょうが、最近では市場も伸びているわけではなく、コストダウンばかりが求められる状況で経済合理性のない事業領域とまで言われ撤退するメーカーも結構あったと聞いています。
その決して経営環境が良いとは言えないビジネス領域に必須医薬の供給責任と得意技術という両面で明治グループが敢えて国内生産に回帰しようということですので、それは非常に素晴らしいことだと思います。
もちろん、国策である経済安全保障という後押しがあるからとも言えますが、そうであっても大いに評価すべきことといえます。
具体的なものとして記事に記載されているのは、従来あった、岐阜工場の抗菌薬製造ラインを再構築するということで原料から国内製造するというものです。
国内製造回帰という大きな流れの中の一つの事例
もちろん、採算を取って事業を継続していくことに保障があるわけではないでしょうし、今後の努力次第ということになると思いますが、これも国内製造回帰という大きな流れの中の一つの事例ということになります。
是非こういうことが成功し、次から次へと国内投資、生産性向上、再投資・・・・というポジティブな循環が成されていくことを期待します。
切に成功を祈る
先端半導体の熊本工場投資などは非常に大きなこととしてニュースで良く語られますが、
ここに記した、明治グループの抗菌薬の国内製造回帰も見逃すことができないニュースだと思います。
切に成功を祈りたいと思います。