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「家庭の運営という概念 その9」/夫婦共同で目標をもって貯蓄に励む

 さて、子供の教育の方向性、家族の向かう方向というものがある程度見えてきて、具体的な努力も実践しつつあるというとき、経済的な見通しについても同時構築していかなければなりません。

 実際、中学受験をするということも朧気には視野に入ってくるわけです。また中学受験しないまでも高校受験があり、その先には大学受験は必ずついて回ります。そうしたものを考え、調べればこれはすぐわかることですが、大学の費用というものがやはり最も嵩むことが容易に理解されます。もちろん中学受験するということは中高6年を私学にやるわけですからそれはそれなりの負担とはなりますが、大学が最も高くつくものなのです。

 子供が就学前に親として具体的に考えることはなかなかできにくいことながら、ざっと自分の場合を振り返って見積もることぐらいはできるはずです。その時、大学を国公立の自宅通学という最廉価の場合のみを想定することは大きなリスクであり、通常でやはり私立大学自宅通学くらいを想定しておくというのが標準的であろうと思います。親はその親に学費を出してもらっているだろうことと思いますが、それをいざ子供の学費を出すとすれば、これは大変なことだと思うでしょ。

 さて、やはり学費のための貯蓄はとにかく気が付いたときからすぐにでも開始する、ということだろうと思います。本欄の初稿でも申し上げましたように食事を楽しみつつ、食費から倹約を始めていくということができていれば、もうあまり苦労はしなくても実行していけると思います。一つ一つの家計の無駄や倹約可能なところをしっかりと削り、貯蓄に回していくことが重要です。その際は良く言われるように、最初に天引きしていくということは原則的に重要なことです。

 また、倹約というものは目標を持つことで磨かれていくものでもあります。是非夫婦で夢を共有して日々工夫して貯蓄に励んでいく家風というものを形成していったらよいのではないでしょうか。もし子供さんが多少の根気と能力があり希望するのなら、弁護士や医者を目指さしてあげることも全く可能だと思いますが、そうした場合でも学費を捻出できるという意気込みで貯蓄していくとモチベーションも否が応でも上がっていくものです。

 しかし、倹約ということで忘れてはいけないことは、親や子供たちの勉強や自己啓発はこれは削ってはいけないということです。苦しくともこの予算は可能な限り確保しましょう。そのとき、子供が小さい頃は特にですが、親にとっても子供にとっても読書というのは最も重要な勉強の手段ですから、ここを充実することは一番に考えていただきたいと思います。そして実際、書籍費というのは、他の教育的なものを含めた娯楽費用からすると費用対効果を見ると非常に優れていて、amazonなどの中古書を利用するとさらに抜群のコストパフォーマンスになりますから工夫の余地もあります。

 そういう教育費の実質部分はケチらず、工夫をしてパフォーマンスを上げていくことも忘れず、楽しみながら貯蓄を進めていかれると良いと思います。

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